日時:2021年9月27日(月) 9:30 - 17:30

開催場所:Zoomによるオンライン開催 (Linkは参加申込をされた方にお送りします)

参加申込 :

こちらからよろしくお願いします。締め切りは9月13日17時までとします。参加人数によっては参加申込を締切日の前に打ち切る可能性があります。

参加申込は締め切りました。ご協力ありがとうございました。

開催趣旨:

 20世紀の終わりから現在にかけて、天文観測の大型化は急速に進んでいる。これに伴い、解析できるデータ量は急激に増え、統計解析による宇宙物理学の進展も著しい。特に、観測的宇宙論と呼ばれる研究分野では、観測データを基に宇宙の構造や起源が研究されているが、天文ビッグデータの恩恵を受け、我々の宇宙観を変える発見が次々になされている。ビッグバン宇宙、光を発しない新物質“暗黒物質”の存在、宇宙膨張の加速現象など、いずれも(にわかには信じがたいが)胸躍るものばかりだ。

 日本を含む世界各地で、様々な大型天文観測が計画中・進行中である。少なくとも2030年代までは観測的宇宙論の基礎になるビッグデータは途切れなく得られる見込みだ。将来の更なるビッグデータ解析で次のブレイクスルーが期待されるなか、観測的宇宙論がどういうプロセスで興味深い結論を導いているのか、今一度総括することは、データ科学分野からの新規参入や若手学生の人材育成の観点で意味がある。

 天文学や観測的宇宙論を専門とする若手研究者(修士・博士課程の大学院生を含む)は勿論のこと、当該分野の知識を持たないデータ科学分野の研究者にも参加してもらい、観測的宇宙論の基本となる宇宙論パラメータをいかに決定するかについて、後述の「異なる天文観測データ」を切り口に、多面的な理解を促進することを目的とする。

本ワークショップの主な内容:

 一般相対性理論の枠組みでは、膨張する宇宙の中での構造形成は、6-7個のパラメータによって規定される。これらのパラメータは宇宙論パラメータと呼ばれ、パラメータの精密測定が観測的宇宙論の結論の裏付けとなる。本ワークショップでは、気鋭の宇宙論研究者5人を講師に招き、異なる天文観測データ、すなわち現在の主要な5つの観測データである

宇宙マイクロ波背景放射」「銀河分光」「銀河撮像銀河団超新星爆発に基づく距離推定

をトピックに、統計的データ解析による宇宙論パラメータの推定プロセスについてのレビュー講演を予定している。

招待講演者(敬称略)

  • 市來 淨與 (名古屋大学素粒子宇宙起源研究所 准教授)

  • 杉山 尚徳 (国立天文台科学研究部 特任助教)

  • 真喜屋 龍 (中央研究員天文及天文物理学研究所 Postdoc Fellow)

  • 宮武 広直 (名古屋大学素粒子宇宙起源研究所 准教授)

  • 羽田 龍一郎 (東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 東京大学特別研究員)

講演プログラム:

午前の部

9:30-9:45 オンライン接続確認

9:45-10:00   ワークショップ趣旨説明

10:00-11:00 宇宙マイクロ背景放射観測 (市來 淨與)

11:00-11:15 休憩・議論

11:15-12:15 銀河分光観測 (杉山 尚徳)

12:15-12:30 休憩・議論


12:30-13:30 昼休憩


午後の部

13:30-14:30 銀河撮像観測 (宮武 広直)

14:30-14:45 休憩・議論

14:45-15:45 銀河団観測 (真喜屋 龍)

15:45-16:00 休憩・議論

16:00-17:00 超新星爆発による距離推定 (羽田 龍一郎)

17:00-17:30 まとめと議論

世話人:白崎正人 (問い合わせ先:shrsk at ism.ac.jp, at ->@に変更してください)

講演スライド (招待講師の方のご好意に基づき公開しています。予告なくリンク先が削除される可能性があります。)

宇宙マイクロ波背景放射観測 質問とコメント

銀河分光観測 質問とコメント

銀河撮像観測 質問とコメント

銀河団観測 質問とコメント

超新星爆発による距離推定 質問とコメント

主催:統計数理研究所 統計思考院

本ワークショップは、2021年度統計思考院公募型人材育成事業の援助を受けています。