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目で見る脳の働き
要約
我々の生活は、物質だけでなくこころの働きがあって始めて意味を持つ。ライフエレクトロニクス研究ラボでは、磁気共鳴画像法(MRI)を応用して、こころの座である脳の働きを非侵襲に調べるfMRIの実用化開発に取り組んで来た。並列計算機による高速計算技術を用いて、脳活動の様子を連続的に捉え、即時に映像化することに成功した。このリアルタイム脳機能解析法により、こころのメカニズムをより深く探ることができよう。
抄録
長い研究の歴史の中で、神経疾患や脳の損傷によって発生する症状や、霊長類の研究成果から、人間の脳のそれぞれの場所がどのような役割と関連しているか大まかなことは分かっていた。この役割分担は長い間、神経機能の局在として理解されて来た。近年、磁気共鳴画像法(MRI)を用いて脳活動の様子を計測する技術(fMRI)が進歩し、これまでに知ることが出来なかった人間の脳における高次機能が非侵襲的に計測できるようになった。その結果、多くの場合、脳の働きは複数の場所の活動が密接に連携して成立していることが明らかになってきた。例えば、言語情報の処理には、これまで高次の運動制御中枢として知られていた前頭葉の一部や、視覚情報や空間情報を処理する頭頂葉など、多くの場所が動員されている様子が観測され、言語活動というものが総合的な脳の情報処理であることが分かる。このように、fMRIは神経科学研究の手段としては確立されているが、それがそのまま医療現場に普及したわけではない。医療技術として実用化するためには、データの信頼性を監視する仕組みと、データ解析の即時性、体系化された判断基準が必要である。ライフエレクトロニクス研究ラボでは、並列計算機による高速計算技術を用いて、脳活動の様子を連続的に捉え、即時に映像化することに成功した。今後は、一連の測定・解析技術を情報サービスパッケージとして医療機関に供給する技術(メディカルグリッド)として開発を進める予定である。
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