2025/11/16
毎週末開催する、中3受験生対象『OPINION TRAINING(意見練習)』
本日は、「米の生産量は、拡大すべきである。賛成か、反対か。」でした。
米の価格が上昇して、備蓄米が投入され、生産拡大策が打ち出されたと思ったら、新政権になるとそれが打ち消されて、政策が大きく転換しました。
日本人にとって大切なコメ。
身近な問題です。
さて、生徒たちの意見です。
食料自給率が低い中、米の生産を減らせば食糧安全保障がままならなくなるから。
日本の大切な食文化だから。
安定的な生産は、国内の農業基盤を維持し、農家の経営安定につながるから。
近年は海外で日本産の米の評価が高まっており、生産量が増えれば輸出競争力の強化が可能。
米の需要の多様性化。
生産量が増えれば農家の収入や後継者の確保につながる。
食料自給率の向上につながるから。
世界的な食料の需要増加に対応するため。
農家の所得を確保・向上させるため。
自給率を上げることで、有事の際でも国民の生存を支えることができる。
市場価格が安定する。
米関連の産業の活性化につながる
米は国内で唯一 自給可能な主要穀物だから。
輸入した米に比べて、安定した価格で米を供給できるので、国民の生活が楽になる。
世界情勢の不安定化や気候変動で、輸入が不安定になる可能性があり、国内の自給力を高める必要がある。
農業従事者の収入向上や地域の活性化につながる。
耕作放棄地の利用ができる。
需要に応じた十分な生産量を確保することで、価格が安定する。
輸入品に頼りすぎると、戦争やトラブルで急に入ってこなくなる可能性がある。
生産量を増やすことで、供給量を増やし、価格を安定させ、消費者の不安をやわらげられるから。
農家の経営が安定する。
世界的に米の需要は高く、輸出も盛んにできる。
日本の食料は海外に頼っていて、食糧危機に備える。
国内自給率が上がり、米不足が少なくなる。
米の価格が安定し、消費者が安く買うことができる。
加工食品など広い分野で需要が増し、経済効果が期待できる。
主要な食料である米の国内生産を確保することで、食料自給率を上げることができる。
自然環境の保全・水源のかん養(森林が雨水を蓄え、ろ過し、ゆっくりと河川に流し出すことで、水資源を育む働きのこと)、景観の形成などの様々な機能を果たすことができる。
高品質な国産米は海外でも需要があり、輸出拡大が可能。
※賛成・反対各意見の数の違いは、同意見をまとめた結果です。
『賛成・反対意見の強い・弱い』とは異なります。
米を育てるためには、たくさんの土地や水が必要になってしまうから。
コメ離れが進んでいて、拡大しても買う人がいないから。
農家の負担が増加する。
米をたくさん作るための補助金や、余った米の管理に金がかかる。
人手不足や高齢化の中で、生産量を増やしても労力が増えてしまう。
大量に生産してしまって価格暴落で農家の収入が不安定になる。
稲作拡大などでメタンガスが発生し、環境負荷が増大する。
後継者が不足していて、生産量を拡大しても継ぐ人がいないので、意味がなくなる。
需要に見合わない過度な生産拡大は、米余りを引き起こす。
米以外の食料自給率がさらに低下する恐れがある。
化学肥料や農薬の使用が増加すれば、環境への負荷が増大する恐れがある。
人手や農地の不足によって無理やり生産量を拡大しようとすると、品質の悪化などにつながる恐れがあるから。
需要に応じた生産にすることで、供給過剰を防ぎ、安定した価格を維持するため。
稲作は大量の水資源を必要とするため、水不足の地域には拡大が厳しい。
国内消費量が減少傾向にある。
作りすぎることで、環境に負荷がかかる。
農家の高齢化が進む中で生産を拡大すると、現場の負担が増える。
政府からの補助金依存が深まる。
高温による品質低下にリスクがあり、生産量を拡大するには気候変動に対応した品種改良が必要だから。
日本では米の需要が年々減少していて、生産量を拡大すると余ってしまうかもしれない。
農家の高齢化が深刻化している。
価格暴落のリスクがある。
環境負荷への懸念がある。
増産したからといって、国内で消費される保証はないから。
価格が落ちすぎると、農家の生活が苦しくなる。
人手不足で生産量を増やせない。
供給が需要を上回ると米の価格が下がり、農家の収入が不安定になる。
政府の補助金と管理コストがかかる。
水田がたくさんの水がかかるため、環境負荷が大きくなる。
国内の主食用米の需要は減少傾向にあり、需要に見合わない過剰な生産拡大は様々なリスクを伴う。
生産過剰になった米を政府が買い上げ、備蓄米として管理するには大きな財政負担が発生する。
化学肥料や農薬の使用による環境への負荷が大きい。
※賛成・反対各意見の数の違いは、同意見をまとめた結果です。
『賛成・反対意見の強い・弱い』とは異なります。
このトレーニングを通して、自分の意見を持つ習慣をつけ、また、自分との反対意見に対する理解も深めることで、さらに発信していく力になっていくことを期待しています。
当校では、いろいろなことに自分の意見を持つ、という練習を毎週土曜日に行っています。
今年度の参加対象者は、受験対策を受講している中3生です。
普段から意見を持つことに慣れていないので、ディベートではなく、その一段階手前です。
主題は、時事・政治ネタから身近な生活についての話題など、多岐にわたります。
あらかじめ意見を調べてきて、発表します。
ここで大事にしているのは、
会の結論として、賛成か反対かは決めない。
賛成意見と反対意見を両方調べてくること。
挙手制ではなく、全員発表する「指名制」。
私自身の個人的な意見は言わない。
ということ。
意見を戦わせることが目的ではなく、「自分の意見を持つこと」が目的ですから、勝ち負けではありません。
また、私が個人的な意見を言ってしまうと、大人の意見であり教師の意見ですから、生徒の意志を左右させてしまうことにもなります。
いろいろな意見を聞いて、自分の意見もどんどん変わっていい。
意見が変わるのは知識を得たからであって、成長している証拠。
これによって、さらに自分の知識や意見が深まっていきます。
生徒がいろいろな物事に対して、いい意味で「意見を気軽に持つ」ことに慣れていってほしいと思っています。