告知日:2020年12月07日
発効日:2020年12月07日
先日行われたヒュージ・リーダーズ交流会では様々なアーキタイプが現れました。しかし、ヒュージ・リーダーズを今後楽しんでプレイしてもらうためにはいくつかの課題があることも判明しました。これを解決するにあたり、今回新たに4枚のカードを禁止することにしましたが、状況次第では根本的ルールの見直しが必要になるかもしれない状況となっていることをプレイヤーの皆様にお知らせいたします。
現在問題視しているものは続唱という能力です。ヒュージ・リーダーズのルールは1ターンあたりのアクション数を大きく制限するものですが、この能力はそれをいとも簡単に無視しており、そのため続唱を持つ青赤緑と、単色では持たない白黒との間で埋まらないパワー差があることを懸念しております。現在《法の定め》のように呪文を唱える回数を直接制限するカードはプール上に存在せず、唱える際に追加コストを要求したり、追加コストを支払わないとデメリットをもたらすカードが数枚存在する程度です。これらでは問題を解決できると到底言えず、現時点において我々にはルールや禁止カードによる介入以外にこの差を埋めることは困難であると認識しております。
一方で、初めて大々的に行われた交流会が開催して間もないということで経過観察を要するとも考えております。我々が安易に多数のカードを禁止することで試行錯誤する機会を奪うことは"勿体ない"とも言えます。上記の懸念はありますが、ヒュージ・リーダーズというフォーマットの知名度が上がったばかりの今において我々からの介入は最低限に済ませたいという思いから、今回は《ドリーム・ホール》と《巨智、ケルーガ》の2枚と、続唱を活用するデッキにブレーキをかけるために《流浪のドレイク》と《不実》の2枚を禁止することになりました。
先日の交流会の優勝デッキである《大渦の放浪者》+《巨智、ケルーガ》デッキには採用されていなかったカードです。ですがこのカードは続唱と同様の危険性を持っており、特に《ザルファーの魔道士、テフェリー》と組み合わせた一連の動きは細かい妨害呪文を構えることができないヒュージ・リーダーズにおいて強力過ぎる戦術でした。我々は、対戦相手にも恩恵があるこのカードの危険性についてやや過少の見積もりをしていました。
何もできなくなった相手に対し速やかにゲームに勝利するためのカードとして過剰なほどに手軽かつ強力であることから、《ドリーム・ホール》は禁止します。
先日の交流会ではヒュージ・リーダーズというルールの特性上、青緑を含むだけで採用できる相棒《巨智、ケルーガ》を採用するデッキが半数となる結果でした。相棒というシステム自体はヒュージ・リーダーズが産まれた時にはなかったものであり、またプレイヤー数が非常に少なかったために脅威度が過少に見積もられていたカードでもあります。
登場当初は1ターンあたりに唱えることのできる呪文の数は少なく、そのため《ケルーガ》はやや過剰とも言える枚数のカードを引くだけのカードでした。しかし統率者レジェンズが発売され、様々な共闘や続唱を持つカードが増えたことで、このカードは従来の評価のままではいけないカードとなりました。
このカードについて何らかのアクションを実行しなくてはならない状況であることは明らかですが、その方法についてはいくつかのアプローチがありました。単純にケルーガを禁止するのではなく、例えば相棒指定を禁止するのみとしたり、そもそも相棒というシステム自体をヒュージ・リーダーズでは無視するか、等の選択肢の中でどれを採用するかについて検討しました。
そこで参考になったのは本家統率者の裁定でした。本家統率者における統率者諮問委員会が『イコリア』のプレビュー期間に公開された《呪文追い、ルーツリー》を発売前に禁止するとアナウンスしたことは記憶に新しいですが、今回は彼らがシステムやルールに影響を及ぼさない最小限の形で、固有色に赤青を含むデッキの安易な強化を回避したことを参考に、《ケルーガ》のみを禁止することに致しました。
《ケルーガ》を禁止することで、ヒュージ・リーダーズにおけるデッキと戦略の多様性が高まることを期待します。
これらはカード自身の効果も強力ですが、点数で見たマナ・コストが6である続唱を持つ呪文から唱える呪文として異常なパフォーマンスを持つカードでした。これらを禁止することによって続唱デッキの脅威度が下がることと、アグロ戦術の可能性が高まることを期待しています。
先日開示した監視リストについて1枚ずつコメントを行います。また、1枚新たに監視すべきカードが増えたことをお知らせします。
《急嵐のトリクス》ほどのコントロール能力を持つデッキでも続唱は対処が難しいことがわかっています。一方、続唱デッキの勢いが衰え始めた時にこのデッキは再び悪夢のように蘇ることが予測されます。現時点では過剰にこのカードを注視する必要はないとはいえ、存在を絶対に忘れてはいけないカードであると認識しております。
《領域の探求者》はフォーマットの特性上、5~6ターン目に突然パワータフネスが20を上回るクリーチャーになりえるという点で脅威と認識しております。しかしながら自身に回避能力がないこと(ただし自身の能力で土地から回避能力を得るケースもある)、コントロール奪取等のカードで対策が容易であることから現時点ではアクションを起こしていません。
《東の樹の木霊》は統率者レジェンズからの登場です。続唱同様にアクション数を増やすことができる点と、自身が共闘を持つ点から非常に危険なカードと認識している一方で、様々なアーキタイプが産まれる可能性を秘めたカードとも言えます。
《見捨てられた碑》は他の監視リストから比較するとやや地味ではありますが、《Mishura's Workshop》擁するアーティファクトデッキでは過剰に強力とも言えるマナ加速を実現できます。ヒュージ・リーダーズ特有の要素として統率領域に《荒地》を持つことも考慮すべき点となっています。
《Mishura's Workshop》は、現時点においては続唱を抑える可能性を秘めるいくつかの対策カードを続唱される前に唱えることができる確率を高めてくれる貴重なカードです。続唱に関する状況が変化した暁には改めて禁止の必要性について考慮すべきと考えております。なお、ヒュージ・リーダーズでは市場価格を直接的な禁止理由に挙げるといった事については現時点では考えておりません。
《袖の下》を新たに監視リストに加えます。ヒュージ・リーダーズでは強力なクリーチャーを採用する傾向が強く、それをたった5マナで我が物に出来てしまうこの呪文は少し強力過ぎると言えます。一方で、特定のクリーチャーをキーパーツとしたコンボデッキを封じることができる面や、《家路》によって逆に窮地に立たされるパターンもありえるという面から、今回は禁止せず監視に留めることに致しました。