【問題】「もしも星々が千年のうち一夜しか現れないとしたら、どんなに人は信仰し崇めるだろう。そして何世代も、かつて見た神の都市の記憶を留めおくことだろう。」
(『自然論』ラルフ・ウォルドー・エマーソン 19世紀 アメリカ)この一節を元に物語を作ってください。また、以下の設問に答えてください。
主人公と,この事態を主人公と同じ立場で,もしくは反対の立場で受け止める,もう一人の登場人物を設定する
作った「物語」を物語の途中までではなくきちんと終わりまで書いてください(300文字程度)
夜が訪れるクライマックスのシーンを漫画原稿用紙に6ページ以上で表現
『もしも星々が千年のうち一夜しか現れないとしたら、どんなに人は信仰し崇めるだろう。そして何世代も、かつて見た神の都市の記憶を留めおくことだろう。』
(『自然論』ラルフ・ウォルドー・エマーソン 19C アメリカ)これは自然の持つ偉大さが人に感動を与えることを伝えるために「一千年に一度しか夜が訪れなかったら(星を見ることができなければ)」という状況設定をした例え話です。
SF雑誌『アウスタンディング』編集長ジョン・W・キャンベルはこれに対して「エマーソンは間違っていると思う。もし星が千年に一夜現れたなら、人は狂ってしまうだろう。これについての物語を書いてほしい。タイトルは『夜来(きた)る』だ。」とアイザック・アシモフに依頼します。そうしてアシモフが書き上げた『夜来る』という短編は70年経った今でも傑作SF短編として取り上げられる作品になりました。
『6つの太陽があるために2049年に一度しか夜がこない惑星ラガッシュ。2049年ぶりに皆既日食が起きようとしている。文明の破滅を恐れる人々,宗教に救いを求める人々,恐怖でパニックになる人々の元に夜が訪れ,人々は狂気に囚われ文明が終焉を迎える』(夜来るーあらすじ)
短編ですが,未知の現象に対する恐れ,自然の力を前に無力な人類が描かれています。
街を覆った布は『大いなる何か』に吹き飛ばされ、繭の中で守られていた住人たちは否応無く頭上に広がる星空の圧倒的な美しさに立ち尽くす。
住民や息子を守ろうという切なる思いによる『街を覆う』という途方も無い行動、それに対抗する若者(息子)。既存の慣習に疑念を持たず『守られている』民。吹き飛ばされた幕は暗喩のようでもある。
最終コマが、ただただ輝かしく美しいものでないのも好感が持てる。目が『開かれた』ゆえにこれから訪れる、新しい世界(概念)へ向かう青年の不安や覚悟のようなものを感じる…のは深読みしすぎだろうか。 2020.1.31 文責 あや