開会のご挨拶

開会のご挨拶

学会員の皆様におかれましては,ますますご健勝にてご活躍のこととお喜び申し上げます。このたび,中国四国心理学会第80回大会を11月9日(土)・10日(日)の両日,比治山大学にて開催する運びとなりました。


比治山大学で中国四国心理学会を開催するのは,2011年(平成23年)の第67回大会に続き2回目となります。比治山大学は,四年制大学を開学したのは1994年(平成6年),心理学を専門とする現在の社会臨床心理学科を開設したのは2004年(平成16年)と,広島の地にある大学の中ではおそらく最後発でしょう。キャンパスは,一級河川太田川を臨む眺望と市内中心部から約15分というアクセスのよさが自慢ですが,小規模大学ゆえ,その広さと施設・設備も限られており,ご不便をおかけするかもしれません。ご理解の程,よろしくお願いいたします。


今,社会は拡大・発展を目指す方向から,サステナビリティ(持続可能性)を重視する方向に変わりつつあります。この変化は,地方における大学組織や地域学会についても今後求められるようになるかもしれません。そこで本大会では,地域の心理学会である中国四国心理学会がもつアットホームな学術的交流の場としての伝統を受け継ぎながら,「地域と共生する心理学」というテーマを掲げ,地域社会に開かれた学会をめざしました。


これを受けて,実行委員で話し合い,今回の公開講演は,著名な演者先生を招いた講演は行わず,「社会臨床」というコミュニティベースの学科名称を掲げた本学社会臨床心理学科の20年を題材として,僭越ながら,学科を代表して主任である私が登壇することとなりました。地方大学における教育・研究・社会貢献の課題や問題を取り上げ,心理学教育のあり方や地域の中でどのように心理学を活かしていくかなどの話題を提供し,共に考えていければと思っております。また,昨年に引き続き,「心理学が学べる大学・大学院紹介」のコーナーを設け,地域の高校生や関係者に皆様の大学の情報や取り組みを知っていただく試みも行います。


小さいけれども開かれた学会となることをめざして,大会準備委員会では全員体制でお世話の準備を進めております。恒例の学部生研究発表会も実施いたします。研究者である大学教員や大学院生の方々はもちろんのこと,心理学を学ぶ学部学生や心理学に興味をもつ生徒のみなさん,地域の方々が広く交流できる場を提供できればと願っております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

中国四国心理学会第80回大会準備委員長 

吉田 弘司