初うまぴょいまで

あと1時間-シーズン1-
各話あとがき

エイシンフラッシュの場合

初うまぴょいまであと1時間最初のお話です。メイショウドトウが出てきたらウマ娘やります、と言っていたところで、ちょいちょいシステムに戸惑って、エイシンフラッシュピックアップの時になんと2枚抜きしたことが、すべてのはじまりでした。特別移籍でだいぶいなくなってしまいましたが、めちゃくちゃエイシンフラッシュを育ててましたね。可愛すぎましたわフラッシュ。
作中のフレンチレストランは、かつて存在した吉祥寺の名店、芙葉亭をイメージしてました。最後のホテルはお城のラブホで有名な、ホテル目黒エンペラーです。タイトルはドイツのことわざで、いわゆるベストなパートナー、という意味合いのものとなります。割れ鍋よりはポジティブ。

シンボリルドルフの場合

幻の宝塚記念に出走していたら、というお話を元に作ってみました。実際は馬場不良で出走していなかったレースです。曇り空だったという部分も史実反映したつもりです。
シンボリルドルフを書くときに気をつけたのはアドレナリン型の恋愛傾向ではない、というキャラクター性です。一緒に居るとドキドキが止まらない、というのがアドレナリン型の恋愛ですが、シンボリルドルフは一緒に居ると安心できて甘えてしまう、というオキシトシン型の恋愛傾向であることを意識してました。実際、シンボリルドルフは甘えベタなので、甘えられてるというだけでその相手のこと、めちゃくちゃ好きだと思います。
最後のシーン、狂暴で格好いい笑みを浮かべてる会長が、実は一番のお気に入り。

サイレンススズカの場合

こちらもIFベースのお話。サイレンススズカがBCターフに出ていたらというお話ですね。作中に出てきたNURAは完全にオリジナルの団体です。元々は全米サラブレッド競馬協会(National Thoroughbred Racing Association)となります。このお話を書くためにいろいろ調べましたが、アメリカ的にはダートの方が格式が高い様ですね。ほぼ全てのレースが左回りだったためにサイレンススズカが全米挑戦を目指す、というのは分かったのですが、日本のダートのイメージだとアメリカで走れないんじゃないかということで固めの土であるところも想像です。実際のところどうなのかはいずれ知っていきたいな、と。ターフトリニティのその後は、書き下ろしになりますね。

グラスワンダーの場合

グラスワンダーといえば茶道、というところで考えた際に、如何しても雪と一畳半の茶室ネタをいれたくて書いたところがあるお話です。無理に茶室を登場させてます。タイトルは雪中松柏(志や節操、主義を決して曲げないことのたとえ。植物の松や柏の葉の色は、雪が降っても緑色のまま変わらないということから)をもじって衝迫(心を突きゆすって迫る強い欲求)を組み合わせています。
一畳半の茶室は【利休にたずねよ】のネタですね。作中において、とってもエロティックな空間だったので、是非ともいれたかったのです。ちなみに鈴蘭水仙の花言葉は「純潔」。その花弁が想いを込めた練茶で染まるということは……

アグネスデジタルの場合

ウマ娘界のおまいら、ことアグネスデジタルのお話。作中に出てくるお宿は、惜しくも閉店してしまった東京お台場大江戸温泉物語の宿泊プランで止まれる和室をイメージしてます。有明のオタクたちの清潔を支えた施設ですね(過言)。最近ですと男性向け成人同人作品でよく「アフターは肉の六時間」みたいなことが言われて、いろんな意味での肉欲を満たしてる、みたいな風潮がありますが、そういう観点でなく、どちらかというと理解ある彼くん、というのを意識して書いています。
アグネスデジタルで艶っぽくするのは楽しい反面、不評かな……? と不安もあったお話でしたが、蓋を開けてみるといろんな方から「結構好き」と仰っていただけるお話で嬉しかったです。

スーパークリークの場合

マミークリークが出たことで急遽差し込んだスーパークリークのお話しです。もうなんというか極々ベーシックに甘えたい同棲おかえりなさいシチュで書いてみました。余りに甘すぎて、つい遊び心で文章の中に黒棺パロを差し込んでいます。冊子改敲に伴ってハートマークを付与しました。
甘々いいこいいこで、本編ですでに「こんなんうまぴょいしとるやろ……(cvタマモ」だったので、それに負けないぐらい甘く甘くするのが大変だった記憶ですね。でもあんなに甘えてくださいね、なんていわれたら、あれぐらい暴走しちゃうぐらい、世の男の子だって大変ですよね。

キングヘイローの場合

キングはいい女です。マジでいい女です。なので一番難産でした。
一流の流儀が語れる程の女にふさわしい一流の男となると、プロフェッショナルな故に、男女の関係になり得ないのが個人的に明白でした。一流と一流のままでは、とてもうまぴょいしてくれなさそうだったので、引退という前提をもって描くようにしています。お酒飲める設定にしたのも、実際の史実で引退することになる6度目の有馬記念の段階で馬齢6歳、人間で言うところの25歳前後というところから、さすがに飲めるでしょ、と踏んで書いています。シングルカスクはウィスキーの中でも特上品という意味合いで出していますが、実際に帝国ホテルの作中登場のバーでオリジナルのシングルカスクがあって飲めるようですね。行ってみたいものです。

ナイスネイチャの場合

このお話自体はかなりスムーズにできました。というのも、この作品のもう一つの元ネタである「初情事まであと1時間」の冊子1巻収録作にある幼なじみの二人のお話をベースに書いているところがあるからです。とはいえ、トレーナーとナイスネイチャは幼なじみではないのでそのままはつかってません。どちらかというとケチャップの件ぐらいなものです。ナイスネイチャのかわいいところといえばひねたところなのと、トレーナーの真っ直ぐすぎるところにちょろくなっちゃうところかなーということで視点を変えています。なおこのネイチャ、最後の有馬でブライアンを下しているので相当に強いです。愛の力は偉大。

ダイワスカーレットの場合

全トレーナーの一番の女、ことダイワスカーレットのお話です。少しかかり気味、という表現にしましたが、育成シナリオの時点で「こいつら、普通にうまぴょいしているのでは……?」というレベルで信頼感が強すぎるのと、ダイワスカーレットの発育が良すぎるので、なんというか……幻の有明女王という感が拭えませんでしたね。素直なツンデレは健康にいい、いつかガンにも効く。
ダイワスカーレットに関しては少し書き足りなかったなと思うところもあるので、いつの日か、また挑戦してみたいところです。

EX エイシンフラッシュの場合

エイシンフラッシュのお話、まさかまさかのEXレースで次ウマぴょいまであと1時間です。こちらはエイシンフラッシュのお話以降、ご希望頂いておりました「その後」の話として考えていたものです。初うまぴょいまであと1時間というお話の都合上、こうした冊子にまとめるなどの方式でないとなかなか繋がりが意識できないので、基本的には冊子にだけまとめていくことにしようかと思っています。因みに、タイトルのEinmal ist Keinmalの意味は一度はものの数に入らない というもの。次のうまぴょいまであと1時間にふさわしく「もっと」という意味を込めてます。邦題のほう、小さな電気は消さないで はファイアー・ボールのネタですね。

EX2 エイシンフラッシュの場合

よもやよもやのEX2。卑しかハロウィーンエイシンフラッシュのお話です。エイシンフラッシュのハロウィーンボイスが余りに誘い受けに過ぎたので、思わず書いてしまいました。基本的にこのお話は情動で書いていますが、ご好評いただきましたアグネスデジタルも入れたお祭り要素のお話でもあります。エイシンフラッシュのお話は基本的にドイツ語のことわざから取っていますが、このドイツ語のことわざはMitgegangen, mitgefangen すなわち「共にいたものは共犯者である」というもの。一蓮托生、的な意味ですが、これは魔女、共犯者……というところから察した方もいるかもしれない、コードギアスネタです。