セレンを過剰に摂るとハゲることも!日本の食生活でセレンが不足することはないがセレン不足が気になる人は摂取量を厳守しよう

セレンには抗酸化作用があることから、「セレンは薄毛に効く」という説がある一方で、「セレンはハゲる」という説もあります。

薄毛対策としてセレンを摂取しようと考えている方にとっては、どちらの説を信じるべきか悩んでしまいますよね。また、髪のミネラルと言われる亜鉛ですが、亜鉛サプリの中にはセレンを含有しているものもあるため、摂取に戸惑った方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、セレンを摂取するとハゲるのか?それともセレンは髪の毛に効果があるのか?詳しく解説していきます!

ちなみに、育毛剤や発毛剤などの外側から薄毛対策をしたいという方は、以下の記事を参考にどうぞ。

育毛剤&発毛剤おすすめランキング2019!薄毛の男性に本当に効く育毛剤&発毛剤を徹底比較

そもそもセレンとは?

そもそもセレンとは何なのか、体内でどのような働きがあるのかを説明します。もともとセレンは毒性が強いことで知られていました。

なので、必要以上に摂取した場合には健康被害が出ることも。セレンの1日推奨量も紹介しますので参考にしてください。

セレンは必須栄養素

セレンは人の体に必要な微量元素です。サプリメントでポピュラーな亜鉛や鉄も微量元素の一種。人の体を構成するミネラルの中でもごく少量しか存在しない物が微量元素なのです。

セレンの主な働きは抗酸化作用です。人は生きている限り酸化しつづけます。酸化の症状として現れるのが、ガン・高血圧・高脂血症など生活習慣病。そして、シワ・シミ・白髪など見た目の老化も酸化によるものと考えられています。

セレンには、老化現象を引き起こす酸化を抑える働きがあるのです。このことが、頭皮や毛根の老化を抑えて髪に良いとされる理由です。

セレンは中毒性あり。過剰摂取は危険!

抗酸化作用のあるセレンですが、沢山摂取すればより効果的、というわけではありません。もともとセレンは毒性の強い元素として知られていました。食事から摂取する分には中毒症状が出るほどの過剰摂取になることはありません。

ですがセレンが含まれたサプリメントを摂取する場合には注意が必要です。通常の食事で必要量をまかなえるのに、さらにサプリメントで摂取してしまうと、過剰摂取になることがあるのです。

以下の文章は、セレンを含有する市販のサプリメントについて東京都が調査した結果です。

日本人は通常の食事からセレンを十分に摂取しており、その平均摂取量(約1日当たり100マイクログラム)を調査結果に加算すると、耐容上限量(過剰摂取による健康被害を起こすことのない最大の量)を超えてしまう製品がありました。

引用:東京都食品安全FAQ

セレンの1日必要摂取量は30㎍

30歳~50歳の日本人男性の場合、1日に必要なセレンの量は30㎍。脂身のない豚もも肉100gに含まれるセレンは約23㎍、鶏卵100gでは32㎍のセレンを含有しているので、必要摂取量は食品から簡単に摂取することができます。

ちなみに、30歳~50歳の日本人男性のセレン上限量は1日460㎍です。セレンが含まれているサプリメントを摂取する際には、食事に含まれるセレンの量も考慮しましょう。

食品のセレン含有量は産地によって異なる

穀類や野菜の場合、セレン含有量は作物が育った土壌により大きく変化します。つまり、野菜を育てた土にセレンが多く含まれていれば、野菜にもセレンが多く含まれます。

逆にセレンを含まない土で育てた野菜には、セレンが含まれないのです。

豚肉や鶏肉など畜肉に含まれるセレン含有量は、エサにセレンが多く含まれていたかによって異なります。たとえば、セレンを多く含む土壌で育った穀物をエサにすると、それを食べた家畜にもセレンが多く含有されるのです。

日本国外では、土壌中のセレン含有量が低い地域もあり、その地域ではセレン欠乏症が発症することもあります。

セレンの3つの効果

微量元素であるセレンは、体のさまざまな働きに関与しています。中でも重要な3つの効果について説明します。

①抗酸化作用に関わる

セレンをサプリで摂取する人の多くは、セレンの抗酸化作用によるアンチエイジング効果に期待しています。ガンや動脈硬化などのさまざまな生活習慣病の予防、そして、老化によるシワやシミの予防、薄毛や抜け毛予防に期待して摂取する場合もあります。

②免疫機能の維持に関わる

体内の酸化が進むと、免疫機能に影響を与えることも。セレンの特徴でもある抗酸化作用は免疫機能を正常に保つ役割もあります。

③甲状腺ホルモン機能の維持に関わる

首の喉仏下にあるのが甲状腺。ここで作られるのがホルモンの一種である甲状腺ホルモンです。甲状腺ホルモンには、食べたものをエネルギー源に変える新陳代謝に関与します。

セレンは、甲状腺ホルモンが正常に働くのに必要なミネラルなのです。

セレンが不足するとどうなる?

日本で普通の食生活であれば、不足することはないと言われているセレンですが、もし不足した場合にはどのような症状が現れるのでしょうか?

セレン不足については、未だハッキリと分かっていないことも多いのですが、可能性があるとされているセレン欠乏症について2つ紹介します。

発がんのリスクが高まる可能性がある

セレンの効果や働きとして注目されているのが、抗酸化作用ですよね。セレンが不足することにより、体の酸化が進み免疫機能がダウンしてしまうことも。

それにより発がんリスクが高くってしまう、ということが考えられています。

セレン不足では心筋症の克山病(こくさんびょう)が有名

土壌中のセレンが少ない、低セレン地域では心筋症の一種である克山病(こくさんびょう)になることがある、との報告があります。

セレン不足との因果関係はまだ詳しく解明されていないのですが、予防的にセレンを投与すると発症しないことから、セレン不足が原因の病気ではないかと考えられています。

セレンの過剰摂取による副作用

日本人が気にするべきなのは、セレンの不足よりもサプリメント摂取によるセレンの過剰摂取です。

特に注目されているのが、過剰摂取による脱毛です。とはいっても脱毛がセレンの過剰摂取によるものなのか、体質的なものなのかを自己判断するのは難しいですよね。

セレン含有のサプリメントを摂取しているが、体調が悪く脱毛症状があるという方は、サプリの摂取を一旦中止してみるといいかもしれませんね。

セレンの過剰摂取で脱毛

薄毛に悩む方の間で、「セレンを飲むとハゲる」という説があるのは、セレンの過剰摂取による脱毛症状に起因しているのではないでしょうか。

実際にアメリカで報告された、セレンの過剰摂取による健康被害を紹介します。

◆アメリカでは、セレンやクロムを含むサプリメントで健康被害

・アメリカでは、2008年に政府機関が、ある特定のダイエタリーサプリメントにセレンやクロムが高濃度に含まれていて、脱毛、筋肉のけいれん、下痢、関節痛などの健康被害が報告されていると注意喚起しました。

引用:東京都食品安全FAQ

健康被害の起きた製品の中で、最もセレン含有量が多いのは、1回摂取量で40,800㎍/です。ずば抜けた含有量ではありますが、中毒症状がでる両には個人差もありますので適正量を超える過剰摂取には注意が必要です。

セレンの過剰摂取で爪の変形

セレンの過剰摂取で爪の変形や脱落が起きることも。普通に生活していて爪が変形したり、抜け落ちてしまうことは、まずないですよね。

セレンの過剰摂取が気になっている方は、脱毛以外にも爪に変化がないかチェックしてみましょう。

セレンの過剰摂取で胃腸障害や下痢

セレンの過剰摂取では、嘔吐や吐き気、下痢や腹痛などの胃腸症状がでることもあります。ただ、胃腸の不調は体調不良でも出やすい症状です。

セレンの過剰摂取に心当たりがある、そして胃腸の調子が悪いという方は内科を受診、相談してみると安心ですね。

DHCの亜鉛サプリはセレン含有量が多い?

髪の健康のために、DHCの亜鉛サプリを利用している方も多いようですが、一方でセレンが含まれているので、薄毛になってしまうのではないかと心配の声があるのも事実。

DHCの亜鉛サプリに含まれるセレン含有量は1日分で50㎍です。30~50代男性のセレン推奨量は1日で30㎍なので、亜鉛サプリの摂取だけで1日の推奨量をオーバーしてしまいます。

ただし、1日の上限量は460㎍となっています。日本人男性が食事から摂取するセレンの1日量は約100㎍なので、DHCの亜鉛サプリを摂取したからといって1日の上限量を超えることは考えられません。

ですが、セレンの過剰摂取が心配だという方は、セレンが含まれていない亜鉛サプリを選ぶという選択肢もあります。

セレンを多く含む食品

ここでは、食品100g中にセレンを多く含む食品を紹介します。セレン含有量が多いからといって、食事に偏りが出てしまっては健康のために良くありません。

健康な髪の毛を育てるためには、栄養バランスのとれた食生活が大切だということをお忘れなく。

ウニやあん肝など魚介類

ウニ220㎍、あん肝200㎍と、セレンを多く含有しています。ですが、こちらは、ウニ100g、あん肝100gに含まれるセレンの量です。

実際に食べる量としては現実的ではないかもしれませんね。食べやすいところでカツオもおすすめです。こちらは100gでセレン約100㎍を含有します。

豚レバーや豚肉・鶏肉などの肉類

日常的に食べやすいのが、豚肉や鶏肉ですね。肉の部位によってセレン含有量は異なりますが、豚もも肉(脂身を除く)100gでセレン23㎍、鶏ささみ100gでセレン22㎍となっています。

鶏卵100gではセレン32㎍。ちなみにLサイズの卵1個は正味60gなので、1日に卵2個弱食べればセレン推奨量に達することができます。

パスタや中華麵・食パンなどの小麦類

パスタや中華麵、食パンの原料は小麦です。小麦のセレン含有量は、育った土壌のセレン含有量によっても異なるのですが、100gの食パンであれば24㎍のセレンが含まれています。

小麦粉に限らず、野菜や大豆、米などに関してはセレン含有量は一定ではないようです。

セレンはハゲに効果があるのか?

結局のところ、セレンはハゲに効果があるのでしょうか?結論からいえば、セレン不足による薄毛の場合は、セレンで効果が出る可能性もあります。

ですが、AGA(男性型脱毛症)が原因の薄毛であれば、セレンの効果はあまり期待できません。

セレン不足による体の酸化が原因のハゲならば効果があるかも!?

セレン不足による体の酸化が原因の薄毛。いわゆる老化現象で髪の毛が細くなりハリやコシがなくなっているのであれば、セレンを摂取することで、症状が改善される可能性もあります。

ただし、AGA(男性型脱毛症)など生まれつきの体質が原因の薄毛であれば、セレンを摂取するよりも、育毛剤や内服薬での治療が効果的といえます。

通常の食生活ならセレン不足になることはない

先の項目でも述べたように、よほどの事情がない限り日本人がセレン不足になることはありません。

なので、薄毛対策としてセレンをサプリなどで補う必要はありません。セレン不足になるような食生活であれば、薄毛よりも先に体調面で不調をきたすかもしれませんね。

健康な髪の毛を育てるためには、健康な体が不可欠です。まずは栄養バランスのとれた食生活を心がけることが重要です。

日本人はセレン不足よりもセレンの過剰摂取に要注意!

日本人の場合は、セレン不足よりもサプリからの過剰摂取に気を付けましょう。今現在、日本におけるセレン過剰摂取の健康被害は報告されていません。

セレン含有のサプリメントを摂取する場合には、用法用量を守るようにしましょう。

まとめ:セレンのサプリを摂取してもハゲることはない!

セレンは人体にとって必要な微量元素で、抗酸化作用があります。このことから、老化による薄毛にはセレンが効果的と言われていますが、日本人でセレン不足の人はほぼいません。

なので、通常の食生活を送っていればサプリメントなどでセレンを摂取する必要はありません。逆に気を付けるべきはセレンの過剰摂取。過剰摂取の健康被害として脱毛や爪の変化、胃腸障害などがあります。

セレン不足による薄毛が心配でサプリを摂取する方は、用法用量を必ず守りましょう

参考リンク:

AGAによる薄毛ではセレンの効果を期待することが難しいといえます。自分の薄毛の原因が知りたい、確実に治療したい、という方にはAGA専門クリニックの無料カウンセリングがおすすめです。

https://nail-polishz-on.com/113/