けいはんなプラザ*が1993年にオープン際、前庭に設置された日時計。 (*京都府相楽郡精華町にある関西文化学術研究都市の中核施設) 針は長さ約35m、チタニウム製、文字盤の面積は約3870㎡、 世界最大の日時計としてギネスブックに記載されている。
平成2年〜3年「モニュメントを含む前庭広場」国際設計競技において、26カ国、305件(日本189件、海外116件)の応募があり、一等当選作品の箕原真氏の作品が建設されました。日時計を造形のキーワードとしたシンボリックな彫刻性と、ダイナミックに空間性を統合した広場。
私達が最初に作品と出会ったのは、出張先でたまたま入ったコンペティション入選作品の模型展示会場でした。「日本人もこんなものを作りだせるんだ」と驚きました。。それから数日後、新聞でもこの模型の記事を見かけ思い出していたころ、偶然にも設計士と会える話が舞い込んで来たのです。すぐにパネルの取付けアイディアをサンプルにし、それを抱えて設計士に会いに行きました。 パネルサンプルを見た箕原氏も喜んでくれ、翌々日、今度は彼が工場を訪問してくれました。モニュメントのパネルは当初アルミが採用されていました。
全体の骨組みができた時点で日射の熱で伸縮が起こり針の35mの先端は一日を通して70cmも左右にぶれるという問題が発生していました。午前中は東からの日差しで振れ、夕方は西日の影響でまた振れる。このモニュメントは青緑色のレーザー光線を針中央の溝を通り針先の北極星に向けて発射する設計だったので大きな問題でした。
すでに工事は終盤に差し掛かっており、後はパネルを取り付けするのみの状況でした。 ブレが解決せぬまま後戻りもできず、チタンのパネルで挑戦してみよう! と皆の気持ちは一緒でした。 早急にチタンのパネルを制作し、取り付けました。 取り付け完了し、検査当日。 なんとブレがぴたっと止まったのです! チタンの熱循環の特性と空気層があるおかげです。 その場にいなかった私に箕原氏が現場から「無事に着きました」と電話をくれたのを良く覚えています。なんともドラマの様な結末。いや結果オーライというのでしょうか。 制作することにおいて、自信を持つ、確かなノウハウ、挑戦することは今でも私たちの制作スタイルの中に生き続けています。
レーザー光線 16年ぶりに復活!!
光線は装置の故障により十数年間、途絶えたままでしたが市民や企業による募金活動の結果、新しい装置の設置させることができたそうです。日時計から北極星をめがけて発射されていたレーザー光線の照射が再開! 東日本大震災からの復興のへの思いも込め、青緑色の光線は夜空に力強くまっすぐ放たれています。
レーザー光線
コンペティションでの模型写真
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