環境に優しい視点
映画『HAPPY SANDWICHI』〜幸せのサンドウィッチ〜 を ”環境にやさしい視点” で まとめました
『今の暮らし方で良いのか?』と自問自答した結果、古民家での生活を始めた満名匠吾さん。
映画撮影 (2021〜)前に始まった暮らしは、今(2025)も続いています。薪で料理を楽しみ、部屋にクーラーはなく、電気の使用も最小限に抑えています。
満名さんは、懐かしさと新しさが共存する古民家での暮らしを実践しています。
パックではなく 削り節
植物で作られた かご
サンドウィッチも葉っぱにくるんでお供え
三浦大樹さんは、ミツバチを「自然の先生」と呼び、私たちも自然の一部だと感じさせてくれる養蜂家です。
ミツバチは、自然の力で農作物の受粉を助ける重要な役割を担っています。多くの野菜や果物は、花粉がおしべからめしべに運ばれて受精することで実をつけますが、この花粉を運ぶのがミツバチなのです。
近年、農薬の使用や環境の変化によって、野生のハチや昆虫が減少しています。そのため、自然の力だけでは作物の安定した生産が難しい地域も増えてきました。このような状況で、養蜂家が管理するミツバチは「受粉の担い手」として、農業に欠かせない存在となっています。特に、外部の昆虫が入りにくいビニールハウス栽培では、ミツバチの導入が重要です。
人間が引き起こした行為によって自然のバランスが崩れていることを知るのも大切なことです。
仲村茂樹さんは、祖父からの「大切なメッセージ」を胸に、現代に合ったやり方で漁業の道を切り開いています。
魚を獲りすぎると、魚自体が繁栄できなくなってしまいます。さらに、海の環境が壊れてしまえば、美しい海や豊かな魚を次世代に残すことができません。仲村さんは、持続可能な漁業の重要性を深く理解し、実践しています。
また、映画では紹介されていませんが、現代では冷凍技術や運輸業の発展により、地元の魚が地元で消費されにくいという現実も知ってほしい、と語っていました。
ヴィーガニストの齋⽥ 実美さんは、「お肉を食べるのをやめてほしい」と訴えているわけではありません。彼女が伝えたいのは、消費される家畜や畜産のあり方が環境に与える影響について、少しでも知ってほしいということです。
私たちが口にする食材がどのようにして作られているのか、そして私たちに必要な栄養素は何なのか。
**「食べることの意味」**について問いかけています。
瀬良垣 朱⾥さんと眞栄⽥ ミエ⼦さんのやりとりでみる「ゆいまーる」という分かち合いの文化は、「自分だけのもの」という考え方を越えたものです。
全てを互いにシェアすることが前提にあるため、食べ物や住む地域のことなど、あらゆる事柄が「お互い様」という考えにつながります。
もし「自分だけが良ければいい」という利己的な考え方になってしまったら、地域の環境や地球全体の環境はどうなってしまうのでしょうか。
私たちは今一度、分かち合うことの大切さを再確認していく必要があります。
不耕起栽培という古くて新しい農法で、自然農園を営む益田航さん。
彼は、せっかくある森の環境を壊さずに作物を植えるという、一見風変わりな方法を実践しています。しかし、この方法は実は理にかなっています。すでに健全な土壌環境が成り立っている土を、あえて掘り起こす必要はないという考えに基づいているからです。
こうした農法は、時間に余裕がないと難しいと思われがちです。しかし、そもそも私たちは、なぜこれほどまでに時間に追われるようになってしまったのでしょうか。
農家の高齢化や担い手不足が進む中、地域を活性化させながら農業を継続していきたいと考える具志堅興児さんのような人がいます。
この活動が重要なのは、耕作放棄地が増えることで、深刻な問題が引き起こされるからです。
放置された農地は、雑草が繁茂し、イノシシやシカといった野生動物の住処になりやすくなります。その結果、近隣の農作物を荒らす被害につながる可能性があります。
また、適切に管理されていない土地は土壌が痩せてしまい、大雨による土砂崩れや洪水といった自然災害のリスクも高まります。
イタリア料理のシェフだった上江田崇さんは、沖縄の郷土料理へと目を向け、さらにフードロスといった食の課題にも取り組んでいます。
彼は、店舗にとどまらず、**「食を未来につなぐ」**ための活動を続けています。
上江田さんは、地産地消や文化伝承を大切にしています。その一つとして、地域とつながるマーケットを主催するなど、沖縄の豊かな食文化を未来へと継承するための活動に力を注いでいます。
琉球料理伝承人の知念伽央梨さんは、単に料理を伝えるだけでなく、食文化全体を大切にしています。
彼女は、食卓を彩る漆器などの器や、行事食にも力を入れています。琉球料理では器も重要な要素です。今では高価に感じられる器も、大切に使い続けることで次の世代へと受け継ぐことができます。
使い捨ての容器は、一つひとつは安くても、積み重なれば大きな費用になります。一方で、価値あるものを長く大切に使うことは、経済的な合理性にもつながるという考え方が、知念さんの活動の根底にあります。
ハル姐さんが語る「大繁盛」には、深い意味が込められています。
それは単に経済的な成功を指すのではなく、「今ある豊かな自然が守られ、そこに人々の知恵が集まり、やんばるの地域全体が繁栄していくこと」を意味しています。
さらに、その場所を訪れる人々が、本来の自分らしさを取り戻していくような、心豊かな循環が生まれることを、神様からのメッセージとして伝えています。
プロデューサーコメント
『やんばるへのリスペクトから生まれたこの映画は、今あるものへの感謝と、これ以上この地域が壊されないでほしいという願いを込めて制作しました。
このやんばるの美しさを継続していくためには、そこに住む人々が、当たり前にあるこの地域の素晴らしさを再認識することが最も重要だと感じています。
そのため、映画には、地元の人々が日常的に触れている「当たり前の風景」が数多く登場します。また、この土地に魅せられて移住してきた方々の声も収めました。外から来た人だからこそ気づく、やんばるの良さも感じていただけると思います。
結果として、この映画はブルーゾーン(健康長寿のヒント)やSDGs(環境課題)といった、現代的なテーマにも深く通じる内容となりました。
未来は、私たち一人ひとりが何を意識して生きるかで大きく変わります。この映画が、ご覧になった方々の「これからの生き方」のヒントになれば幸いです。』
大朝將嗣 & まりあ