近年、「ビッグデータ」という用語は学術界のみならず社会的にも定着してきたものと思われる。その一方で、データを実際にどのように処理し、解析がなされているかの詳細については、研究遂行上は重要なノウハウであるにもかかわらず、分析結果や現実的含意ほどには注目されていない。このようなテーマに対して、2021年度から2023年度まで統計思考院の公募型人材育成事業ワークショップとして「探索的ビッグデータ解析と再現可能研究」を開催してきた。このワークショップは、「事例の積み重ねと共有」をテーマとし、解析事例を取り上げ、具体的にデータを処理・解析する工程を、再現可能性も踏まえて詳細に提示することで、ビッグデータ解析に取り組む人材の育成に資することを目的とした。2024年度は、より研究・技術指向に重点を移した話題を研究者間で検討する研究集会として開催する。ただし、ある程度規模の大きなデータの解析を扱うこと、高速処理等の側面が含まれること、再現可能性も意識すること、といった要素のうち可能な限り複数の要素を含むようなプログラムを編成する。
日時: 2025年1月25日(土) 10:25〜17:00
開催場所: 統計数理研究所3階セミナー室5(D313・314) にて対面とZoomウェビナーによるハイブリッド開催 (リンク情報は参加申込をされた方に後日お送りします)
参加申込: 申込は締め切りました。ここから登録してください。なお、対面参加での席数には限りがありますので、途中からオンライン参加のみでの受付となる可能性があります。予めご了承ください。Zoomへのアクセス情報は、対面参加ご希望であってもお知らせします。
講演者 (あいうえお順, 敬称略):
植木優夫 (長崎大学 総合生産科学域 情報データ科学部 教授)
瓜生真也 (徳島大学 デザイン型AI教育研究センター 助教)
海外浩平 (HeteroDB 代表)
川崎能典 (統計数理研究所 学際統計数理研究系 教授)
小池祐太 (東京大学 大学院数理科学研究科 准教授)
阪 智香 (関西学院大学 商学部 教授)
地道正行 (関西学院大学 商学部 教授)
宮本大輔 (政策研究大学院大学 政策研究科 教授・東京大学 情報基盤センター 特任教授)
湯浅竣介 (徳洲会インフォメーションシステム株式会社 システムエンジニア)
講演プログラム:
10:25-10:30 開会挨拶(川崎能典)
10:30-11:00 「人流ビッグデータによる地域の熱中症リスクの解明」(瓜生真也)
11:00-11:30 「ビッグデータ解析を取り巻く環境について」(宮本大輔)
11:30-12:30 「探索的財務ビッグデータ解析からみえる世界の企業行動の実態」 (地道正行, 阪 智香)
12:30-13:30 お昼休み
13:30-14:00 「GPUのSQLデータベース統合によるインテリジェントなデータ分析」(海外浩平)
14:00-14:30 「同時推測と高次元/高頻度データの可視化」(小池祐太)
14:30-15:00 「電子カルテデータの利用: データの前処理から実運用まで」(湯浅竣介)
15:00-15:20 休憩
15:20-15:50 「テキスト系列からの動的トピックの抽出とボラティリティ予測への応用」(川崎能典)
15:50-16:20 「データ適応的検定によるゲノムデータ解析」(植木優夫)
16:20-17:00 総合討論