「意見を持つ」
ことの練習
2018/11/13
当校では毎週日曜日、中3生と中2以下の希望者を対象に「OPINION TRAINING (意見練習)」を実施しております。
目的は、「生徒が意見を持つこと」。
高校入試の面接だけでなく、中学や高校においての教育の方向性としても、自分の意見をもって討論しあうことが重要視されてきています。
ただ、普段から意見を持つことに慣れていないんですよね。
得意な子もいますが、大体は「どう思う?」って言われても黙ってしまったり、他人のやりとりをただ見ているだけになったりですね。
ニュースの題材になっていることを振っても、よくわかっていないし、興味を持っていないことも多い。
よって当校では、ディベートではなく、その一段階手前として、まずはいろいろなことに自分の意見を持つ、という練習を行っています。
今まで行ってきた主題としては、
「原子力発電所は必要ない。賛成か、反対か。」
「教師の体罰は、場合によっては必要である。賛成か、反対か。」
などの時事ネタや、
「テストでは順位をつけるべきではない。賛成か、反対か。」
「ゴミ収集は有料化すべきである。賛成か、反対か。」
などの身近な題材を取り上げたり。
ここで大事にしているのは、
会の結論として、賛成か反対かは決めない。
賛成意見と反対意見を両方調べてくること。
挙手制ではなく、全員発表する「指名制」。
私自身の個人的な意見は言わない。
ということ。
意見を戦わせることが目的ではなく、「自分の意見を持つこと」が目的ですから、勝ち負けではありません。
また、私が個人的な意見を言ってしまうと、大人の意見であり教師の意見ですから、生徒の意志を左右させてしまうことにもなります。
そして、いろいろな意見が出ると、自分の意見が第一印象から変わることもあります。
実はそれを狙っているのです。
意見はどんどん変わっていい。
意見が変わるのは知識を得たからであって、成長している証拠。
これによって、さらに自分の知識や意見が深まっていきます。
先週の主題は、「自転車乗車を免許制にすべきである。賛成か、反対か」でした。
賛成意見は、
「交通ルールを知らないで乗っているため、知る機会になる」
「マナーの向上が期待できる」
「自転車にナンバープレートを付けることになるだろうから、管理しやすくなる」
等が出ました。
乗車モラルの向上が問題ですから、その改善ですね。
反対意見は、
「制度にコストがかかり、取得にも費用が掛かるので、本当に必要な人が取れない可能性がある」
「すでに乗れてしまっているので、わざわざ免許をとらずに無免許運転が増え、制度として定着しないのでは」
「免許センターの対応が大変」
等、制度として機能しなくなる心配が挙げられました。
浅い意見もあれば、ちょっとうなってしまうような切り口の意見もある。
おもしろいんです。
来週は、「日本は移民を受け入れるべきである。賛成か、反対か。」です。
生徒がいろいろな物事に対して、いい意味で「意見を気軽に持つ」ことに慣れていってほしいと思っています。