首相公選制
について
2021/12/12
毎週日曜日恒例の、中3受験生対象『OPINION TRAINING(意見練習)』
本日は、「首相公選制にすべきである。賛成か、反対か。」でした。
今年は衆院選で自民党・公明党の与党が勝ち、岸田新政権が発足しました。
総理大臣が選出されるタイミングで、必ず首相公選制に対する意見はよく出てきますね。
中3は公民で『内閣』を習っていますから、関心はありますよね。
さて、生徒たちの意見です。
賛成意見はこちらをクリック
与党内の理解に関係なく首相を選出できる。
国民の政治関心を高めることができるから。
首相が自信を持てる。
政治家の人間関係ではなく、リーダーに適しているかで決められる。
本当の民主主義を追求するなら、選挙で決めたほうがいい。
国民の政治への信頼感が増すので、不満が出にくくなる。
国会と内閣の関係だけでなく、国民と内閣の関係にも目を向けるべき。
国民の政治参加意識の向上
国民のチェックをもとに首相が責任を持つ体制になる。
首相を身近に感じることができる。
民主主義感が増す。
国民から選ばれて責任感が増す。
首相の軽率な行動が減り、選挙に参加する人が増える。
国民の意見が今よりも反映される。
国民から直接選ばれているので、思い切った政策ができる。
首相の民主的正統性が上がる。
野党側も首相候補を支持できる。
政治への信頼感が増す。
立法と行政を明確に分離できる。
※賛成・反対各意見の数の違いは、同意見をまとめた結果です。
『賛成・反対意見の強い・弱い』とは異なります。
反対意見はこちらをクリック
与党ではない政党から選ばれると政治が不安定になる。
権力が一人に集中して独裁政治につながる。
『政治ができる人』ではなく『国民から人気がある人』が首相になる。
イスラエルで採用されたときに、政治の機能不全が起こった。
支持率ばかり気にする人が出てくる。
その時の人気だけで決めるのはよくない。
議会から信頼されない首相が生まれる。
議会の役割が低下する。
ねじれによって政治が停滞する。
選挙に金がかかる。
イギリスやドイツなどの先進国も議院内閣制なので、アメリカに合わせる必要はない。
憲法の改正が必要。
意見が違う国民同士の争いが起こりやすくなる。
国民はマスコミに左右されやすいので、間違った情報の場合に正しい判断ができない。
政治に対して正しい知識を持っていない人が多いので、ちゃんとした投票にならない。
国会と内閣が対立した場合に物事が進まなくなる。
政治とマスコミの結びつきが強くなる。
自分たちより政治に詳しい人が決めたほうがよい。
※賛成・反対各意見の数の違いは、同意見をまとめた結果です。
『賛成・反対意見の強い・弱い』とは異なります。
賛成意見(首相公選制にすべき)は、
国民の政治意識の向上や、政治が変わる期待感を示す意見が出ました。
反対意見(首相公選制にすべきではない)は、
総理と国会の『ねじれ』があった場合や、人気だけで総理が選ばれた時の危険性を危惧する意見が出ました。
このトレーニングを通して、自分の意見を持つ習慣をつけ、また、自分との反対意見に対する理解も深めることで、さらに発信していく力になっていくことを期待しています。
『Opinion Training(意見練習)』とは
当校では、いろいろなことに自分の意見を持つ、という練習を毎週日曜日に行っています。
今年度の参加対象者は、受験対策を受講している中3生です。
普段から意見を持つことに慣れていないので、ディベートではなく、その一段階手前です。
主題は、時事・政治ネタから身近な生活についての話題など、多岐にわたります。
あらかじめ意見を調べてきて、発表します。
ここで大事にしているのは、
会の結論として、賛成か反対かは決めない。
賛成意見と反対意見を両方調べてくること。
挙手制ではなく、全員発表する「指名制」。
私自身の個人的な意見は言わない。
ということ。
意見を戦わせることが目的ではなく、「自分の意見を持つこと」が目的ですから、勝ち負けではありません。
また、私が個人的な意見を言ってしまうと、大人の意見であり教師の意見ですから、生徒の意志を左右させてしまうことにもなります。
いろいろな意見を聞いて、自分の意見もどんどん変わっていい。
意見が変わるのは知識を得たからであって、成長している証拠。
これによって、さらに自分の知識や意見が深まっていきます。
生徒がいろいろな物事に対して、いい意味で「意見を気軽に持つ」ことに慣れていってほしいと思っています。