2022/11/19
毎週土曜日恒例の、中3受験生対象『OPINION TRAINING(意見練習)』
本日は、「日本は、自国の軍隊を持つべきである。賛成か、反対か。」でした。
もちろん、日本国憲法でも軍隊は認めていません。
しかし、ロシア・ウクライナ問題や北朝鮮のミサイル問題、中国の尖閣諸島や台湾有事など、日本を取り巻く情勢は、決して楽観的なものではありません。
それに対して、どう考えるべきか。
さて、生徒たちの意見です。
北方領土の問題が起こるなど、他国からなめられている。
軍需産業の短期的利益を生むことができる。
自衛隊だけだと不安がある。
外部の侵略から国民の生命と財産を守る抑止力となるから。
外交で優位に立てるから。
政治的に自立した立場を維持しやすいから。
近隣に油断ならない国があるから。
PKO活動には不可欠だから。
日本の安全を守るため。
話し合いが通用しない国ばかりだから。
最近アメリカが助けてくれない国だとわかったから。
国際社会での発言権が増す。
技術開発につながる。
日本が攻められやすい位置にあるから。
弱い国からの外交で優位に立てるから。
アメリカに頼らず、自分たちの国を自分たちで守るべき。
身近な人に軍人がいると、よりシビアに世界情勢を考えられるようになる。
※賛成・反対各意見の数の違いは、同意見をまとめた結果です。
『賛成・反対意見の強い・弱い』とは異なります。
膨大な費用がかかる。
同盟国の戦争に参加しなければならない。
戦争による犠牲が出る可能性がある。
周辺の国に平和な国として認められるようにするため。
自衛隊という、日本を守る組織がいるから。
自国の軍隊を持つと、また悲惨な戦争が起こるかもしれないから。
日本は世界の軍事力5位なので、心配はいらない。
平和主義に反する行為。
自衛隊も戦力。
米軍基地や条約もあり、アメリカがすぐに助けてくれる。
国外からの非難が強くなる。
徴兵制度ができてしまう。
日本はこれまで平和国家の建設を目指して努力を重ねてきたが、無駄になってしまう。
政府が独裁政治をする原動力になる可能性がある。
憲法第9条に違反している。
徴兵によって、国民の不安と不満が広がる。
※賛成・反対各意見の数の違いは、同意見をまとめた結果です。
『賛成・反対意見の強い・弱い』とは異なります。
賛成意見(持つべきである)は、
現状の危機感だけでなく、持つことのメリットが出てきました。
反対意見(持つべきではない)は、
自衛隊で十分、徴兵制への心配等の意見が出ました。
このトレーニングを通して、自分の意見を持つ習慣をつけ、また、自分との反対意見に対する理解も深めることで、さらに発信していく力になっていくことを期待しています。
当校では、いろいろなことに自分の意見を持つ、という練習を毎週日曜日に行っています。
今年度の参加対象者は、受験対策を受講している中3生です。
普段から意見を持つことに慣れていないので、ディベートではなく、その一段階手前です。
主題は、時事・政治ネタから身近な生活についての話題など、多岐にわたります。
あらかじめ意見を調べてきて、発表します。
ここで大事にしているのは、
会の結論として、賛成か反対かは決めない。
賛成意見と反対意見を両方調べてくること。
挙手制ではなく、全員発表する「指名制」。
私自身の個人的な意見は言わない。
ということ。
意見を戦わせることが目的ではなく、「自分の意見を持つこと」が目的ですから、勝ち負けではありません。
また、私が個人的な意見を言ってしまうと、大人の意見であり教師の意見ですから、生徒の意志を左右させてしまうことにもなります。
いろいろな意見を聞いて、自分の意見もどんどん変わっていい。
意見が変わるのは知識を得たからであって、成長している証拠。
これによって、さらに自分の知識や意見が深まっていきます。
生徒がいろいろな物事に対して、いい意味で「意見を気軽に持つ」ことに慣れていってほしいと思っています。