第43回 日本リハビリテーションスポーツ学会研究大会


テーマ:「インクルーシブ社会の実現に向けて ~既存の地域資源に着目して~ 」

第43回日本リハビリテーションスポーツ学会研究大会 大会長 鮎川雄一

大会の趣旨説明

我が国は、人口減少、少子高齢化、また、地方都市から大都市への若年層の流出等による人口の地域偏在が進んでいます。そのため、障害児者や高齢者の支援において、地域での柔軟な対応が求められ、地域の実情に即した各自治体独自のサービスが提供されています。一方、時代の変化に合わせて障害児者や高齢者の生活環境やニーズは変化してきており、公的サービスでは対応出来ない場合があります。そこで、これまでのサービスに捉われないインフォーマルな支援の必要性が顕在化してきているのではないでしょうか。ところで、当会の会員はリハビリテーションの担い手として、手段としてのスポーツに関する知見を深めていますが、スポーツの実施場所も多様性が求められています。かつて活動の中心であった障害者スポーツセンターやバリアフリー環境が整った公共施設等は飽和状態であり、必ずしも利便性が高いとはいえません。反対に、公園や緑地、商業施設の空地等、いわゆるオープンスペースが存在します。それらは、災害時の避難場所として活用されることがありますが、日常的に十分な活用がされているとはいえません。そこで、本大会では日常的に空地となっている地域資源に着目し、公的サービスだけでなくインフォーマルな支援も含めたサービスの提供場所として、オープンスペースをどのように活用し、社会参加の根幹となるコミュニティ形成をデザインしていくのかディスカッションする機会にしたいと思います。