New!令和8年7月7日更新
季刊 チルチンびと 128号
「これからの湿気との付き合い方(共著:小椋大輔先生・中嶋麻起子先生・下地洋平)」を寄稿しました。詳細はチルチンびとのHPをご覧ください→https://www.fudosha.com/magazin/chilchinbito/2026/06/11/
年間を通して外気が高湿な蒸暑地域では夏型結露(=逆転結露)と呼ばれる現象により、建物において結露やカビなどによる湿気問題(湿害)が生じやすい環境にあります。これまで調査している中で、RC造においては冷えた躯体に暖かく湿った空気が触れることで表面結露を起こす事例や、木造や鉄骨造においては屋内と屋外の温湿度差により小屋裏や壁内や床下で内部結露を起こす事例、構造にかかわらず低温で冷房をかけている建物で外気が侵入する箇所において内部結露を起こす事例、照明器具や火災警報器の誤作動などの事例があります。また湿害を起こしている建物用途は住宅・共同住宅・別荘・店舗・宿泊施設・福祉施設など多岐に渡っています。結露自体は朝露のような自然現象なのですが、建物で発生すると建材の変形や腐食、カビのダニの発生に繋がり、建物の耐久性低下や建材の機能性低下のみならず居住者の健康面への悪影響にも繋がります。
また、近年の気候変動による露点温度の上昇により、これまで湿害が発生していなかった建物でも発生する可能性があり、蒸暑地域以外では冬型結露対策している建物への夏型結露被害が懸念され、建築学会での「建物における湿害の診断と対策に関する基準・同解説」の改訂や日経アーキテクチャでの事例報告が挙がる等の動きが始まっています。
冬型結露については研究が進み原因や対策が確立されており、いまでは冬型結露は設計ミスや施工ミスとして捉えられていますが、夏型結露に関しては未だ研究途上であり、原因や対策だけでなく調査方法でさえ手探りの状態です。その為、被害発生時には責任の所在不明が起き、安易な調査や対策を元に改修して再発してしまった事例もあります。新築時でも注意が必要ですが、特に湿害を起こした建物の改修工事の際には湿気についての正しい建築環境工学の知識と建築に対する知識を元にした調査・設計・施工・運用を行う必要があります。
<目的>
研究会は湿害問題に関しての事例収集および情報提供などを行い、蒸暑地域での建物における湿害問題の解決に寄与する事を目的としています。
<活動>
次に掲げる活動を行っていきます。
湿害に関する相談
湿害調査に関する助言
湿害物件の改修に関する助言
湿害事例の事例収集
湿害に関する情報提供
専門技術者、有識者及び関係機関との情報共有
セミナー・講習会の開催
<会員>
(代)下地洋平 (副)松田まり子 玉城盛太 比嘉悠紀
<事務局>
株式会社クロトン(クロトン設計)
<公開研究会>
第一回公開研究会 蒸暑地域の湿度と結露について話してみませんか?(令和6年7月20日開催)
第二回公開研究会 蒸暑地域の湿度と結露について話してみませんか?(令和7年2月21日開催)
<講習会>
入門編 蒸暑地域の湿害を理解する(令和7年7月10,11日)
応用編 蒸暑地域の湿害を理解する(令和7年11月6,7日)
発展編 蒸暑地域の湿害を理解する(オンデマンド講義+対面講義(令和8年3月14日))
入門編 蒸暑地域の湿害を理解する(令和8年6月4,5日)
<一般向けセミナー>
第一回蒸暑地域の建物の湿害対策セミナー
<書籍>
季刊 チルチンびと 128号(2026年夏) これからの湿気との付き合い方(共著:小椋大輔、中嶋麻起子、下地洋平)
<タイムス住宅新聞掲載>
[沖縄]本当はこわい夏型結露①―特徴と対策(暮らしの知恵編)
[沖縄]本当はこわい夏型結露②―事例と対策(設計・施工などの注意点編)
[特集]蒸暑地域の沖縄で「夏型結露」「湿害」を考える|水蒸気量増え 結露しやすい環境に
[風土と住まい]広がる蒸暑地域の湿害
<発表>
第 53 回熱シンポジウム 未来に向けた湿気研究「蒸暑地域における建築物の湿気対策: 気候条件、現地事例、およびシミュレーションの実践的アプローチ」
<講演>
公益社団法人沖縄県建築士会浦添・西原支部 第6回文化交流講演会 「夏型結露の湿害事例について」
沖縄県土木建築部住宅課 令和7年度技術者育成事業 「沖縄の住環境における湿害対策について」
これまで夏型結露による湿害を起こしている建物でみられる結露のサインや発生リスクをまとめました。
いくつか当てはまるとリスクが高い可能性があります。
ご自身の建物でのチェックに用いられてください。
湿害(**)早期発見チェックリスト 一般向け
1.室内環境、ニオイのチェックリスト (隠れた結露のサイン)
壁の裏や床下など、目に見えない場所で夏型結露が発生している可能性を示すサインです。
夏場、部屋全体がいつもジメジメしていて、エアコンをつけても温度が下がりにくい。
特定の部屋(特に北側や和室)に入ると、カビ臭い、またはカビのような土臭いニオイがする 壁が湿っぽく、触るとひんやりしている。
壁紙に原因不明の浮き、剥がれ、ヨレ、または茶色いシミが出てきた。
フローリングや畳が湿気を含んだようにベタつく、または特定の場所がフワフワと沈む。
クローゼットや押入れの奥の壁面が湿っていて、服にカビが生えやすい。
1階の床下収納のフタを開けると、冷気とともに強いカビ臭や湿気が上がってくる。
天井点検口のフタを開けると、熱気とともに強いカビ臭や湿気が下がってくる。
2. エアコンの使い方と住宅構造のチェックリスト (発生リスク)
夏型結露が起こりやすい条件や、住宅の構造的リスクを示します。
夏の冷房設定温度を、常に24℃以下など低めに設定している。
冷房を24時間つけっぱなし、または長時間連続で運転している。
木造住宅で、床下換気工法である。
木造住宅で、天井換気工法である。
RC(鉄筋コンクリート)造で、床下換気工法である。
RC(鉄筋コンクリート) 造で、天井換気工法である。
床下の風通し (床下換気口の周辺)が悪く、草木や荷物で塞がれている。
室内の仕上げが、ビニールクロスである。
床の仕上げが複合フローリングである。
エアコン設置壁と正面の壁が近距離である。
3. 周辺環境のチェックリスト (外気の湿気リスク)
住宅の周りの環境が、夏型結露を引き起こす高い湿度を溜め込みやすい状態かどうかを示します。
家の近くに川、海、うっそうとした森などがあり、外気が非常に多湿である。
夏場、家の周りに水が溜まりやすい、または水はけが悪い。
日当たりが悪く、一日中風が通り抜けにくい敷地に家が建っている。
朝方など、霧が発生する場合が多い。
近隣の建物の外壁がカビ、藻類コケ類などの付着がみられる。
夏型結露による湿害の多くは複合要因で発生することが多く、発生前と同じ仕様で改修すると再発するリスクがあります。
改修の際には夏型結露による湿害講習会受講修了者などの湿害問題に詳しい専門家に要因調査、改修設計を依頼される事を推奨いたします。
湿気による建物の湿害に遭われている方の相談を受け付けています。
相談は無料ですが、現地確認や調査は有料となります。
下記問い合わせフォームよりお問い合わせください。
インスタグラムでも情報掲載しています