【9回目】ロンバルディア州
◆ロンバルディア州・・・山岳地帯、広陵地帯、平野部と変化に富んだ州です。この地形が複雑な気候を生み出し「フランチャコルタ」を筆頭に、バローロと同じ品種で造られる山のワイン「バルテッリーナ」「オルトレポー・パヴェーゼ」など、タイプも個性も異なる多彩なワインが造られています。
テヌータ・モンテ・ デルマ・ディ・ベラルディ "モンテデルマ"
Tenuta Monte Delma di Berardi "Montedelma"
Franciacorta DOCG Brut
ワイン名:Montedelma モンテデルマ
ワインの種類:スパークリングワイン
ブドウの種類:シャルドネ 80%,ピノビアンコ 15%,ピノネーロ 5%"
生産地:北イタリア ロンバルディア州ブレーシャ県 パッシラーノ自治体
ワイナリー名:Tenuta Monte Delma di Berardi テヌータ・モンテ・ デルマ・ディ・ベラルディ
ワイナリーの特徴:古くからの貴族のフランチャコルタの集落に新しく建てられた洗練されたカンティーナを持つTenuta Monte Delmaは技術革新への研究と、肥沃な土壌の特徴の結実として質の高いワインを提案している。畑においてはフランチャコルタ用の品種が栽培されているが、フランチャコルタのブランドに見合った最高品質のブドウを育むため、地質の特性と日照条件に見合ったクローン(株)の選択に細心の注意を払っている。そうして得られた非常に高いブドウの質と、すべての製造工程における注意が行き届いて丁寧な作業、そして瓶内二次発酵における先鋭的の技術の融合がワインの味で表現されている。
ワインの特徴:視覚: 麦わらの黄色、嗅覚: 熟したフルーツとパンの耳が感じられる強く複雑な香り。味覚: 柔らかで口いっぱいに拡がり、持続性がある。バランスが取れている。泡: ふわふわとして、細かくたっぷりの泡。生き生きとして持続性がある。滴定総酸度: 6.7g/L、残糖分: 8.1g/L、加圧: 4.7atm at 20°C。
畑の特徴:5500本/本、仕立て: グイヨー、最大収獲量: 9500kg/ha
醸造:ブドウ畑の区画とブドウの状態別に分けて手摘みする。翌年春に一次発酵後のワインを混ぜ、スプマンテのベースを作る。正確に定めた量のきび糖と酵母を加え瓶詰し、二次発酵を行う。酵母を懸濁に保つためリムアージュを経て、18か月後に抜栓・澱抜きし、リキュールを加える。
相性の良い食事:食前酒に最も適しているが、魚介ベースの料理や繊細な味付けの料理にも適している。(提供温度: 6-8℃)
中川原まゆみのコメント:近年、日本でも人気の高い瓶内二次発酵ワイン。イセオ湖畔にある産地は砂質比率の高いモレーン土壌。湖畔から風も入り、寒暖差の小さい穏やかな気候。ワインはイタリアらしい柔らかなテクスチャーで果実味のバランスがとてもいい。
カーザ・ヴィーニコラ・ピエトロ・ネーロ "エフェスト"
Casa Vinicola Pietro Nera "Èfesto"
Valtellina Superiore DOCG Inferno
ワイン名:Èfesto エフェスト
ワインの種類:赤ワイン
ブドウの種類:ネッビオーロ(キアヴェンナスカ),ピニョーラ,ロッソーラ
生産地:北イタリア ロンバルディア州 ソンドリオ県 キウーロ自治体
ワイナリー名:Casa Vinicola Pietro Nera カーザ・ヴィーニコラ・ピエトロ・ネーロ
ワイナリーの特徴:70年以上の歴史"ネーラ家のブドウ栽培・ワイン醸造の歴史は、1940年にグイードによる創業に始まり、その息子で、頑固でプライドの高いピエトロが1950年代にブドウ畑を広げ、そして1982年にステファノとシモーネの兄弟が現在のワイナリー所有となっているカヴェン農園を設立した。Pietro Neraは、長い歴史において、ブドウの栽培と質の高いワインの生産によって土地に価値を与え、ヴァルテッリーナ地域のなかでも重要で評価の高いワイナリーの一つとして知られており、国内外の様々なコンクールで賞を獲得している。ヴァルテッリーナでは、ブドウ畑が丘の急勾配や切り立つ崖にあるため機械が使用できず、全てが手作業で行われる。そのため"英雄的"ブドウ栽培と称される。1ヘクタール当たりの作業時間は1200~1400時間にも及ぶのである。それに加え、ソンドリオ県内25万箇所、総距離2500㎞にもおよぶ、ブドウ畑を支える石壁の補修に作業にも当たっている。強く、しなやかなブドウ畑を作りあげるにはブドウ品種のクローン(株)選択と緻密な手入れが必要である。ピエトロ ネーラでは専門家によって厳選された12番、21番、34番クローンを使用しているが、その株の共通点はうどんこ病(Oidio)、べと病(Peronospora)、ボツリヌスに強い耐性があることである。この病気耐性によって、農薬の使用削減が実現可能となり、より安全なワインが生産できる。Pietro Neraにブドウを提供している生産者とともにワイナリーは環境に配慮した農作業を行うことでロンバルディア州の田園地区の発展計画にも何年も前から貢献している。
ワインの特徴:視覚: 輝くルビーレッド、嗅覚: 繊細複雑でエレガントで絹ごししたフルーツの香り、味覚: はっきりとして直接的かつ豊かに広がる。総酸度: 5.6g/L、6-7年程度保存可能
畑の特徴:標高: 300~450m、仕立て: グイヨー、平均生産量: 8000L/ha、東南北を山、西を湖に囲まれているおかげで寒さが和らげられている。一年を通して、通り雨があり、特に南向きのブドウ畑においては日照に恵まれブドウ栽培に適した条件が揃っている。岩の多い砂質の浅めのやや酸性土壌のpH補正とほかの栄養素の滞留させるため炭酸カルシウムを使用。窒素の使用は控え目に、収穫と剪定で損なわれるカリウムとリンを補う。
醸造:温度管理下で発酵しながらワインと皮を10日ほどマセレーションする。少なくとも12か月中規模で熟成させ、ステンレス、あるいはコンクリートタンクで熟成。(最低でも24か月の熟成期間、うち最低12か月はオーク樽での熟成が定められている。)
相性の良い食事:しっかりとした味付けのパスタ料理、赤身肉のローストか煮込み料理、チーズ (提供温度: 16-18℃)
中川原まゆみのコメント:スイスにほど近い、東西に開けているヴァルテリーナ渓谷。そなかでもインフェルノ畑は急勾配の南斜面。日照量も多く、礫の多い、痩せた土地。ワインにはエッジの利いた、強い構成力がある。タンニンの存在感が際立つ。
ラ・ピオッタ "タレント"Brut Bio
La Piotta "Talento"Brut Bio
Oltrepò Pavese Metodo Classico DOCG Pinot Nero
ワイン名:"Talento" Brut Bio "タレント" Brut Bio
ワインの種類:白ワイン
ブドウの種類:ピノ ネーロ100%
生産地:北イタリア ロンバルディア州 パヴィア県 モンタッロ パヴェーゼ自治体
ワイナリー名:La Piotta ラ・ピオッタ
ワイナリーの特徴:La Piotta はオルトレポ地域の中央部、質の高いワインとスプマンテの生産適した地区モンタルト パヴェーゼに位置する。ワイナリーは1985年に現オーナーの祖父ルイージによって創立された。現在存在するブドウの平均樹齢はおよそ30年程度で強く、持続する香りを持つ白ワインと、力強く骨太な赤ワインの製造を可能としている。1930年に植えられた9列のピノグリージョを今も所有していることがワイナリーが伝統と土地への愛情を注いでいることを証明している。併せて15ヘクタールのブドウ畑を所有し、年間70000本のワインのすべての製造工程を第三者に委ねることなく自分達の手で行っている。ルイージの息子達のガブリエーレとマリオによるワイナリーの成長を経て、現在は3代目エンリーコとルカが彼らの父親達とともに、技術・生産・マーケティング部門において働いている。彼らの目標は祖父によって始められたワイン生産を、新しいアイディアによってさらに推し進めることにある。2005年にビオロジック生産者としての認定を受けている。
ワインの特徴:視覚: 麦わらの黄色、嗅覚: パンの耳と南国フルーツの幅広い香り、味覚: 心地よい酸によって調和しエレガント、泡: 細かく持続性がある。残糖分: 4g/L。涼しく乾燥した場所で、澱抜きから16か月から20か月ほど保存可能。
畑の特徴:海の近さや近隣にある川の存在が冬の寒さを和らげ、また夏は素晴らしい昼夜の寒暖差がある。地質は石灰質泥灰土で気候も土壌もピノネーロの栽培に適している。
醸造:ブドウは注意深く選別されたのち、ソフトプレスされ、温度管理下で発酵させる。翌年春に酵母を加え瓶詰めし、二次発酵を開始。24か月後に澱抜きし閉栓した後、数か月を経て販売開始となる。
相性の良い食事:食前酒に最も適しているが、様々な料理に対応可能。(提供温度: 6-8℃)
中川原まゆみのコメント:古くからピノ・ネーロの栽培が行われてるオルトレポ・パヴェーゼ。近年ではシャルマ方式の発泡性ワインから瓶内二時発酵ワインへと流れが変わった。重心の低めのしっかりとした太めの味わい。持続性のある心地よい気泡が長く続く。