簡易水深測定法

(2013-15)

湖沼の水資源管理において、水深は基礎的かつ重要なパラメータの1 つです。特に、毎年襲来する台風によって洪水が発生したり、急速な都市化による水質汚染が危惧されたりしている東南アジア諸国では、湖沼や周辺河川の水位モニタリング体制の整備が緊急の課題となっています。

しかし、定期的なモニタリングによる情報更新を実施する上で、実施にかかる予算や観測ポイントへのアクセシビリティ制約などの負担を軽減することが課題となります。特に、水深の測定は錘などを使って現場でコツコツと測定を続けることは、人件費や組織などを整備する関係上、容易ではありません。

そのため、加藤と矢尾田清幸博士(元総合地球環境学研究所)は、一般的な魚群探知機とサーフボードを応用した簡易水深測定法を考案し、フィリピン共和国のラグナ湖において、実際に収集したデータから現在の水深図の作成を試みました。その結果、上記に挙げた制約に縛られることがない、効率的な水深データの収集を可能とし、水資源管理の政策立案およびその評価に効果的な情報整備に貢献できることを明らかにしました。

【初期構想図】加藤が描いたラフスケッチ

  • サーフボードに魚探を埋め込むというアイデアが最初はなかなか現地の人に理解してもらえず、苦労をしました。

【魚群探知機とサーフボードの組み合わせ】

  • 最も苦労したところは、ソナーの位置でした。最適な位置を出すために、何度もラグナ湖で航走試験を行いました。
  • 頭のほうを重くしないと浮き上がってしまうため、アンカーとなる鉄パイプを括りつけています。
  • 基本的に、魚探以外は全て現地で手に入る材料で加工などを行いました。

【ラグナ湖における活用】

  • ラグナ湖でよくお世話になっていた貨客船をチャーターして航走をし、短期間でラグナ湖の水深情報を得ることに成功しました。
  • 成果については、論文をご参照ください。