いい加減なレシピその2

<2025年3月>

豚バラ肉のカレーライス

 

私も含めて職員5名で試食しましたが、不評でした(非常にショックです)。

何故不評だったのか、その理由を検証してみました。

調理の手順は以下の通りです。

 

北海道産豚バラ肉の塊を、約2キログラム購入しました。

これを7~8センチメートル角にカットしました。


カットしたものは、大き目のフライパンで焼き付けました。

目的は香ばしさを出すことですが、肉の脂肪分を落とすことも兼ねていますので、フライパンに油は引きません。

最初はやや強火で、カットされた肉の6面とも、やや焦げ付くまで焼き、その後は中火から弱火で、肉から脂を排出させました。

焼き付けは2度に分けて行いましたが、中心部にほぼ火が通る程度まで(後で圧力鍋により加熱しますので、完璧ではありません)、合計20分程度の時間経過があったものと思われます。

こうして焼き上がった肉を、キッチンペーパーで軽く拭いて、表面の脂分を落としました。


ここで圧力鍋の登場です。

圧力鍋に焦げ目のついた肉を投入し、肉がほぼ隠れる位の水を加え、最初は強火にしました。

加圧具合については、低圧でじっくりの方が良いと思うのですが、時間の関係上、高圧を選択しました。

蒸気が出始めましたので、弱火にして加熱を続けました。

弱火から30分経過後、火を止め放置しました(自然冷却)。


鍋の圧力が十分下がるまで、時間を計測しておりませんでしたが、30分強1時間弱でしょうか、かなりの時間を要しますので(濡れ布巾や流水を利用すると、減圧の時間短縮になるようですが、後から知ったことです)、その間を利用し、玉葱・馬鈴しょ・人参を炒めます。


これらの野菜を全て北海道産で揃えたかったのですが、残念ながら人参は他府県産を利用しました。

この時期、北海道産越冬人参が出回るはずなのですが、入手できませんでした。


北海道産玉葱は約1キログラムを、皮を剝いで4つ割りにし、芯の緑色になった部分があれば、これを除去し、約5ミリメートルの薄切りとしました。


今回使用した北海道産馬鈴しょは「きたかむい」です。

「きたかむい」はジャガイモシストセンチュウに抵抗性のある品種で、男爵薯より多収、食味が良く、調理品質が優れるとされています。

M~3Lサイズが混ざっているものを、6個利用しました(中心サイズはL)。

これも皮剝きし、1個当り4~12に切り分けました(Mサイズは4切、3Lサイズは12切)。


人参はM~Lサイズのものを2本、よく水で洗い、皮を剝かずに縦半分にカットし、それを1センチメートル程度の厚さに斜め切りしました。


以上の野菜を大鍋で炒めました。


まずは玉葱から・・・。

野菜を炒めるとき使用する油は、肉を焼いたときに出た脂肪分を活用しようと思ったのですが、これも時間の関係上、サラダ油を利用しました(2回し位です)。

やや強火で、鍋底がやや焦げ付く位まで炒めました。

玉葱自体は、そんなに色付いていません。


次に馬鈴しょと人参を加え、中火で炒め続けました。

馬鈴しょが透き通ってきたところで、いったん火を止めました。

 

【番外編】試食する職員のうち、一人が甘口のカレーしか食べられず、しかもバラ肉は嫌だというので(わがままな奴です)、小鍋にサラダ油を少々引き、一口サイズにカットした北海道産豚ロース肉(薄切り)約180グラムを中火で炒め、さらに加熱された野菜2食分位を小分け投入し、全体を混ぜ合わせ、水を加え沸騰させました。

小鍋から蒸気が上がったところで、市販のカレールウ(バーモンドカレー甘口【箱の表示では3食分】)を加え、さらに少々煮込んで、甘口豚ロース肉カレー約2食分の出来上がりです。

 

ここで、大鍋の火を止めてから少し時間経過がありましたが、ようやく圧力鍋の圧力が下がりましたので、圧力鍋から肉を取り出し(圧力鍋の中には、かなりの脂が浮いておりました)、キッチンペーパーで表面をさっと拭いて、大鍋に投入しました。

大鍋を再加熱し、全体を混ぜ合わせ、肉が隠れる位の水を加え、沸騰させました。


鍋の蓋がカタカタと音を鳴らし、蒸気が十分に上がってきたところで、市販のカレールウを投入しました。

カレールウは、ゴールデンカレー辛口【箱の表示では5.5食分】、クロスブレンドカレー辛口【箱の表示では4食分】、バーモンドカレー甘口【箱の表示では3食分】です。

ルウが完全に溶け、少々煮込んで、中辛豚バラ肉カレー約10食分の出来上がりです。

 

ごはんに出来上がったカレーをかけて、職員の昼食となりました。

 

<試食の結果>

豚バラ肉は脂肪分が抜け落ち、柔らかくはなっていたのですが、豚の脂の臭みが残っており、肉々しいカレーとなってしまいました。

これが不評の最大原因と思われます。

事前の準備として、肉には少量の塩と胡椒を振りかけ、馴染ませておく必要があったと思います。

さらに、予めニンニクや生姜のみじん切り(又はすりおろし)をフライパンで炒めてから、その中に肉を投入するべきでした。

圧力鍋で加熱する際にも、長葱や屑野菜等を加えると良かったのではないかと思われます。

 

また、豚バラ肉のカットについてですが、7~8センチメートル角は大きすぎました。

加熱され最終的には少し縮みますが、このサイズの肉が5~6個入っているカレーライスは、女性職員の昼食としては、インパクトありすぎです。

これが2番目の不評原因です。

配慮が足りなかったと反省しております。

2~3センチメートル角位に、しておくべきでした。

 

不評原因3番目は、人参の加熱が不十分であったことです。

馬鈴しょと一緒に鍋に投入したことは、明らかな間違いでした。

馬鈴しょは程よい柔らかさとなっていましたが、人参は少し硬かったようです(私はあまり気になりませんでしたが・・・)。

煮込みが足りず、人参臭さも残っていました。

いつも通り、玉葱・人参・馬鈴しょの順番で炒めるべきでした。

もしくは、人参の皮をむいて、1センチメートル角程度のさいの目にするべきでした。

時短を考えるあまり、素材の特徴を無視していました。

 

その他、不評原因として考えられること。

玉葱の炒め方が不十分で、甘みが引き出せなかったと思われます。

通常は玉葱が十分色付くまで、ゆっくりと炒めておりますが、今回は強火で時間短縮しました。

カレーにおいて、玉葱を十分炒めることは、一丁目一番地です。

次に、市販のカレールウに頼ってしまい、前述のニンニクや生姜、さらには酒や香辛料等を追加しなかったことも、味の深みが不足していた原因です(市販カレールウの配合も、今後の研究課題です)。

 

追記

不評のため、カレー6~7食分(甘口豚ロース肉カレーも混ぜ合わせました)が余ってしまったので、調理者が責任を取り、家に持ち帰って、家族で食べました。

トマトケチャップ・ウスターソース・プレーンヨーグルト・牛乳・料理酒・はちみつ・インスタントコーヒー・赤缶カレー粉を加え、再度加熱しましたが、人参は柔らかくなり、豚の脂の臭みもなく、肉も砕けて食べやすい大きさになり、味の深みを十分感ぜられる美味しいカレーとなりました。


やはり料理は想像力です。

今回はその想像力が欠けておりました。