ハマスゲ Cyperus rotundus L. カヤツリグサ科 Cyperaceae
畑の雑草の王様「ハマスゲ」を紹介します。
ハマスゲは薬用植物で乾燥した根茎(塊茎)を「香附子(こうぶし)」といいます。「香りがある地下茎に附属する子根」という意味でしょうか。トリカブトの附子を想像しますが全く違う植物です。
薬用としては、婦人科領域、健胃などに用い、漢方薬では虚弱な方の風邪の諸症状に用いる「香蘇散(こうそさん)」など19処方に配合されます。中国では、莎草(さそう)といい、茎葉を用い、効能:気を巡らし、鬱を緩和、風を去るなどで、胸悶(胸がモヤモヤ)して気が優れない、皮膚の風痒(むずがゆい)を治すと言われています。
まず、4年前(2017年秋)のこと、数年放置してあった畑をお借りしました。その畑は30cm位の葉を伸ばしたハマスゲがビッシリと生えていました。草刈り機で除草しても、球根で増えるので、減りません。手作業で「篩で土とふるい分け」除くことにしました。植え付ける畝の部分を25cm位掘り、その土をふるい、最初40Lゴミ袋5個分位除きましたが、それでも小さい球根は土と一緒に落ちるので、95%位しか除去できません(今までに10袋以上篩って除いたかな)。また、一部に除草剤、防草シートなども試しハマスゲの70%位が3年で減ってきました。
隣のニンジン畑の方が、除草剤を一度うち、大型耕耘機で30cm以上の天地返しを行い、耕耘を繰り返すと大体が除けると、その大変さを教えて下さいました(鍬では20cm位がせいぜいです)
私には「草刈り機と鍬」しかないので、砂埃が立たない雨上がりの後(だいたい週イチで)に草刈り、少しずつですが減っていますが、まだまだです。さすがハマスゲは素晴しい生命力です。人もこの力を少しでも利用できればよいのですが。「ハマスゲ茎葉茶」でも作ろうかな。
自然界には分からないことだらけ、現場での経験で自然と付き合い、自然をやっつける農法ではなく、巧く付き合う農業が出来ればと試行錯誤の毎日です。
昨年12月から、1月に入り新しく借りた圃場の「ハマスゲ、スギナ、ヤブガラシ、ヨモギ(全て薬草)」の地下部の除草を始めました。一区画「11mx17m」の広さの圃場で、90%位を除草し、16列の畝を作るのに2ヶ月位かかりました(土も含み約50kgの地下部を除草)。お陰で「筋力がつき少し付き、体重も5kg ダイエット」(凄い)。土壌のpHを測定すると「6.8〜7.0」で殆ど中性、堆肥は入っていないので土のエネルギー状態が分からないまま、まず「播種、苗の植え付け」をしましたが、失敗続き、成功も少しですがあります。現在は全部で5区画を借りています。スイカを3個、若木を2本、大豆の新芽を「カラス」につつかれたり。しかし秋の収穫が楽しみです。今年植え付け伸びた地上部を草刈り機で小さく切り、鍬で耕耘、土に混ぜ込み、南阿蘇の草原の草を追加で混ぜ、来年の土作りをする予定です(良い加減に)。来年は少し成長が均一になるかな?? ボチボチと「筋力を少しでもUP、体力維持&リハビリ」を兼ねての作業が「楽しみです」。
2021年9月1日 矢原正治