どどんとふ→Udonariumへの移行覚書
はじめに
どどんとふからUdonariumに移行するにあたって恐らく最もハードルとなる要素は
- キャラクター詳細データの編集方法がわからない
- 共有メモが使いづらい
の二つが特に大きいと思います。
なのでここではまずその二点についてを重点的に説明し、他にもtipsを載せる形で案内します。
※参考用に作った部屋データがあるのでそれも併せて見てね
基本操作
※細かいことはTRPGオンラインセッションツールガイド(仮)に詳しく書いてある
▼マウス操作 ※キャラチップ等が無い場所で行う
- 左クリックしてドラッグ:視点の移動
- 右クリックしてドラッグ:カメラの回転
- マウスホイール:ズームイン/ズームアウト
▼部屋データのセーブ/ロード
- メニュー>保存 で部屋データをzipファイルで保存(BGMは対象外)
- 保存したzipファイルをUdonariumを開いているブラウザにドラッグ&ドロップでロード
キャラクター詳細の編集方法
ユドナリウムのキャラクター詳細情報の編集は自由度がとても高い代わりに慣れないと何がなんだかわからないと思う
一度コツをつかめば自分好みの内容に編集できるので、とにかく慣れが肝心
1.キャラクターの新規作成
まずはテーブル上で右クリック>「キャラクターの作成」を実施
するとマップ上に「新しいキャラクター」が作成される
この「新しいキャラクター」を右クリックして「詳細を表示」をクリック
新規作成されたキャラクターの詳細には
SW2.0形式のデータが書かれている
ここで「他システムのキャラデータはどう作ればいいの?」と
悩む「」は恐らく多いと思われる
変に形が整えられてるから混乱するんだ!
一旦全部消してしまえ!!
※あくまで学習目的として1から項目を作るだけです
慣れたらこれを雛形に作っても全然OKです
2.編集切り替え
左上の「編集切り替え」ボタンをクリック
すると表示形式が切り替わる
今まで無かった「+」「-」「↑」「↓」ボタンと
「通常」「リソース」「ノート」が選べるプルダウンリストが
新たに表示される
▼ボタンの説明
「+」…その項目に連なる項目を追加
「-」…その項目および下に連なる項目を削除
「↑」…その項目の表示位置を上に移動
「↓」…その項目の表示位置を下に移動
※プルダウンで選択できる「通常」「リソース」「ノート」の区分については後述
※項目を入れ替える「↑」「↓」の説明については省略
3.項目の削除
まず項目の削除から(追加は後述)
新規作成したキャラクターデータの項目を一旦全部消し去ってしまおう
※あくまで学習目的で全部消すだけで作り方がわかっているならわざわざ全削除から始めなくていいです
見出し「能力」の左隣にある「-」をクリックしてみよう
すると「能力」の欄がまるっと削除され
下にあった「戦闘特技」の欄が繰り上がってきた
このように見出し項目を削除すると、その下に連なる項目も纏めて削除される
今回は「能力」の見出しを削除したため、その下に連なる「器用度」「敏捷度」などの
各種能力値を記入する欄もすべて削除された
今後は「情報」の見出しの中にある「説明」と書かれた項目横にある「-」をクリックしよう
今度は下に連なる項目が無いため、「説明」の項目だけが削除された
そんなわけで「common」以外のすべての項目を削除した
「common」およびそれに連なる「name」「size」だけは必須項目であるため
削除することはできない
name:キャラクターの名称
size:キャラチップの大きさ(デフォルトは1=100%)
項目の削除が終わったので次は追加していこう
4.項目の追加
「編集切り替え」ボタンを押したあとのレイアウトでは末尾に「新しい項目を追加」という
ボタンが表示されている
「新しい項目の追加」ボタンをクリック
すると「見出し」と書かれた見出しの下に1つの項目が連なる項目群が新規作成された
項目を追加する上で編集するのは以下の通り
- 見出し…何の項目群であるかわかりやすい見出しを入力する
- 項目タイプ…「通常」「リソース」「ノート」から選択する
- タグ…基本的に項目名を設定する
- Value…値。数値だったり文字だったりsetteiだったり
試しに「行動力」「HP」「メモ」の三項目を持つ「基本情報」という項目群を作ろう
「見出し」の横にある「+」を2回クリックして項目を2つ追加する
デター
ここから見出しを「基本情報」に書き換え、
3つの項目は上から「行動力」「HP」「メモ」と変更していく
見出しはマウスでクリックすればカーソルが出現してそのまま書き換えが可能だ
「タグ」「Value」の部分も普通に書き換えが可能
3つの項目のタグを上から「行動力」「HP」「メモ」と書き換えよう
書き換えた
このままValueに値を入力するだけでもいいが、せっかくなので
それぞれに適した入力項目に切り替えてみよう
今現在は「通常」となっているプルダウンが項目の種類を定める部分だ
「行動力」は所謂イニシアチブ値の入力欄。数値だけ入ればいいので「通常」のまま
「HP」は現在値/最大値を管理したい。上限が定められた値は「リソース」を指定する
「メモ」はsetteiとかを書く欄。複数行に渡る文字列を書く場合は「ノート」を指定する
なんということでしょう
ユドナリウムの機能によって入力欄がたちまち姿を変えたではありませんか
このように項目に適した項目の種類を指定することでより効果的に
キャラクターのデータを管理することができる
あとは行動力、HP(現在値/最大値)、メモに値を入れれば完成だ
デキター
ここで設定したタグ(項目名)は後々インベントリ、チャットパレットでも
使用することができる
重要な部分であるととりあえず頭に入れておこう
さて次は見出しに連なる「子項目に項目を追加する」ことをやってみよう
画像は装備を記入する欄だが、武器に名称だけでなく命中やダメージなどの
補正値も記入したい…
そんなときは「武器1」に連なる子項目を作ってしまおう
「武器1」の横にある「+」をクリックだ
なんということでしょう
「武器1」という見出しが生成され、その下に連なる新たな子項目が
生成されたではありませんか
ここでは「武器1」に連なる子項目として、「命中」と「追加ダメージ」の
項目を新たに2つ追加した
ついでに見出しの部分に装備名を記入して
各装備のステータスをそれぞれ記入した
このように子項目を新たに追加することによって
ツリー形式のように情報をまとめることができる
では一通り項目の追加が終わったので編集モードを切り替えてみよう
左上にある「編集切り替え」ボタンをクリックする
項目の追加、削除、順番入れ替えボタンが非表示になり
内容がすっきり見やすくなった
項目の追加・削除が完了したら編集切り替えで元の表示に戻すことで
表示に適した形式でデータが表示されるようになる
ちなみにこのモードでは項目の追加・削除や順番入れ替えはできないが
見出しやタグ、データの書き換え自体は行える
あとはこの作業の繰り返しで自分の好きなようにキャラ情報を書いていこう
関連1.インベントリの並び順と表示項目を変更しよう
これまでの手順でキャラクターデータの作り方は説明してきたが、「タグ」に指定された名称を
インベントリ、およびチャットパレットでも利用できる
まずはインベントリでのタグ名の活用を紹介する
メニュー>インベントリ
をクリックして表示されたインベントリ
ユドナリウムを開いて最初に表示されるサンプルデータと一緒に
先程作った「新しいキャラクター」が表示されている
この一覧では「HP」「MP」「敏捷度」「生命力」「精神力」が表示されている
先程作った「新しいキャラクター」は、上記のうち「HP」しか一致する項目がないので
HPだけ表示されている
ではここに表示される項目を「行動力」「HP」「メモ」に変更しよう
上部にある「設定」ボタンをクリックする
すると入力欄が現れた
表示されている項目名が並んでいるが、これはキャラクターデータを編集する際に
「タグ」に指定した名称を指定する
表示項目に「行動力」「HP」「メモ」を指定しよう
ついでに並び順を「行動力」の降順(値が大きい順)に変更しよう
タグ名を複数指定する場合、タグ名同士の間は半角スペースを空けよう
入力が済んだら「完了」ボタンをクリック
表示項目と並び順が変化した
「行動力」については先程作った「新しいキャラクター」にしか現状設定されていない項目なので
他のキャラクター達は表示されていない
もちろん「行動力」というタグ名を指定した項目を他キャラクターにも追加すれば
一覧に表示されるし、並び順にも影響する
そして「表示項目」に指定した項目は、
テーブル上のキャラチップにマウスをあわせることで
バルーン表示で見ることができるようになる
遊ぶシステムに応じて必要な情報を表示するように設定しておこう
関連2.チャットパレットへの活用
キャラクターデータ作成関連のお話もこれがラスト
オンセツールでは定番の便利ツールであるチャットパレットだが、ユドナリウムにももちろん実装されている
ユドナリウムのチャットパレットはキャラクター毎に1つのパレットが結びついており、1キャラクターに対して必ず1チャットパレットが存在する。
そして、このキャラクターに結びついたチャットパレットでは、キャラクターの詳細情報に指定したタグ名で値を呼び出すことが可能なのだ
「新しいキャラクター」の情報に新たに
「戦闘基本ステータス」を追加してみた
ここに記入された「命中力」「回避力」の値を
チャットパレットで呼び出してみよう
「新しいキャラクター」を右クリックして
「チャットパレットの表示」をクリックすると
チャットパレットが表示される
このパレットは「新しいキャラクター」専用のもので
他のキャラクターが利用することはできない
「チャットパレットの編集」ボタンをクリックして
パレットの中身を編集しよう
この図の{命中力}{回避力}と書かれた箇所に注目
{}でキャラクター詳細情報に記入されているタグ名を指定すると
そのタグを持つ項目に入力されている値を利用することができる
ここでは「命中力」=10、「回避力」=8が設定されていた
実際にチャットパレットを利用してダイスロールしてみよう
命中判定は2d6+10、回避判定は2d6+8とキャラクター詳細情報に記入された値を利用して
ダイスロールが実行できた
このように、キャラクター詳細情報と連動するチャットパレットを組んでおけば
成長などで能力値が変わってもチャットパレットを編集する必要が無くなり、ミスも減る
このページ上部でも紹介した参考用に作った部屋データでは、バフ・デバフも対応した
チャットパレットを作っているので、よければ参考にしてみてほしい
番外.キャラデータのテンプレートを活用する
キャラクターデータの作り方を長々と書いてきたが、ユドナリウムは部屋データだけでなくキャラクター単体のデータも保存できるシステムである
そのため、既に有志の方々が様々なシステムに対応したキャラクターデータのテンプレートを作ってくれている
記入が必要な項目だけでなく、値を入力すればそのまま使えるチャットパレットを備えたものまで準備されてたりしてすごい
こういったテンプレート類を探したいならTRPGオンラインセッションツールガイド(仮)の「Udonarium用各システムプレイマット 」ページに
様々なTRPGシステム別に便利ツールやプレイマット、各種テンプレートが紹介されているので探してみよう
共有メモについて
ユドナリウムの共有メモは悪くはないが長文を書くのに向かない
他にも画面が散らかりやすいので、複数のテーブルを作っておいたり長期キャンペーンをやる場合には置き場所に困りがち
そこで共有メモを別方法で作る3つの手段を紹介する
1.共有メモ専用のチャットタブを作る
一番簡単な方法
チャットタブに共有メモを書きだす専用のタブを作ってそこに情報を書いていくだけ
ただし古い内容はどんどん流れていくので長期キャンペーンをやる場合には向かない
単発セッションでは手間も少なくとても簡単に済むのでオススメ
2.ダイスシンボルをメモ代わりにする
テーブル上で右クリック>ダイスを作成を選ぶ(作成するダイスは何でも良い)
作成されたダイスシンボルを右クリックし、「詳細を表示」を選択
キャラクター詳細編集でやったように
「編集切り替え」ボタン>「新しい項目を追加」ボタン
で項目を増やし、項目の種類は「ノート」にしておこう
あとはValue欄にメモとして表示したい内容を記載する
見出し部分も情報のタイトルに変更しておくとよい
テーブル上に配置されたダイスにマウスを合わせるとメモの内容がバルーン表示される
長文の場合はスクロール表示されるので怪文書を書いても実際安心
タグ部には「メモ」と書いているが、タグ表記が不要であれば空欄でも良い
ダイスシンボル、それとカード機能は、インベントリの「表示項目」の設定に関わらず
設定された全ての内容がバルーンで表示される
工夫次第で視覚的にもわかりやすいメモを作成可能だ
あとはついでなのでダイス画像をメモのアイコンに変更して
ついでに名称も変えておくとわかりやすくなる
なんでわざわざダイスシンボルを使うのかというと、ダイスシンボルはインベントリ一覧に表示されないので邪魔になりにくいという利点がある
ただし、逆を言えば共有インベントリ・個人インベントリに格納できないということでもあるので
テーブルにメモがズラリと並ぶと邪魔に感じるなら気を付けよう
ただし要注意点として、ダイスシンボルは削除されたら墓場にも入らずその場で完全削除される
もし誤操作でうっかり消してしまうかも…と心配なら、次に紹介する方法を使おう
3.キャラクターを作り、チャットパレットにメモ内容を記載する
まずキャラクターを適当に作る(※項目は最低限名前さえ設定されていれば良い)
そしてメモに書きたいことをキャラクター詳細ではなくチャットパレットに書く
あとは邪魔にならないよう共有インベントリにでも放り込んでおこう
インベントリ一覧で並び順を指定すれば任意の順番にメモを並べることもできるのが便利
特に長期キャンペーンでずっと張り出しておくメモを置く場合には便利に使える
メモ内容を開くのに
キャラチップのメニューを開く>「チャットパレットを表示」を選択
というひと手間が掛かってしまうが、見やすさ・整理しやすさに関しては恐らく随一
チャットが見づらいんですけお
どどんとふと同じウィンドウ配置にしようとしてない?
ユドナリウムはチャット1行1行が高さを取るのでどどんとふのようにチャットウィンドウを横長にするのは向かない
どどんとふと違ってチャットウィンドウ上辺から立ち絵が生える訳でもないので、チャットを横長にする利点はない
オススメは縦長に伸ばして画面横端に設置する配置▼
左上に表示されるメニューも、使う時だけ見えればいいので他ウィンドウを重ねてしまってもOK
インベントリ一覧を縦長で配置しておくのが個人的には使いやすい
どどんとふのイニシアチブ表みたいな感じで
立ち絵が欲しい
ユドナリウムに立ち絵機能は存在しない
けれども立ち絵っぽいことを再現するのは可能
なんのことはない
size=3くらいの大きさに指定したキャラチップに立ち絵を設定して並べるだけ
戦闘が始まって邪魔になったら共有インベントリにでも退避させておけば操作の邪魔にもならない
シーンに登場しているキャラクターの立ち絵を並べておけば、一目で誰が居るかもわかるので
発言頻度が低くて「お前居たの?」と言われるキャラクターが減ったりするかもしれない
リソースウィンドウが欲しい
2020/04時点でリソースウィンドウ機能を持つオンセシステムはどどんとふ以外にない
勿論ユドナリウムにも無いが、キャラクター詳細を弄ることで似た機能は作れる
共有資産や各キャラクター毎のリソース情報を記入したキャラチップを作っておくだけ
アイコンやチップ名でリソース管理用であることをわかりやすく表現しておくと良い
上限があるリソースは「リソース」表示(スライダー表示有りのやつ)、上限が特にない消費アイテム等は「通常」表示で使い分けると良い
あとはこれをテーブル上か、もしくは共有インベントリあたりに放り込んでおけばOK
インベントリを圧迫したくない場合は、共有メモと同じように
ダイスシンボル機能でリソース管理オブジェクトを作るのもいいかもしれない
どどんとふで出来てユドナリウムで出来ないこと
代用手段なども含めた上で、Ver.1.10.3時点でユドナリウムで全くできないことは
- カウンターリモコン
- 立ち絵表情差分
- カットイン(BGMは使用可)
- 点呼
- 手描き
- 簡易マップ作製