死刑制度
について
2022/2/20
毎週日曜日恒例の、中3受験生対象『OPINION TRAINING(意見練習)』
本日は、「死刑制度を廃止すべきである。賛成か、反対か。」でした。
日本には死刑制度がありますが、世界では廃止・停止されている国が数多くあります。
そのため、日本では死刑が執行されることでニュースになり、賛成・反対が論じられることになります。
当校も毎年のようにお題にしておりますが、今年も考えてみたいと思います。
さて、生徒たちの意見です。
賛成意見はこちらをクリック
生きて罪を償わせるべき。
同じ人間としてかわいそう。
死ねば許されるという甘い考えを持ってはいけない。
死刑囚を生かしておくとなると、食事費がかかり、税金でまかなわれているので。
税金のムダ。
『死にたいから罪を犯す人』がいなくなる。
冤罪の場合、執行した後は取り返しがつかなくなる。
無期懲役でも、世の中に出てこれないから、自分たちの生活にそこまで変化がないから、殺す必要はない。
死刑が犯罪抑止力になることは、科学的に証明されていない。
世界で死刑廃止や停止をしている国が140ヶ国以上あり世界的には廃止に進んでいる。
死刑執行のボタンを押す人の精神的負担が大きすぎる。
死刑にしたからといって、悲しみが完全になくなるわけではない。
国が殺人を犯罪としておきながら、犯人の命を奪うのは矛盾している。
死刑制度があっても、大きな事件は起きている。
※賛成・反対各意見の数の違いは、同意見をまとめた結果です。
『賛成・反対意見の強い・弱い』とは異なります。
反対意見はこちらをクリック
犯罪者の再犯を防ぐことができる。
被害者や遺族の感情を考えれば、廃止すべきではない。
犯罪の抑止力になる。
裁判が慎重になるので、冤罪の抑止になる。
被害者の遺族が死刑を望むことが多い。
無期懲役になっても、仮釈放で世の中に凶悪犯が戻ってくるので不安。
遺族や国の負担を考えれば、仕方がない。
死刑になるようなことをしたから死刑になる。
死刑以外に対処しようがない事件があるから。
死刑があることで、罪を犯す事の重大さや命の大切さを学べるから。
死刑に値することをした人を生かしておいたら、同じことを繰り返してしまうかもしれない。
死刑制度を廃止する前に、終身刑を導入すべき。
死んで償わないと遺族が報われない。
更生は難しく、時間とお金がかかる。
被害者は少なくとも死んでいるので、自業自得。
※賛成・反対各意見の数の違いは、同意見をまとめた結果です。
『賛成・反対意見の強い・弱い』とは異なります。
賛成意見(廃止すべき)は、
冤罪の場合の危惧や、犯罪抑止力になっているかは証明されていない、などの意見が出ました。
反対意見(廃止すべきではない)は、
被害者遺族の感情の考慮からの意見や、冤罪の抑止になるという意見が出ました。
このトレーニングを通して、自分の意見を持つ習慣をつけ、また、自分との反対意見に対する理解も深めることで、さらに発信していく力になっていくことを期待しています。
『Opinion Training(意見練習)』とは
当校では、いろいろなことに自分の意見を持つ、という練習を毎週日曜日に行っています。
今年度の参加対象者は、受験対策を受講している中3生です。
普段から意見を持つことに慣れていないので、ディベートではなく、その一段階手前です。
主題は、時事・政治ネタから身近な生活についての話題など、多岐にわたります。
あらかじめ意見を調べてきて、発表します。
ここで大事にしているのは、
会の結論として、賛成か反対かは決めない。
賛成意見と反対意見を両方調べてくること。
挙手制ではなく、全員発表する「指名制」。
私自身の個人的な意見は言わない。
ということ。
意見を戦わせることが目的ではなく、「自分の意見を持つこと」が目的ですから、勝ち負けではありません。
また、私が個人的な意見を言ってしまうと、大人の意見であり教師の意見ですから、生徒の意志を左右させてしまうことにもなります。
いろいろな意見を聞いて、自分の意見もどんどん変わっていい。
意見が変わるのは知識を得たからであって、成長している証拠。
これによって、さらに自分の知識や意見が深まっていきます。
生徒がいろいろな物事に対して、いい意味で「意見を気軽に持つ」ことに慣れていってほしいと思っています。