2020/11/28
ヒュージ・リーダーズというフォーマットが産声を上げた当初はただの冗談のようなものでしたが、今となってはTwitter検索を行うとかなりのプレイヤーがその存在を認知してくれるようになりました。ここまで来れたのはこのフォーマットを広めてくれた人達のおかげです。この場を借りて改めてお礼を申し上げます。
とはいえ、このフォーマットは公式に認知されたものでもなく、日本の、そしていくつかのコミュニティでプレイされている程度のものです。ここではその規模についてお話するのではなく、この特殊な環境だからこそ伝えなくてはならないいくつかのことがあるため、この記事を書いています。
このフォーマットを最初にでっちあげた時、最も大事にしたかったのは「わかりやすさ」でした。話は少し変わりますが、皆さんはいわゆる縛りプレイをしたことはありますか?そして面白い縛りプレイのルールを考えた時、そのルールはわかりやすいものでしたか?制限を増やせば増やすほど難易度が上がる一方、ただ制限が多いだけでは魅力が伝わりにくくなりがちです。
ヒュージ・リーダーズが目指すべき地点は「統率者戦をプレイした人ならすぐに遊び方がわかるルール」でした。当初は禁止カードも統率者戦に準拠するもののみにしたくらいには、プレイヤーがまだプレイヤーでない誰かにルールを伝えやすくすることを目指していました。今では環境理解が進み、独自の禁止カードが制定されるに至りましたが、このスタンスは今後とも変えるつもりはありません。
禁止カードの話が出たので、ヒュージ・リーダーズの禁止カードはどういった思想で決まるのかについてもお話しします。
デジタルゲームにはバグがつきものです。バグの種類も様々ですが、バグというのはプレイヤーに対してメリットやデメリットを与えたり、あるいはちょっと笑わせてくれたりします。バグを見つけたプレイヤーが恩恵を得られる類のバグは本当に楽しいです。筆者も幼いころ初代ポケットモンスターのセレクトバグなどを楽しんでいました。
一方、バグは時にゲームを破壊します。ここでいう破壊とはデータ的な話ではなく、ゲームバランスであったり、ゲームの楽しさを破壊することを指します。バグは時として楽しくもありますが、ゲームを台無しにしてしまう危険性があることについては、マジックを楽しんでいる人であれば心当たりがあるのではないでしょうか。
ヒュージ・リーダーズではバグに相当するカード、言い方を変えればゲームバランスを壊してしまったり、ゲームの楽しさを破壊してしまうカードは禁止するようにしています。最初は《運命のきずな》《隔離》でした。そして5,6マナの強力な追加ターン(《時間操作》《荊州占拠》《時間のねじれ》《永劫での歩み》)が禁止されました。これらはゲームのバランスを著しく破壊したカードでした。
このカードの恐ろしさにちゃんと気づくことができたのは、カードを禁止する我々ではなく、プレイヤーの皆さんでした。このフォーマットを楽しんでくれる人が多ければ多いほど、我々は大事な情報に近づくことができるようになります。バグを治すためには、不具合報告が必要なのです。「このカードはヤバい!」「このカードは本当につまらない」等、ネガかポジかについては問いません。
しかし、基本的に我々は「強いから禁止する」「面白くないから禁止する」わけではありません。ヒュージ・リーダーズは5マナ以上のカードを中心とした構築をするため、必然的に1アクションが及ぼす影響は大きく、強力で、だからこそ楽しいわけです。《急嵐のトリクス》はヒュージ・リーダーズのルールととても相性の良いカードであり、相手にするととても嫌な気分になることもあるでしょう。それでも禁止しないのは、カウンターによる堅固な立ち回りが環境に存在することが大切なためです。《王神の立像》は追加ターンのような振る舞いをすることはありますが、盤面の脅威を取り除くわけではありませんし、それらによって窮地に追い込まれることもあるでしょう。例えば追加ターンのように、低リスクで、それでいて強力なカードこそ、我々は十分に目を光らせなくてはなりません。
情報を提供するのはプレイヤー側ではありません。我々も、監視しているカードの情報については積極的に公開します。現在監視を行っているカードは以下の通りです。
《ドリーム・ホール》
《急嵐のトリクス》
《巨智、ケルーガ》
《領域の探求者》
《東の樹の木霊》
《見捨てられた碑》
《Mishura's Workshop》
ヒュージ・リーダーズはまだまだ発展途上です。我々は情報を必要としています。公式(?)Discordサーバーもありますので、ぜひ参加してください!