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BOLD法によるfMRIの原理
プロトンを観測核としたMRIで生体から得られる情報は、測定対象の持つ形態情報と水分子をとりまく生理環境情報を中心とする。生理環境情報とは、組織中の水分子の運動の自由度と移動(拡散)の速さが信号強度の差として反映されるものである。これらの情報が時系列デ-タとなった場合に機能情報としての意味を持つ。
我々がfMRIで検出しているものは、神経細胞の興奮に伴う血流の変化が、形態情報や生理環境情報に基づく信号強度をさらに修飾する現象である。fMRIの代表的な測定原理であるBOLDコントラストは脳内の血液中酸素量の変化に伴う磁化率効果の変動を検出して脳神経細胞の活動の状態を計測する方法である。被験者に課せられたパラダイム(実行課題)の周期と局所の血液動態分布の変化に伴い発生する信号強度の変化との相関性を探し出し、それを神経興奮を間接的に表現するものとして検出する。神経興奮を一次シグナル、それに伴う代謝変化を2次シグナルと呼ぶが、そういう観点から考えればfMRIは「3次シグナル」と言える。
BOLDコントラストの原理
酸素と結合していないヘモグロビン(デオキシ・ヘモグロビン)は4個の不対電子を持っているため、磁化率が大きい常磁性体としての性質を持つので、MRIの信号強度を減弱する。この時の見かけの緩和時間をT2*と呼ぶ。一方、脳の賦活が起こると局所への血流量が増加し、血中の酸素結合型ヘモグロビンが多くなる。その結果、MRI信号の減衰は少なくなり、T2*は相対的に延長するので、局所神経組織の賦活によりMRI信号は増強されて観察される。この二つの状態の差を神経活動のON/OFFに起因するものとして取り扱う。
Reference
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