板橋七福神の由来
昭和のはじめ、今の熊野町交差点の一角にお神輿を飾ってあるお店がありました。
町彫師の田中金太郎(通称彫金)さんが店主です。彫金さんは信仰心が人一倍厚く、神社や寺院の彫り物を中心にノミをふるっていました。そして技量と心身共に熟した頃に一念発起。念願の七福神を彫り上げ菩提寺に奉納されました。その尊像は高さ約25センチ白木造り、小型ながらどれ一つとっても名人の冴えで、とても素晴らしいお姿です。
のちに近隣の寺院にそれぞれ大切に安置されることとなり、昭和十二年に板橋七福神の巡拝が始まりました。
西光院に大黒天、観明寺に恵比寿天、文殊院に毘沙門天、長命寺に福禄寿、安養院に弁財天、西光寺に布袋尊、能満寺(現練馬区旭丘・昭和二十二年まで練馬区は板橋区の一部でした)に寿老人がお祀りされています。
西光院
本尊
阿弥陀如来
大黒天
五穀豊穣・財福
大黒天は福徳円満のインドの神さまで、日本に伝えられてから、出雲の大国主命と一体の神さまになりました。笑い顔の柔和なお姿で有福を示し、手に持っている打出の小槌は、怠け者の心を打ち正し、働くものには財宝を打ち出すというご利益があります。
観明寺
本尊
聖観世音菩薩
恵比寿天
大漁・出世
恵比寿天は神道の神さまで、大国主命の御子とも伝えられています。釣り竿を持つお姿から、航海や商売の守り神として祀られ、えびす顔といわれるほど親しみに満ちた尊顔からは、財宝をもたらすという御利益で広く信仰されています。
文殊院
本尊
文殊菩薩
毘沙門天
勝運・厄除
毘沙門天はインドの神さまで、多聞天とも呼ばれ、仏教を守護する四天王の一人です。武神として正しき者を守護し、左手に持っている槍で邪気を払います。右手に持つ多宝塔からは限りない財宝を授与するという御利益があります。
長命寺
本尊
薬師如来
福禄寿
幸福・健康
福禄寿は中国の神さまで、人望をあらわし、お参りする者が心の向上と発展を祈れば霊験を授かることができると伝えられています。福(幸福)と禄(高給)と寿(長命)の三つの福徳を授けるという御利益から福禄寿と呼ばれています。
安養院
本尊
阿弥陀如来
弁財天
芸術・学業
弁財天はインドの神さまで、七福神唯一の女神です。愛嬌を示し、音楽と芸術の神さまとして信仰され、また弁財の財であらわされるように商売繁盛の神さまでもあります。美貌・芸術・財福という御利益で、多くの人に信仰されています。
西光寺
本尊
正観音菩薩
布袋尊
子宝・良縁
布袋尊は中国の神さまで、心の豊かさを示し、堪忍と和合を教えてくれる神さまとして、広く親しまれています。そのお姿からうかがえるように、細やかなことにとらわれずに、おおらかな心で物事に取り組めば、周りの者からの信望が増すことは疑いありません。
能満寺
本尊
不動明王
寿老人
健康・長寿
寿老人は中国の神さまで、儒教の祖である老子の化身とも伝えられています。手にした杖には人名の長寿をしるした巻物が結びつけられ、長寿の御利益を授けてくださいます。古来、長寿は最高の願いで、いつの時代も健康を願う気持ちには変わりありません。
◉ 地図
◉ お知らせ
・巡拝期間
一月一日から一月七日まで
・巡拝時間
午前九時から午後四時まで
・問い合わせ先
板橋七福神事務局(西光院内)
03-3955-2766
ita.huku@gmail.com