2025/10/11
毎年秋から毎週末開催する、中3受験生対象『OPINION TRAINING(意見練習)』
いよいよ本日から始まりました。
本日は、「首相公選制にすべきである。賛成か、反対か。」でした。
自民党の新総裁が決まり、日本憲政史上初の女性総理が誕生するかと思いましたが、公明党が連立から離脱することになり、政権交代が起こるのか、にわかに騒々しくなってきました。
そこで、総理大臣の決め方について、国民がどうかかわれるのかを考えたいと思います。
さて、生徒たちの意見です。
有権者の政治に対する関心と、政権選択への意識を高めることができる。
党内や派閥の意向に左右されにくくなり、首相の強いリーダーシップを発揮できる。
国民に対して直接説明責任を負うことになり、政治の透明性が高まるから。
大胆な改革が可能になる。
立法機関としての自律性が高まる。
官僚制に対する、上からの統制強化。
国民の意見を直接反映することができる。
政党の有利・不利によって結果が左右されなくなる。
国民が首相を選ぶ権利を持つことができるので、政治に対する関心を高めることができる。
より多くの国民の支持を持って、行政の正当性が高まる。
密室政治で首相が決まることなどが減るので、国民の政治への不信感が減る。
国民の意見に合った政治にしやすくなる。
個人の能力で選ばれるので、少数の党の人や優秀な人を選べる。
政治的なリーダーシップが強化される。
国民の直接投票で選ばれた首相は国民の明確な信頼を得ているから。
国民が選ぶため、政治への関心度が上がる。
国民が直接首相を決められるので、政治に興味を持つ人が増えて若い人の投票率が上がる。
実力がある人が選ばれやすくなる。
国民の意見が反映されやすくなる。
国民の声が直接反映されるから、政治に関心を持つ人が増える。
大きな政党ではない小さな政党の、良い考えの人が首相に選ばれる可能性が上がる。
首相の力が強くなる。
国民が直接決めるため、政治への関心が高まりやすい。
多くの国民に選んでもらうための幅広い世代に向けて政権公約がつくられる。
公約を実行する責任が大きくなる。
※賛成・反対各意見の数の違いは、同意見をまとめた結果です。
『賛成・反対意見の強い・弱い』とは異なります。
首相の権限が強くなり、独裁的な政治につながる危険性がある。
議会が不信任決議をひんぱんに行う可能性があり、政権が不安定化する。
個々の候補者の資質や人気が重視され、政党本来の役割や機能が弱まる可能性がある。
国民が投票するに足る客観的な情報が適切に提供されるかどうか、懸念が残る。
首相が属する政党が国会では少数派だと、首相と国会の間にトラブルが起こる可能性がある。
国民が冷静な投票ができるかどうか、懸念が残る。
国民の人気を得るために老人向けの政策が多くなる。
憲法第67条で国会指名が規定されていて、公選制を導入するには、憲法改正をする必要がある。
イスラエルで導入した結果、小政党乱立や分割政府などで政治が不安定になる。
首相と国会が対立してしまって、政治が滞る恐れがある
国民の人気投票になってしまう恐れがある。
憲法を改正する必要があり、手間がかかるから。
国民からの人気だけで当選して、経験がない人が首相になる恐れがある。
首相の属する政党と国会の多数派政党が異なると、対立が起きやすく、政治が停滞する可能性があるから。
首相候補の知名度や人気が、選挙結果を大きく左右する可能性があるから。
首相の権力が大きくなり過ぎる。
世界で導入した国のすべてが失敗して、金のムダになってしまうから。
まじめの選挙に行かない人がいたり、冷静な判断ができるかどうかがわからない。
知名度で選ばれる可能性があり、人気投票になりやすい。
選挙コスト(時間やお金)が大きい。
首相と国会の多数派で考えが違うと対立が起きてしまう。
※賛成・反対各意見の数の違いは、同意見をまとめた結果です。
『賛成・反対意見の強い・弱い』とは異なります。
このトレーニングを通して、自分の意見を持つ習慣をつけ、また、自分との反対意見に対する理解も深めることで、さらに発信していく力になっていくことを期待しています。
当校では、いろいろなことに自分の意見を持つ、という練習を毎週土曜日に行っています。
今年度の参加対象者は、受験対策を受講している中3生です。
普段から意見を持つことに慣れていないので、ディベートではなく、その一段階手前です。
主題は、時事・政治ネタから身近な生活についての話題など、多岐にわたります。
あらかじめ意見を調べてきて、発表します。
ここで大事にしているのは、
会の結論として、賛成か反対かは決めない。
賛成意見と反対意見を両方調べてくること。
挙手制ではなく、全員発表する「指名制」。
私自身の個人的な意見は言わない。
ということ。
意見を戦わせることが目的ではなく、「自分の意見を持つこと」が目的ですから、勝ち負けではありません。
また、私が個人的な意見を言ってしまうと、大人の意見であり教師の意見ですから、生徒の意志を左右させてしまうことにもなります。
いろいろな意見を聞いて、自分の意見もどんどん変わっていい。
意見が変わるのは知識を得たからであって、成長している証拠。
これによって、さらに自分の知識や意見が深まっていきます。
生徒がいろいろな物事に対して、いい意味で「意見を気軽に持つ」ことに慣れていってほしいと思っています。