引田町家マッチングプロジェクト
~「心やすい」関係作りを通じて空き家の活用を促進~
~「心やすい」関係作りを通じて空き家の活用を促進~
第 1 回:町並みミーティング
引田町家ワークショップ&シンポジウム
〜空き家のリアル、お伝えします〜
開催日:2025年8月10日(日曜)〜11日(月祝)
◇町並みミーティング参加者募集のお知らせ
瀬戸内の港町、城下町として栄えた、四国・香川県東かがわ市引田(ひけた)。江戸時代から残る町並みの価値が評価され、「瀬戸内国際芸術祭2025」が開催されるなど、賑わいを見せ始めています。しかし、人口減少により空き家が300軒を超え、「このままではゴーストタウンになる」と危惧する人もいます。空き家は大小問わず、江戸時代〜高度成長期まで、様々な空き家があり、地方の空き家問題の典型例が数多くあります。私ども引田町家マッチングプロジェクトでは、これまでボランティアで空き家の貰い手探しを行い、3年間で10軒の空き家の譲渡を実現しました。この経験談を踏まえつつ、空き家活用、まちの景観、まちづくり活動に知見のある専門家の方々をお招きしたシンポジウムとワークショップを、「第1回 引田町並みミーティング」と題して開催することになりました。地方への移住をお考えの方、空き家を所有・活用を検討されている方、まちづくり活動に携わっている方には、非常に学びになる機会となっております。ワークショップでは、我々が行っている空き家(伊藤商店)の残置物整理を実際に行って頂き、活用に必要な作業を体験して頂けます。また、1日目の夜には交流会(参加費別途)を開催します。全国から集まる方々と地元の皆様で繋がりを築いて頂けます。ちょうど瀬戸内国際芸術祭も行われており、我々で引田の町並みライトアップ(引田の「光」プロジェクト)も行われますので、観光、アート鑑賞も合わせてお楽しみ下さい。
引田「光」プロジェクト 2025
瀬戸内国際芸術祭2025 夏会期の8月1日~31日
町家の虫籠窓のライトアップ等を開催します。引田の町に「光」を増やし、夜間の魅力アップに取り組み、防犯と地域活性化に寄与します。
クラウドファンディング
https://readyfor.jp/projects/hiketa
東かがわ市 引田町家マッチングプロジェクト(通称:マチマチ)
空き家を探している人(特に移住希望者)と、空き家(将来的に空き家となることが予想される家屋も含む)の所有者および近隣住民との縁作り、「心やすい」関係作りを通して、東かがわ市 引田地区の空き家の活用と町並みを生かした地域発展を促進します。
「引田町家マッチングプロジェクト」(マチマチ)ホームページへようこそ!
マチマチは、香川県東かがわ市引田地区に300軒以上存在する空き家の利活用を促進し、地域の新しい担い手となる人々を増やしていくために、2024年に発足した、ボランティアグループです。
引田は、香川県と徳島県の県境に位置する、瀬戸内海に面した人口約6500人のまちです。
古代から南海道の宿駅が置かれ、瀬戸内海交易の「風まち、潮まち」の港町として繁栄した歴史があります。四国88箇所霊場88番と1番のちょうど中間地点にあたることから、お遍路さんの上陸地、宿泊地としても賑わいました。
また、港近くには「引田城」(2020年国指定史跡。「続日本の城100選」)が置かれ、香川県の政治・軍事の拠点としても重要な位置を占めていました。
讃岐うどんに欠かせない「塩」「醤油」、そして「砂糖(讃岐和三盆)」、「手袋」、「ハマチ(ブリ)」など、香川県を代表する特産品、伝統産業と深い関わりがあり、その開発、発展に貢献した偉人を数多く輩出しています。
こうした深い歴史と文化を象徴するのが、引田の「町並み地区」です。
引田の港と引田城の周囲に広がり、400年以上前に城下町として整備されるとともに、港町、漁師町、宿場町としても繁栄しました。
県内有数の豪商屋敷(讃州井筒屋敷)から、農民、漁民の民家に至るまで、江戸~終戦直後にかけて建築された多種多様な古民家が残されています。
ハマからの潮風が路地を通ってマチのなかまで上がってくる。自然の営みを感じながら、日々暮らせるまちです。
その景観と歴史的・文化的価値は高く評価されており、2003年から開催されている「引田ひなまつり」は、四国最大規模の春の行事として成長するとともに、「瀬戸内国際芸術祭2025」の夏会期の会場の1つとして選定を受けました。2024年からは東京藝術大学と香川大学による共同プロジェクト「ぐんだらけ」も始まっています。
その一方で、町並み地区では深刻な人口減少と空き家の増加に直面しています。
「空き家をどうにかしてほしい。」
「人がホンマにいない。このままいったら引田消えるんちゃうか?」
という声を、まちのなかで数多く聞いてきました。
人口は昭和30年代の半分以下に減り、住民の半数以上が高齢者の自治会も増え、空き家率は多いところで5割を超えている状況です。
城下町としての整備が行われ、現在のマチが形作られて400年。代々受け継がれてきたまちが、我々の世代で消えてしまうのは、なんとしても避けなければなりません。
2022年より、私と有志数人で、空き家の貰い手探しを始め、これまで4軒の空き家の貰い手を見つけました。移住者、多拠点居住者、地元企業が譲渡を受けられ、現在それぞれ違った活用が行われています。まちの人たちも、地域の新たな担い手に期待を寄せています。
しかし、引田地区内の空き家は300軒を超えており、今後もますます増えていくことが予想されます。
これまでの経験を生かしつつ、もっと活動の輪を広げていく必要があると考え、2024年に「引田町家マッチングプロジェクト」の設立に至った次第です。
本プロジェクトには地元の住民だけでなく、東京在住の出身者の方や、旅人、移住者の方も加わっています。オンラインを使ってミーティングし、新しい発想や知見を加えて活動を行っています。
そして、(公財)日本ナショナルトラスト様(東京)の「地域遺産支援プログラム」にも採択され、2025年~2027年にかけ、運営面や資金面等での支援も頂くことになっております。
地域内外の仲間とともに、広い交流の輪を作りながら活動をしてまいります。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
引田町家マッチングプロジェクト
代表:永峰 優一
1)団体名:東かがわ市 引田町家マッチングプロジェクト
2)事務所:〒769-2901 香川県東かがわ市引田2509-2(しぇあはうす しゅんぽ 内)
3)設立年:2024年
4)連絡先
メール:hiketamachimachi@gmail.com
電話 :080-6391-8273(永峰)
5)主なメンバー
代表 :永峰 優一
会計兼事務局長:岩本 良
総務・広報 :原田 進
総務・広報 :花田 文子
現地案内役 :伊藤 駿
現地案内役 :遠藤 賢太郎
6)協力団体
風の港まちづくりネットワーク
公益財団法人日本ナショナルトラスト
引田町(東かがわ市)の歴史と見どころ
引田(ひけた)は、香川県東かがわ市、まさに香川県の東の端にある、瀬戸内海に面した歴史ある港町です。古くから交通の便利なまちで、京阪神や徳島県(阿波国)に近く、宿場町や城下町でもありました。
また、漁業、農業、伝統産業が盛んなまちで、讃岐和三盆、養殖ハマチ(引田鰤)、醤油、手袋、塩など、香川県の「特産品」と呼ばれるものの多くは、引田と深い関連を持っています。
1. 古代〜中世
古代の交通路「南海道」の宿駅(引田駅)が置かれました。置かれた場所には、今でも「馬宿(うまやど)」という地名が残されています。
・讃岐(香川県)と阿波(徳島県)の国境の峠「大坂峠」のほか、国境を超える峠道が複数作られました。源平合戦の屋島の戦いの際、源義経と弁慶の軍勢が阿波から讃岐へ向かう際に峠を越え、馬宿の寺院(海蔵院東海寺)で休息を取ったことが、平家物語に書かれています。
・室町時代初期、1445年の文書(兵庫北関入船納帳)には、引田の港から塩、木材など多くの産品が積み出された記録があり、瀬戸内海を代表する港町だったことが分かっています。
2. 戦国時代
「引田城(ひけたじょう)」が築かれ、讃岐を支配していた豪族・十河氏(そごうし)や、その後の長宗我部元親(ちょうそかべ もとちか)などの支配を受けました。
引田城は、戦国時代の海城(うみじろ)の特徴を持ち、戦略的に重要な拠点でした。
3. 江戸時代
高松藩の領地となり、塩の生産地として栄えます。
引田は製塩業・海運業・醤油醸造などで発展し、港町として商業が活発に。
現在も残る「引田の町並み」は、江戸時代の建物や町割りがよく保存されており
4. 近代〜現代
明治以降も漁業・醤油醸造などの地場産業が継続。
地元の名産である「引田の醤油」や、地酒なども今なお人気。
地域の歴史や文化を伝える施設として「讃州井筒屋敷」などが整備され、観光資源として活用されています。
引田の町並み:江戸の風情を感じさせる白壁や格子窓の家屋が立ち並ぶ
引田城跡:山頂にある遺構からは瀬戸内海が一望でき、歴史と景観を楽しめる
讃州井筒屋敷:醤油屋だった古民家を改装した観光拠点。体験や展示もあり
引田ひなまつり:毎年春に開催される町をあげた行事で、多くの観光客が訪れる