ドイツ御三家ってこんなイメージ
〜2024年1月版〜

山賀です.本記事はほぼ横浜の民 裏 Advent Calendar 2023の1/4の記事です.


あけましておめでとうございます.
カメラ・レンズ沼から少し抜け出して,2023年は 旅行関連に時間とお金を費やしてました.
といっても,旅行目的ではなく,航空会社の会員のステータスを上げるためだけにひたすら飛行機を乗り降りする,俗に言うマイル修行に挑戦しました.無事修行は完了し,JALの上級会員になれました.
※ただ,2024年からは上級会員になるための条件が変更(=改悪)され,マイル修行の難易度が跳ね上がったので,こちらの話題はスルーして,本題に移ります.
JALのプレスリリース:https://press.jal.co.jp/ja/release/202311/007746.html


本題ですが,車メーカーのドイツ御三家ってご存知でしょうか?
自分は2, 3年前まで「車なんて道具のひとつでしょ?」と,まったく車に興味なかったのですが,乗ってみたらいつの間にかドハマリしまして...
その理由が,それらの車を運転するだけなのに,各メーカーの設計思想が想像できたから,です.(想像できただけで,全部の答え合わせはできていないですが.)
そのきっかけとなったドイツの車メーカー,メルセデス・ベンツアウディBMWの通称ドイツ御三家について,つらつらと所感を述べていきます.

2017年以降の年式の新しめの車を運転してみての素人目線(&ソース不足)ですが,
「ドイツ御三家なにそれ?」「車って運転しただけでメーカーの特徴感じられるの?」
って方は,気になったところだけでも読んでみてください.

ちなみに掲載している写真は自分が撮ったものです.

メルセデス・ベンツ

高級車といえばベンツ,と言われるくらいに日本では高級車としてブランドが強いメーカー,と思ってます.

高級車!と感じられる内装が目白押しで,そういった要素を他メーカーよりも先に推し進めてきました.
大きな一枚板のスクリーン,アルミの加飾,グラデーションがきれいなイルミネーション...
夜におしゃれな街を運転して,内装を眺めているだけで「俺はいい車運転してるぞ!」と感じやすいと言えます.

外装も,でかでかとメルセデス・ベンツのロゴが付いていたりと,周りへの圧もすごいです.

ただし,見た目とは裏腹に,内装パーツをゆするとぐらついたり,特定の速度で走るとパーツのビビリ音(パーツ同士が震えてガタガタ音がする)がしたり,外装のアルミ部分が日本の酸性雨に弱かったり,バッテリーが上がりやすかったり...質感や品質については微妙に感じられる一面もあります.見た目重視です.

ラグジュアリーさと言えるかわかりませんが,シートの形状を一定時間ごとに少し変えることで,軽いマッサージをしてくれる機能もあります.使ったことはないですが.

左図:CLAクラス クーペ の内装

エアコンの吹き出し口は飛行機のタービンをイメージしたデザインで,任意のイルミネーションで照らされる.赤と青のグラデーションが好きで,よく設定していた.

足元からドアパネル,助手席の前方など,いたるところがライトとアルミパーツでキラキラ.

エントリーモデル(といっても新車で込み込み600万ほどするが)からこのデザインなのが驚き.

こちらも高級車!と感じられるポイントです.走行中の道の凹凸の拾い方がなめらかで不快感が少なく,走り出しもなめらか,停止もコントロールしやすいです.
ただただ車体を支えるサスペンションが柔らかいわけではなく,凹凸を拾ったときとそのあとの揺れの収まりがよいです.(説明が下手)
欠点なのかわかりませんが,その乗り心地から眠くなることもしばしば...

全体的になめらかではありますが,それが故に,なめらかさから想像する製品の上品さへの期待とギャップを感じることもあります.
具体的には,低速度では荒い路面のコツコツを感じやすかったり,タイヤが路面を走る音が車内に大きく入ってきて目立つ傾向にはあります.
(タイヤを変えれば変わるかもしれないが,少なくとも純正タイヤではそう感じる.)

このあたり,ものづくりの選択と集中,難しいです.

車といえば安全を重視すべき製品ですが,メルセデス・ベンツならではの思想や工夫が運転するだけで感じられます.自分が運転していていいなと思ったのは2つです.

1つ目に,同じ大きさの他のメーカーの車と比べたときに,小回りがききます.これは急な人の飛び出しや障害物を避けやすいように,という設計思想だそうです.
単純に日本の狭い道だと小回りがきくと,Uターンがしやすかったり,駐車がしやすかったりで,焦ることがなく,結果的に安全運転に寄与していると感じます.

2つ目に,メルセデス・ベンツはシフトレバーが基本的にコラムシフト(下図参照)と呼ばれる,ウインカーのようにステアリング周辺からレバーが生えている方式です.
多くの車のシフトレバーは車内中央のフロアから生えているフロアシフトの方式ですが,コラムシフトのほうがステアリングから手を離さずにシンプルなシフト操作ができて安全,という思想のようです.
実際,フロアシフトの場合,車種によっては前進なのか後退なのかわかりづらくて,シフトレバーのほうに目が行き注意散漫になることもありますが,コラムシフトではそういったわかりづらさがなく,スムーズな運転が可能です.

運転とは直接関係ないですが,シートベルトは装着時に自動できつく締められたり,車が衝突を予知すると搭乗者の鼓膜を外部の衝突音から守るための音を車内スピーカーから流したり,安全機能が多彩な印象です.

左図:Cクラス のステアリング周り

赤丸部分にシフトコラムがある.レバーを下げるとD(前進),上げるとR(後退),レバーの先っちょのボタンを押すとP(停車),と切り替え可能.

日本車と輸入車では操作系が左右異なるため,誤ってウインカー操作しようとシフトコラムを上下させてしまう場合もあるが,音や画面表示ですぐ気付けるので,困ったことはない.

アウディ

都会的なデザイン,四輪駆動に強みがあるメーカー,と思ってます.

エンジンパワーがある車では,そのパワーをドライバーに伝える設計をすることが多い(パワーを感じたい,というユーザをターゲットにしているため)ですが,アウディの場合はパワーがあるはずなのに,それを感じさせない運転しやすい安定感・安心感が魅力の車とも言えます.
四輪駆動の技術力が高くパワーを適切に路面に伝えるので,滑りやすい雨の日でもドライバーは危うさを感じず,いつでも誰でも安心して走れます.
ステアリングも軽く,重い車体をスイスイ動かせている感覚です.
ドイツ御三家のなかで,同じ高速度域での走行をした場合,アウディが一番速度を感じさせない=安定していました.
走行時のなめらかさは,メルセデス・ベンツとBMWの中間の印象です.

逆にエンジンのパワーを感じたい,路面状況を感じながらじっくり運転したい,ザ・スポーツカーを好むユーザには不向きかと思います.

高級車と言うと目立つ派手系のデザイン路線もありますが,アウディはデザインの主張が少なめで,ディーラーの話によると「メルセデス・ベンツとBMWはデザインが派手,アウディくらいのシンプルなかっこよさがちょうどいい」といったユーザに好まれているようです.(日常的なスーパーや,冠婚葬祭にも行きやすい?
内装も,シンプルなピアノブラックやアルミ,黒を基調とする落ち着いた空間,がアウディは多いです.

メーターパネル周りも,地図表示と最低限のメーター表示など,高級感というよりもこれまたシンプルなUIを優先している印象で,結果的に前述の運転しやすさにつながっているとも感じます.

シンプルや使いやすい,という観点からは逸れるかもしれませんが,それぞれのボタンの押し心地もこだわっているようで,各ボタンをカチッと押したときのフィードバックがわかりやすく,メルセデスとBMWには無い感覚です.

これもまた逆に,高級車みをいろんなデザインから感じたいユーザにはアウディは不向きです.

左図:A7 スポーツバック のセンターコンソール周り

高級車となると多機能がゆえに操作系が複雑になりやすいが,ひとつひとつのボタンが大きめで,機能もわかりやすい.
(ただし,タッチパネルでの操作は,運転中は揺れて違うところをタッチしてしまったり,ノールックではどこを操作しているかわからなかったりと難しいので,好みではない.ボイスでのコントロールの進化が望まれる.)

黒のパーツや画面をシルバーで囲う統一感のあるシンプルなデザイン.

BMW

スポーティーさと実用性を兼ね備えたメーカー,と思ってます

駆け抜ける歓びがモットーのBMWは,ドライバーが運転の楽しさを感じられるような設計がされています.

ステアリングは女性の手では握りにくいレベルで太め,回しにくいレベルの重さなのですが,タイヤが路面を走っている感覚をステアリングから感じられるよう,意図的な太さと重さとなっています.
太いと手との接触面積が大きくなるため路面からの振動の情報量が増え,重いとステアリングを切った際タイヤの路面の掴み具合を感じやすくなります.
過度な太さ,重さではないため,どんなバランス調整(ステアリングを回す速度や力でレスポンスを変えている?)を行っているか気になります.

アクセルとブレーキのレスポンスは早めで,自分が操作したとおりに加速・減速ができ,ドライバーと車との一体感が生まれます.かと言ってこちらも,レスポンスが過敏すぎると感じないところが面白いところです.

乗り心地はメルセデス・ベンツやアウディよりも少し硬めに感じますが,路面の凹凸通過後の揺れの収束が早くて,凹凸の角が丸められ,路面の状況を確認しつつ,快適に走れるバランスと感じます.

ただ,普段そういった運転を意識しない人にとっては,ただステアリングが重くて疲れる,急加速・急ブレーキになりやすい,高級車なのに乗り心地が硬く感じる,といった面もあります.

スポーティーな車ということは,手動操作に力を入れているから,AIといった先進的な操作は全然...かと思いきや,メルセデス・ベンツやアウディと比べて,AI関連の機能は一番優秀です.

自動運転は道路のど真ん中をきれいに走り,加速や減速はなめらか.条件が揃えば手放し運転も可能です.普段運転しなれていない人よりも運転上手です.終始手放しで御殿場から横浜まで移動したこともありますが,快適でした.

運転中,他の車の急な車線変更など危険な場面があっても,AIが自動でステアリングを操作し,障害物を回避するような運転をしようとします.もちろん,ドライバーが意図的にその運転に逆らおうと操作すると,AIは運転を止めてくれます.あくまで最後はドライバーを信頼するような設計のようです.

音声でのコマンドにおいても認識パターンが多く,使い勝手がよいです.目的地指定はもちろん,「疲れた」などと言うとリラックスできるような環境を作ろうと,エアコンや車内のライティングを調節してくれます.AIが話している最中に遮ってドライバーが話しても,問題なく聞き取ってくれます.

前述のように,運転が楽しいと思えるよう,運転が楽しくないと思わせないために先進機能に力を入れているようです.渋滞中や疲れたときはAIにアシストしてもらって,楽しく運転できる場面では自分で運転,といった具合です.

左図:4シリーズ クーペ の操作系

太め,重めのステアリング.

ステアリングの親指部分にAI系のボタンが集約しており,自動運転の開始・停止やボイスコマンド起動が可能.

ステアリングには静電容量式のセンサが入っており,ステアリングに触れてさえいれば自動運転を継続可能.(他メーカーの多くは,ステアリングを意図的に少しだけ回さないと,ステアリングを触っていないと判断される,トルク感知式.)

運転の楽しさと直接関係ないが,内装の色やパーツのバリエーションがメルセデス・ベンツやアウディよりも豊富なのが,スポーティーさ一辺倒ではなく,おしゃれでよいところ.しかも前列・後列ともにシートの接地感・安定感がよい.

まとめ

上記は各社のパンフレット読んで概要をまとめたわけではなく,自分が運転を比較して感じたことをその都度調べてみたら,いろんな背景があった,という流れです.
そのときにいろんなソース聞きかじりしたので,嘘のこと書いてたらすみません,許してください.
やはり自分で体験してみないと感じられないことや,気づけ無い細部の作り手のこだわりがあると,車の運転で再認識しました.
この経験を仕事にも活かせるといいな...