JRR-3東北大装置
Users Meeting 2024
@東北大学金属材料研究所
概要
中性子は原子核やスピンの静的・動的構造を直接的に観測できる強力な微視的実験手法です。日本国内では、大強度陽子加速器施設J-PARCにおけるパルス中性子を用いた研究が2008年以来活発化する一方で、研究用原子炉JRR-3（日本原子力研究開発機構内設置）における定常中性子源は2011年3月の東日本大震災以降、2021年2月まで約10年間停止していました。東北大学金属材料研究所はJRR-3に三台の中性子装置、i) 偏極中性子三軸分光器TOPAN、ii) 汎用中性子三軸分光器AKANE、iii) 中性子粉末回折装置HERMES、を保守・管理しており、JRR-3の停止期間中を利用して装置の高度化を推進して参りました。JRR-3 は運転再開後順調に運転しており、三装置を用いて論文出版を含む研究成果が創出し始めています。JRR-3運転再開後約3年が経過した現時点において、三装置のユーザーを集めたUsers Meetingを開催いたします。
最新の装置の状況については下記の論文をご参照ください。
TOPAN & AKANE: Y. Ikeda et al., J. Phys. Soc. Jpn. 93, 091003 (2024).
HERMES: Y. Nambu et al., J. Phys. Soc. Jpn. 93, 091005 (2024).
Users Meeting終了後に懇親会を予定しております。Users Meetingと懇親会の参加について、こちらからお申し込みの上、ぜひご参加くださいますと幸いです。参加申し込みの締め切りは9月27日（金）までとさせていただきます。
本Users Meetingは金研共同利用GIMRTの支援を受けて行われています。
世話人：南部雄亮、池田陽一、谷口貴紀
プログラム
10:00 - 10:05 はじめに
TOPAN session
10:05 - 10:20 池田陽一（東北大） 「6G-TOPANの現状報告」
10:20 - 10:40 髙田秀佐（東北大） 「JRR-3 TOPANおよびMLF中性子ビームラインにおける偏極3He中性子スピンフィルターの利用」
10:40 - 11:00 松村武（広島大） 「希土類カイラル磁性体YbNi3Al9の中性子非弾性散乱」
11:00 - 11:20 清水悠晴（東北大） 「UBe13とURhSnに関連した物質の中性子散乱」
11:20 - 11:40 梅本好日古（東北大） 「中性子・X線を利用した鉄マンガン基合金のフォノン物性の研究」
11:40 - 13:30 昼食
HERMES session
13:30 - 13:50 南部雄亮（東北大） 「T1-3 HERMES: JRR-3運転停止期間中に施した改造と現在の装置性能」
13:50 - 14:10 Tong Zhu（京大） 「Revealing Coupled Structural Parameters in Halide Perovskites through Neutron Powder Diffraction and
Quasi-elastic Neutron Scattering 」
14:10 - 14:30 岩佐和晃（茨城大） 「Remeika相化合物の反強磁気秩序相におけるクラスター多極子」
14:30 - 14:50 藤井孝太郎（東京科学大） 「新規イオン伝導体の探索と中性子を利用した構造科学」
14:50 - 15:20 休憩
AKANE session
15:20 - 15:35 谷口貴紀（東北大） 「T1-2 AKANEの現状報告」
15:35 - 15:55 山根悠（兵庫県立大） 「擬スクッテルダイト化合物RRuSn3 (R = Pr, Nd)における結晶場励起」
15:55 - 16:15 井出郁央（名古屋大） 「熱外中性子ビーム実験に用いる偏極139La原子核標的
LaAlO3結晶の単結晶性の評価」
16:15 - 16:30 まとめ & 議論
18:00 - 懇親会 @ レストラン萩（参加費5000円、参加登録はこちらから）