日本テスト学会 第24回大会 チュートリアル 企画趣旨・配布資料
日本テスト学会 第24回大会 チュートリアル 企画趣旨・配布資料
やさしい認知診断モデル ―GDINAとQ行列の理解を通じた学習者診断の基礎―
司会:豊田 秀樹
講演:木村 颯汰・上田 蒼斗・佐々木 研一・武田 大輝・谷口 美紀
企画趣旨
近年、学習者一人ひとりの理解状態やつまずきの原因を詳細に把握し、それぞれに応じた指導や支援を行うことの重要性が高まっている。そのための有力な方法として注目されているのが認知診断モデル(Cognitive Diagnostic Models: CDM)である。CDMは単なる得点の評価にとどまらず、「どの知識や技能を習得しているのか」「どこでつまずいているのか」を診断できる点に大きな特徴がある。
本チュートリアル・ワークショップは、初心者から上級者までを対象とした三段階構成で行う。まず第1部では、CDMをまったく知らない方のために、DINAモデルを用いて入門的な解説を行う。数式を必要最小限に抑えながら、CDMの考え方や有用性を直感的に理解できるよう説明する。続く第2部では、中級者向けにG-DINA, LCDMを中心として、さまざまなCDMを統一的に理解するための枠組みを紹介する。多くのモデルが一般化モデルのサブモデルとして整理できることを示す。最後の第3部では、上級者を対象として、CDMの成否を左右する重要な要素であるQ行列の検証・改良・識別・推定について説明する。近年提案されている方法を紹介しながら、実践的な分析手順について学ぶ。
講義で使用する分析例はすべてR言語のスクリプトとして配布され、参加者自身が容易に再現できる。チュートリアル終了後も、配布資料とスクリプトを用いて復習しながら理解を深めることが可能である。これからCDMを学ぶ方から、研究や実務で活用している方まで、認知診断モデルの全体像と実践的な活用法を効率よく学べる機会となることを目指している。
なお、当研究室では、本年開催される日本心理学会第90回大会(東洋大学白山キャンパス)および日本教育心理学会第68回総会(アクトシティ浜松)においても、認知診断モデルに関するチュートリアルを企画している。それぞれ本チュートリアルとは内容が全く異なり、いずれも独立した内容として受講可能な構成となっている。認知診断モデルへの理解をより深めるためにも、併せて受講されることをお勧めする。
全体の流れ
1. 認知診断モデル / DINA(木村 颯汰)
2. G-DINA(上田 蒼斗)
3. 一般化モデルと下位モデル(佐々木 研一)
4. Q行列の検証(武田 大輝)
5. Q行列の識別 / 推定(谷口 美紀)
配布資料