12月3日に外務省で軍備管理・軍縮をご担当されている新宮清香さんをお招きし、核兵器の軍備管理・軍縮や日本の核軍縮政策についてご講演いただきました。
ロシアのウクライナ侵攻に伴う、ロシアの北朝鮮への核開発支援、ガザやレバノンでの戦闘、行動が予測しづらいトランプ氏の再選など世界情勢は目まぐるしく変化しており、常に核の脅威に晒されています。そんな中、今年12月10日、ノルウェーの首都オスロで開かれたノーベル平和賞授賞式で被団協がノーベル平和賞を受賞しました。唯一の被爆国である日本の団体が受賞したことは大きな意味があると思います。
今回の新宮さんのお話を聞き、改めて核の恐ろしさや不可逆性を身にしみて感じました。核の恐ろしさを知る人たちのリアルな声を聞き、それを語り継いでいくことが非核化に向けた一歩となるのかもしれません。
講演会の様子の写真などはインスタグラムにアップロードしているのでぜひ合わせて御覧ください!リンクはコチラ
今月の授業では東アジアの国際関係を中心に様々な議論が行われました。中でも韓国と日本の関係に関するグループワークは個人的に最も興味深いテーマでした。特に、直近の韓国における政治的混乱の中、来年の国交正常化60周年という重要な節目が近づいているだけに、その議論は非常に現実的かつ
意義深いものであったと感じました。
グループワークでは、「国交正常化60周年を迎え、日本が韓国とどのように友好的な関係を再構築できるか」を、政治、外交、経済、文化などの多様な側面から考えるという課題が与えられました。特に興味深かったのは、ほとんどの発表者が政治や外交、安全保障よりも経済や文化を中心とした活動を提案した点です。たとえば、両国間の経済協力を強化する具体的なプロジェクトや、文化交流を通じて国民間の感情的な隔たりを縮める案などが議論されました。
私はこのような発表の流れがとても印象的でした。経済と文化は、一般国民の日常生活と最も直接的に結びついているためでしょう。たとえ政治的な葛藤が完全に解決されなくても、経済的協力や文化的共感は両国の関係を持続的に維持し、改善していく上で重要な役割を果たすと改めて実感しました。
この議論を通じて、韓国と日本の関係における経済と文化の持つ大きな潜在力を強く感じました。特に、直近の韓国の国内事情は尹錫悦大統領の下野問題など政治的不安定が浮き彫りになっている状況です。このような状況では、政治的要因に左右されにくい経済や文化を通じたアプローチこそが、実質的な変化をもたらし得ると考えるようになりました。また、国際関係において一般国民の生活に直結する分野がいかに重要であるかを改めて認識しました。政治や外交は指導者や政策決定者が中心となる領域ですが、経済や文化は両国の国民が共感し、積極的に参加できる分野であるという点で大きな可能性を秘めています。
まとめると今月の授業では、韓国と日本の関係を理解する上で新たな視点を提供してくれました。特に、国交正常化60周年という象徴的な節目を迎える中で、両国が経済や文化を中心とした活動を通じて関係を改善していけることを期待するようになりました。今後も、このような問題を扱う際には、政治的葛藤に限らず、国民の実生活に影響を与え得る多様な解決策を考える必要があると強く感じています。
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