ハイフン,エンダッシュ,エムダッシュの使い分けについて.
網羅的ではありません.網羅的情報はThe Elements of Styleか何かを参照してください
これら3つの記号の中で最も短く,主に単語を結合するために使われる.
・ 複合形容詞の形成(名詞の前に置かれている語は文法的に形容詞となる)
例: a well-known paper, state-of-the-art research facilities, dog-friendly restaurants
・ 複合名詞の形成
例: editor-in-chief
・ 複合動詞の形成
例: double-check
・ 接頭辞の付加
例: ex-collegues, ill-defined
・ 数字と単語の複合
例: a three-day conference, 2,4-Dithiapentane
・ 数字の複合語
例: twenty-three students
・ 分数
例: three-fourths
・ 行の終わりでの単語の分割:単語が長すぎて行に入りきらない場合に使われる.
ハイフンより少し長く,「〜から〜まで」という範囲や期間を示す際に使われる.
キーボードには直接入力するためのキーがないことが多いため,頑張って入力する必要がある.
各OSでショートカットが用意されている.(WindowsではAlt + 0150もしくはCtrl + テンキーのマイナスキー)
・ 期間,距離,スコア,ページなどの範囲
例: pages 102–121, The 1990–2000 decad, The New York–Paris flight
・ 複合形容詞:複数の単語で構成される名詞を結合
例: El Niño–Southern Oscillation, a post–World War I study
3つの記号の中で最も長く,文中で強調,中断,あるいは付加的な情報を挿入する際に使われる.
エンダッシュと同様に,特殊なショートカットが用意されている.(WindowsではAlt + 0151もしくはCtrl + Alt + テンキーのマイナスキー)
・ 付加情報の挿入:補足的な説明や独立した句を挿入する際に,カンマや括弧の代わりに使用可
例: The results—which were unexpected—surprised the researchers.
・ 文の突然の中断や強調
例: He knew the answer was—he had to get it right.
・ リストや要約の区切り
例: There are three important concepts in organizational structures — authority, responsibility, and accountability.
エンダッシュとエムダッシュの前後にはスペースを入れることがある(ハイフンの前後には入れない).
スペースを入れるか入れないかはスタイルガイドによって異なる.
なお,マイナス記号(Minus sign: −)は厳密には上のどれらとも異なる.
キーボードのハイフン(-)が減算や負の数の表記に使われることが多いが,論文の原稿では,ハイフンでマイナス記号を代用するのは望ましくない(ハイフンは短すぎて見落とされる可能性もある).
マイナス記号はWindowsにおいてAlt + 2212で入力できる.