憲法第9条を
改正すること
について
2023/11/12
毎週末恒例の、中3受験生対象『OPINION TRAINING(意見練習)』
本日は、「憲法第9条を改正すべきである。賛成か、反対か。」でした。
公民を習い始め、憲法を勉強している中学3年生。ロシアのウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナの問題で、『世界平和』ということが身近になってきた現在、日本の立場としてどうあるべきかも踏まえて考えてみたいと思います。
さて、生徒たちの意見です。
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自衛隊違憲論争に終止符を打てることができ、さらに防衛政策を巡る様々な解釈をスッキリできる。
日本の防衛政策の原則をなくせば、米国との同盟をより確かなものにできる。
軍を持つことは主権国家として当然の権利なのに、占領軍から9条を押しつけられたため、それを正す。
海外で日本人のテロリストの人質などになった場合に、自衛隊が救出に動ける。
自分の国は自分で守るという姿勢を世界に示せる。
アメリカの言いなりにならずに済む。
国連を中心とする軍事行動にも参加できるようになる。
平和というものは、とても抽象的なものであり、一人一人考えが異なるため、今よりも具体的に国が考える平和とはどのようなものなのかを明記し、日本がどんな国でありたいのかを具体的に示すべき。
憲法を改正することで、国民の関心が憲法に向き、日本の政治やこれからについて考えてもらうきっかけができる。
憲法は国の最高法規であり、時代に合わせて改正していかないと、日本や国民の安全を保障できないから。
※賛成・反対各意見の数の違いは、同意見をまとめた結果です。
『賛成・反対意見の強い・弱い』とは異なります。
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太平洋戦争での惨劇や人権の侵害、そして唯一の被ばく国である日本は、戦争への深い反省と未来の平和のために戦力を持つべきではないから。
もし改正すると、中国やロシアなどが抗議してくる可能性があり、そこで関係が悪くなってしまう。
平和主義は日本国憲法の基本原理の一つであり、もし軍を持つとすると、矛盾が生じるから。
唯一の被ばく国として、世界に平和を訴えるべき。
軍を持つと、同盟国の戦争に巻き込まれる危険性があるから。
改正して徴兵制度が復活する可能性があり、若者が戦争に参加してしまうことによって、少子化問題が深刻化になるから。
憲法が公布されてから、今まで変えてこなかったのは、何か理由があるから。
憲法第9条は日本の土台ともいえる決まりであるため、憲法改正により、一時的に土台が崩れるのは、不安であるため。
問題提起されている部分が多くあるため、改正が確定するまでに長い時間がかかると予想されるため。
日本がアメリカの同盟国として、踏み込んで軍事的な役割を担うようになれば、アメリカがかかわる戦争に直接関与せざるを得ない事態が出てくる。それを受けいれる合意が、国民の間にあるとは思えない。
自衛隊の集団的自衛権は、不戦の誓いを具体的に支えるものなのに、それを撤廃すれば戦後日本の基本軸があいまいになり、周辺国の不安を招き、地域の緊張要因になる恐れがある。
軍事費や安全保障にかかわる費用が増大する。
※賛成・反対各意見の数の違いは、同意見をまとめた結果です。
『賛成・反対意見の強い・弱い』とは異なります。
このトレーニングを通して、自分の意見を持つ習慣をつけ、また、自分との反対意見に対する理解も深めることで、さらに発信していく力になっていくことを期待しています。
『Opinion Training(意見練習)』とは
当校では、いろいろなことに自分の意見を持つ、という練習を毎週土曜日に行っています。
今年度の参加対象者は、受験対策を受講している中3生です。
普段から意見を持つことに慣れていないので、ディベートではなく、その一段階手前です。
主題は、時事・政治ネタから身近な生活についての話題など、多岐にわたります。
あらかじめ意見を調べてきて、発表します。
ここで大事にしているのは、
会の結論として、賛成か反対かは決めない。
賛成意見と反対意見を両方調べてくること。
挙手制ではなく、全員発表する「指名制」。
私自身の個人的な意見は言わない。
ということ。
意見を戦わせることが目的ではなく、「自分の意見を持つこと」が目的ですから、勝ち負けではありません。
また、私が個人的な意見を言ってしまうと、大人の意見であり教師の意見ですから、生徒の意志を左右させてしまうことにもなります。
いろいろな意見を聞いて、自分の意見もどんどん変わっていい。
意見が変わるのは知識を得たからであって、成長している証拠。
これによって、さらに自分の知識や意見が深まっていきます。
生徒がいろいろな物事に対して、いい意味で「意見を気軽に持つ」ことに慣れていってほしいと思っています。