【改修前】
田園地域の典型的な田舎普請の木造住宅。
【改修前】
屋根は日本瓦、外壁はトタン貼り。
瓦に大きな劣化は有りませんでした。
【改修前】
小屋裏の状況。
頑丈な丸太梁と土壁が確認できます。
【改修前】
典型的な田の字プラン。狭い廊下が部屋を分割してます。台所と6畳の和室を繋げ、且つ廊下を無くしLDKにします。
【補強計画】
現況の診断では評価0.07。百点満点中7点「倒壊する可能性の高い」建物という評価です。
【補強計画】
地震の水平力に抵抗するために壁を強くします。此方は1階の補強部分(緑色の部分)です。その方法は適材適所で様々です。1階は基礎の補強も併せて行います。
【補強計画】
2階も補強を行います。耐震評価は各階各方向で行います。2階の補強は収納部分で行い工事費を最小限にします。1階も考え方は同じですが、2階より大きな地震力になるのでそれだけでは不足しがちです。
【補強計画】
地震のシュミレーションソフト「wallstat」で震度6強の地震動に対する強度を検討。
【補強計画】
補強後の評点を百点満点中129点、「一応倒壊しない」という評価まで押し上げました。
【工事】
改修工事の解体作業は、残すものを傷つけてはいけないのでとても神経を使う作業です。
【工事】
土壁は梁まで充填され筋交いもありますが、柱・梁を繫ぎ止める金物が無いため(以前は義務付けられていなかった。)その強度は発揮されません。必要な補強を行います。
【工事】
基礎の補強工事。直径16㎜の鉄筋を既存の基礎に沿わして配置。柱の引抜力に抵抗します。
【工事】
筋交いや合板等で壁を補強します。併せて外壁面には断熱材も充填しました。改修工事は一つの目的のためだけではなく、断熱やリフォーム、劣化部分の補修等併せて実施すると経済性も満足度も高いです。
【工事】
柱と土台・基礎を繫ぎ止める金物。 これら金物と筋交いや合板が共に働いて耐震強度を高めてくれます。どれも欠かせない工事です。
【工事】
火打ち金物といって2階床や屋根面の水平面の強度を高める部材。四角い箱にふたをする様な補強です。水平面強度が高いほど、地震時に耐力壁が有効に働きます。
【竣工】
改修後の1階平面図。北側の居間・台所部分の間取りが変わりました。
【竣工】
北側に面した二部屋をつなげてLDKに。
【竣工】
中央のオープン棚は構造上撤去できない3本の柱に挟まれる形で、大工さんが作り付けしたものです。
【竣工】
北側にあるリビングですが、十分に広い庭があるので明るい部屋になりました。
【竣工】
ソファ後ろの壁が台所を分け隔てていました。必要な所は補強し、かつ使いやすくリフォームすることで長く家を使えます。
【竣工】
寝室となる和室は既存の仕様を踏襲。断熱材を床、壁、天井に敷設しました。
【竣工】
洋室は東面に大きなサッシがあるので、南側のサッシをすべて耐力壁で補強しました。南側には縦長のこの窓が残りました。
【竣工】
右側手前部分。サッシを除去し壁になりました。仕上げはガルバリウム鋼板。既存の外壁色に合わせました。
【竣工】
北側外壁1階部分のガルバリウム鋼板。