登場人物
男
設定は演者の自由にお任せします
女
設定は演者の自由にお任せします
配役表
男:
女:
-通話の着信音が鳴る-
女
「もしもーし」
男
「おー」
女
「おかえりー」
男
「ただいまー」
女
「お疲れですなー」
男
「お疲れですよー」
女
「ふふ、私が癒してあげよう」
男
「んー?既に癒されてる」
女
「ふぇ?」
男
「声聞けたから疲れ飛んだ」
女
「……そっか」
男
「……照れてる」
女
「照れてない!」
男
「はいはい」
-女側からゲームをしている音がする-
男
「何してんの?」
女
「音ゲー」
男
「ふぅん」
女
「新しいイベント来てるんだよ!」
男
「おー、頑張れ」
女
「頑張る!あ、音うるさくない?大丈夫?」
男
「大丈夫。俺もゲームしよ」
女
「またいつものですか?」
男
「いつものですよー?」
女
「真夜中の平和な通話が銃撃戦の戦場に早変わりですかー」
男
「そうでもなくね?」
女
「かなり聞こえてますけど?」
男
「まじか」
-ゲームの起動音-
男
「お金集めしなきゃいけないんですよねー」
女
「金策?」
男
「そうそう。お、このクエスト儲かるじゃん」
女
「おー」
男
「よっしゃ、いっちょしばくかー」
女
「おー」
-暫くして-
男
「だぁ!PKされた!」
女
「チッ」
男
「……舌打ちされた」
女
「違うよ!?フルコンボ決められなかったから!てかごめんね。
譜面難しくなるにつれて口数少なくなって」
男
「別にいいよ。気にしてない」
女
「うん」
男
「あ、てか俺の方もイベント来ててさぁ」
女
「うん」
男
「ちょっと金掛かったんだけど、この銃最高」
女
「へぇ」
男
「マシンガンみたいにビーム飛んでく」
女
「(笑いながら)なにそれ」
男
「SFに出てくるみたいなやつ」
女
「あぁ、イメージつくわぁ」
男
「先端が輪っかみたいになってて、銃弾の当たり判定は狭いんだけど着弾したら衝撃波が出て吹き飛ぶ」
女
「(爆笑)なにそれ!」
男
「車とか人間とか軽い遮蔽物(しゃへいぶつ)なら簡単に吹き飛ばせる」
女
「こっわ」
男
「使い勝手いいよこれ。金痛かったけど、クエスト回して金策すれば儲けもん」
女
「なるほどねぇ」
男
「いってぇ!」
-男側のゲーム音声「Are you OK?」と聞こえる-
女
「(爆笑)Are you OK?って!」
男
「Are you OKじゃねぇんだよぉおおお!くたばれぇ!」
女
「(爆笑)ゴンッて聞こえて、Are you OKって」
男
「車にぶつかって吹き飛んで地面に叩きつけられてるの見てAre you OKって、大丈夫な訳ねぇだろうがぁあああ!」
女
「(爆笑)凄い、銃撃音が」
男
「ったく」
女
「あー、今の最高ですわ。今日の通話MVPですわ」
男
「吹き飛ばしてやった」
女
「お可哀想に」
男
「はぁ、PKされるしNPCに轢かれて殺されかけるし」
女
「散々ですね」
男
「ほんとだよ」
-また暫く無言が続く-
-それぞれ好きにゲームしながら独り言でもどうぞ-
女
「てか、寝なくて大丈夫なの?」
男
「んー?大丈夫。今日休み」
女
「そっか。ならよかったぁ。あ、そういえばねー?」
男
「んー?」
女
「シャンプー変えたんだー」
男
「へー」
女
「愛用してるシリーズの新商品だから手出しちゃった」
男
「……前の方がいいけど」
女
「え?」
男
「前のシャンプーの香りの方が俺は好き」
女
「……そっかぁ」
男
「うん」
女
「使い終わるまで我慢して?」
男
「うん」
女
「ていうか、会ったのかなり前なのにシャンプーの香り覚えてるとかどんだけよ」
男
「いや、好きな香りだったし」
女
「ふぅん、そっかぁ」
男
「うぉ!こわっ!」
女
「(笑いながら)今度はなに」
男
「目の前から黒人が靴もズボンもコートも黒で歩いてきてびびった」
女
「(爆笑)それ言ったら、あんただって前会った時全身黒ずくめだったじゃん」
男
「そうは言ってもよ?黒ずくめのレベルよ!」
女
「(爆笑)あー、お腹痛い」
男
「笑いすぎ」
女
「だってぇ!」
男
「はぁ、疲れた。休憩」
女
「お疲れー」
男
「おー」
女
「私も休憩。んー、疲れたぁ」
男
「お疲れー」
女
「ありがとー」
男
「あー、どうすっかなぁ。コンビニ行こうかなぁ」
女
「お、いいですねぇ。なに買いに行くのー?」
男
「んー、適当」
女
「適当かぁ」
男
「とりあえず飲み物」
女
「おー、行ってらっしゃい」
男
「行ってきます」
-ミュートになる-
女
「さて、どうしようかなぁ。帰ってくるまで待つかなぁ。
……てか携帯置いてコンビニ行ったのかな?それともイヤホン外して行ってる?
……大好きだよー。めっちゃ好き。愛してる。
……やだ、恥ずかし!何言ってるんだろう私!
お願いだから聞いてませんように!」
-メッセージが入ってくる-
女
「うわ!びっくりしたぁ。なに?デザート、レアチーズケーキと抹茶シュークリームどっちがいいかな?
うーん、レアチーズケーキ、と」
-メッセージを返す-
女
「あ、抹茶の方がよかったかなぁ?んー、まぁいいかぁ。とりあえずゲームして待ってよう」
-中々帰ってこない-
女
「……いくらなんでも遅い。コンビニすぐ近くになかったっけ?
まさか、事故や事件に巻き込まれたとかだったらどうしよう……」
-通話のミュートが外れる-
男
「あのさ」
女
「うわっ、ビックリしたぁ。どうしたの?」
男
「んや」
女
「なんか事故とか事件に巻き込まれたのかと思った」
男
「それは大丈夫だよ」
女
「よかった。あれ?じゃあなんでこんな遅いの?」
男
「ちょっとさ」
女
「ん?」
男
「ドア開けて?」
女
「え?」
男
「家のドア」
女
「ドアって?」
男
「だから、お前の家の玄関ドア」
女
「……え、ま、待って!すぐ開ける!」
男
「おー」
-通話を切る-
-玄関に行きドアを開けると目の前に男がいる-
男
「お前が、好きとか愛してるとか言うから会いたくなった」
女
「聞いてたの!?」
-抱きしめる-
女
「わっ!」
男
「あー、久しぶりに抱きつけた。ぁ、ほんとだ。シャンプー違う」
女
「変えたって言ったじゃん」
男
「うん。こっちの香りもいいけど、前のも好き」
女
「だからシャンプー戻すって」
男
「いいよ。新しくしたシャンプーの香りが分からなかったからああ言ったけど、嗅いでみてこっちもいいなって思ったから」
女
「……そか」
男
「……照れてる」
女
「照れてない!」
男
「照れてる。通話でもバレバレだけど、会ってるんだから余計に分かる。耳まで赤い」
女
「うるさいー!久しぶりすぎてどういう顔していいか分かんない」
男
「いつも通りでいいよ」
女
「うん」
男
「とりあえず、デザート買ってきたから一緒に食べよう」
女
「あぁ、そういうこと」
男
「(あくび)うん」
女
「眠いんじゃん」
男
「お前の顔見たから。食べたら寝よう?」
女
「ふふ、うん」
男
「なんだよ」
女
「べつにー」
男
「はいはい」
女
「あ、暖かい飲み物持ってくるね!」
男
「うん。あ……」
女
「ん?なにー?どした?」
男
「会いたかった。大好き」
女
「(恥ずかしがりながら)うん」
男
「お前は?」
女
「言わなくても分かるくせに!」
男
「くくっ」
女
「うー、私も会いたかった。大好き」
男
「素直でよろしい」
女
「うぅ、私とくっついて寝る刑に処す」
男
「喜んで?」
幕