光合成蒸散リアルタイムモニタリングシステムです。本システムは,栽培されている作物を透明ビニル製チャンバで包み,上部のファンによりチャンバ内空気を継続的に排気し,チャンバ下部からチャンバ内に流入する空気(Inflow air)とチャンバから排出される空気(Outflow air)のCO2濃度差およびH2O濃度差を計測することにより作物個体群の光合成速度と蒸散速度をリアルタイムにモニタリングします。安価なCO2濃度センサ・H2O濃度センサを用いているにも関わらず高精度な光合成蒸散計測を可能にした画期的なシステムです。愛媛大学・豊橋技術科学大学発ベンチャーのPLANT DATA(株)が協和(株)と共同で市販化。
[Reference]
Comparison of photosynthetic rates, transpiration rates, and total conductance of greenhouse-grown tomato plants measured with two open chambers with different ventilation rates
Kota Shimomoto, Naomichi Fujiuchi, Noriko Takahashi, Hiroshige Nishina, Kazue Inaba, Yayu Romdhonah, Kotaro Takayama
Journal of Agricultural Meteorology 77(4) 270-277 2021.
つり下げ型植物生体画像情報計測ロボットの多元的植物生体画像計測ユニットは,4種類(青・白・赤・近赤外)のLED光源と2種類(カラー・赤外)のカメラを組み合わせることでクロロフィル蛍光画像・カラー画像・NDVI画像を取得する。この画像計測ユニットは,太陽光植物工場の天井部に水平に設置されたレールにつり下げられており,レールに沿った水平移動を行う。なお,自動充電機能と自動計測機能により,すべての計測プロセスが自動化されており,取得した画像情報はインターネットを介して専用サーバにアップロードされ,クロロフィル蛍光画像を用いた光合成機能の数値評価,カラー画像のAI(ディープラーニング)による画像解析を通じた果実数等のカウント等を行う。
[Reference]
トマト個体群を対象としたつり下げ型多元的植物生体画像情報計測ロボットの開発―仕様と動画取得安定性の評価―
加納多佳留, 戸田清太郎, 海野博也, 藤内直道, 仁科弘重, 高山弘太郎
Eco-engineering 2022年4月
DOI: https://doi.org/10.11450/seitaikogaku.34.37
スマートフォン(以降,スマホ)に内蔵されているカメラで撮影したイチゴ個体群のカラー画像を用いて,草高・葉量,花・果実数を自動計測するウェブアプリを開発(協力機関のPLANT DATAと連携)し,2021年12月に無償公開を開始した。画像解析で得られた草高・赤色果実数,および,それらの実測値(草高はテープメジャーを用いた手計測,赤色果実は収穫果実数)の変化の様子(図-下)を示す。この結果は,スマホを用いてイチゴ群落を撮影するだけで,栄養成長と生殖成長の数値評価を簡便にかつ速やかに行えることを示してる。
[Reference]
Smartphone-based strawberry plant growth monitoring using YOLO
S. Toda, T. Sakamoto, Y. Imai, R. Maruko, T. Kanoh, N. Fujiuchi, K. Takayama, Acta Horticalturae, 2022.
Accepted