研究写真紹介
(日高 道雄 先生・琉球大学 名誉教授)

枝をつくる能力?

ハナヤサイサンゴのポリプ(プラヌラ幼生が着生してできた一次ポリプ)をくっつけて育てたら、癒合して幼群体になり、最初の一次ポリプのあったところから枝が形成されました。
成群体の枝先端部を切り取り、同じようにくっつけて育てた場合、群体は広がるばかりで枝を作りませんでした。

大人の群体では老化して枝を作る能力が低下しているのかもしれません。サンゴの寿命や老化に興味を持つきっかけになりました。


白化前後の褐虫藻のようす

左は白化の一歩前、右は白化したハナガサミドリイシ内の褐虫藻。細胞が破裂するように(ネクローシスにより)死ぬと周囲に内容物をまき散らし、宿主のサンゴに害を与えます。

サンゴが白化で死ぬのは、栄養が足りなくなるだけではないと考えられます。

個体と群体の違いとは!?

単体サンゴのクサビライシ(Fungia sp.)は死んで骨格だけになったように見えても、組織片が残っているとそこからポリプが再生します(左上)。
同じ個体の組織片からポリプを再生させて接触実験を行うと、再生したばかりのポリプは癒合してしまいます(右上、下)。
再生後しばらくたってから接触させた場合は、傘部が接触しても癒合しません(左下)。

群体サンゴではクローンどうしをくっつけると癒合しますが、再生クサビライシは、ある時期に個体性(遺伝的に同じクローンどうしでも癒合しない性質)を獲得すると思われます。個体と群体の違いは何によって決まるのでしょうか?


主催:日本サンゴ礁学会教育普及啓発委員会

このイベントは日本サンゴ礁学会第23回大会中に行われます。
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