講習会(応用編)を開催します。
日時:令和7年11月6・7日 共に13:15~16:45
場所:沖縄県立博物館・美術館 美術館講座室
対象者:入門編受講者
<講習概要>
•湿り空気線図の理解と活用
•定常伝熱計算による表面結露・内部結露の判定
•除湿・加湿による負荷評価
主催:蒸暑地域湿害研究会
共催:広島工業大学 蒸暑地域湿害研究センター
ご参加お待ちしております。
※画像は入門編の様子です。
年間を通して外気が高湿な蒸暑地域では夏型結露(=逆転結露)と呼ばれる現象により、建物において結露やカビなどによる湿気問題(湿害)が生じやすい環境にあります。これまで調査している中で、RC造においては冷えた躯体に暖かく湿った空気が触れることで表面結露を起こす事例や、木造や鉄骨造においては屋内と屋外の温湿度差により小屋裏や壁内や床下で内部結露を起こす事例、構造にかかわらず低温で冷房をかけている建物で外気が侵入する箇所において内部結露を起こす事例、照明器具や火災警報器の誤作動などの事例があります。また湿害を起こしている建物用途は住宅・共同住宅・別荘・店舗・宿泊施設・福祉施設など多岐に渡っています。結露自体は朝露のような自然現象なのですが、建物で発生すると建材の変形や腐食、カビのダニの発生に繋がり、建物の耐久性低下や建材の機能性低下のみならず居住者の健康面への悪影響にも繋がります。
また、近年の気候変動による露点温度の上昇により、これまで湿害が発生していなかった建物でも発生する可能性があり、蒸暑地域以外では冬型結露対策している建物への夏型結露被害が懸念され、建築学会での「建物における湿害の診断と対策に関する基準・同解説」の改訂や日経アーキテクチャでの事例報告が挙がる等の動きが始まっています。
冬型結露については研究が進み原因や対策が確立されており、いまでは冬型結露は設計ミスや施工ミスとして捉えられていますが、夏型結露に関しては未だ研究途上であり、原因や対策だけでなく調査方法でさえ手探りの状態です。その為、被害発生時には責任の所在不明が起き、安易な調査や対策を元に改修して再発してしまった事例もあります。新築時でも注意が必要ですが、特に湿害を起こした建物の改修工事の際には湿気についての正しい建築環境工学の知識と建築に対する知識を元にした調査・設計・施工・運用を行う必要があります。
<目的>
研究会は湿害問題に関しての情報収集および情報提供などを行い、蒸暑地域での建物における湿害問題の解決に寄与する事を目的としています。
<活動>
次に掲げる活動を行っていきます。
湿害に関する相談
湿害調査に関する助言
湿害物件の改修に関する助言
公的相談窓口および専門技術者の紹介
情報発信および情報提供
専門技術者、有識者及び関係機関との情報共有
講習会の開催
<会員>
(代)下地洋平 (副)松田まり子 玉城盛太
<事務局>
株式会社クロトン(クロトン設計)
<公開研究会>
第一回公開研究会 蒸暑地域の湿度と結露について話してみませんか?(令和6年7月20日開催)
第二回公開研究会 蒸暑地域の湿度と結露について話してみませんか?(令和7年2月21日開催)
<講習会>
入門編 蒸暑地域の湿害を理解する(令和7年7月10,11日)
<タイムス住宅新聞掲載>
[沖縄]本当はこわい夏型結露①―特徴と対策(暮らしの知恵編)
[沖縄]本当はこわい夏型結露②―事例と対策(設計・施工などの注意点編)
[特集]蒸暑地域の沖縄で「夏型結露」「湿害」を考える|水蒸気量増え 結露しやすい環境に
第 53 回熱シンポジウム 未来に向けた湿気研究「蒸暑地域における建築物の湿気対策: 気候条件、現地事例、およびシミュレーションの実践的アプローチ」
<講演>
公益社団法人沖縄県建築士会浦添・西原支部 第6回文化交流講演会 「夏型結露の湿害事例について」
湿気による建物の湿害に遭われている方の相談を受け付けています。
相談は無料ですが、現地確認や調査は有料となります。
下記問い合わせフォームよりお問い合わせください。
インスタグラムでも情報掲載しています