「トミノメモ」要約

第37話 バロムの罠

ソロモン戦後、キシリアはマ・クベとバロムに連邦軍の追撃部隊の殲滅を命じる。マ・クベは特注していた剣技モビルスーツ・ギャンを受け取る。一方バロムはシャアと接触し、マ・クベの謀殺を持ちかける。

マ・クベとバロムは月近辺でホワイトベースに接触する。バロムはリック・ドム数機で強襲し、ガンダムをテキサスコロニーに誘い込む。刺し違える形でバロムは敗れるが、ガンダムにも損傷を与える。同じ頃シャアもララァとフラナガン博士を連れて、テキサスコロニーを訪れていた。


第38話 テキサスの攻防

テキサスコロニーでアムロは、ジオンに憎悪を燃やす遊牧民の少年カスバル・ベイリー(17)と出会う。カスバルはアムロに「いい軍人になる」とかけあい、同行する。

アムロのガンダムとマ・クベのギャン、そしてシャアの重火砲モビルスーツ・ゲルググが戦うが、シャアの罠によりマ・クベは命を落とす。

たぶんマ・クベ「私に似た俗物は、嫌いだ」

シャアはララァに「戦士になるのは戦いをなくすためだ」と語る。ララァは「自分の力をシャアのために使い、新しい時代を見たい」と返す。そしてシャアの命を受けたフラナガン機関は、NTのリストアップとサイコミュの最終テストに入っていた。


第39話 シャアとセイラ

キシリアは、指揮官を失ったマ・クベ隊をシャアに与えた。シャアはララァたちを脱出させるため、ジン・ライム曹長のリック・ドムと共に出撃する。ガンダムに敗北しジン・ライムは戦死。シャアもゲルググを失うが、ララァたちを逃がすことには成功する。

シャアはセイラと再会し、TV版と同様の会話を交わす。カスバル・ベイリーは金の入った小包を見つけ、セイラに届ける。


第40話 シャリア・ブル激進

兄との別れに落胆するセイラに、アムロは初めて興味を持ち話しかける。セイラもアムロを対等な相手とみなし、会話を交わす。

ギレンは木星帰りの男シャリア・ブルに「ガンダムを使いこなすNT」の打倒を命じ、シャアの元へ送る。シャリアはララァを通じて、シャアのザビ家への怨念と、ララァの傑出したNT能力を感じる。シャリアはブラウ・ブロで出撃しワッケインのマゼランを撃沈。アムロはシャリアとの戦闘で「戦士として初めて錯乱」し、「心をえぐるような戦い」の中、敵に「全く異なる人間」を感じる。アムロは辛くもシャリアを撃退する。

その戦いを見てララァは、シャアに「エルメスの完成を急がせてくれ」「あなたのお役に立ちたい」、「あの少年を超える自信はある」と語る。


第41話 ルナツー防戦

シャリアの死に驚愕したギレンは、月面基地グラナダを訪れキシリアに命令を下す。まずNT部隊を組成を急ぎ、ガンダムへ向けること。そしてキシリアは艦隊を率い、ルナツーに結集しつつある連邦艦隊を殲滅すること。キシリアは宇宙空母ドロスと3隻の戦艦グワジンを率い発進する。

ホワイトベースは「ルナツー近辺の暗礁空域に潜み、ドロスを撃て」と命令を受ける。同じ頃、キシリア艦隊から2機のグフを引き連れ、“勇将ダル”がモビルスーツ・“ガッシャ”で出撃した。隕石の影からこちらを狙い撃つガッシャの“山越えハンマー”にセイラたちは苦戦するが、アムロは「危機を予知」する能力を発揮し敵を撃破。連邦艦隊はドロスを殲滅し、キシリアは撤退する。

アムロは病室のセイラを見舞い、尋ねる。「セイラさん。あなたもNTなのですか?」


第42話 グラナダへの道(シャアの敗北)

シャアの金を、セイラはクルー全員と分けた。アムロはララァの呼び声を聞き出撃するが、エルメスを見て危険を感じ撤退する。そこをシャアのキケロガが“絶対的パワー”で襲う。ガンダムは追い詰められるが、土壇場で生還する。

そこにモスク・ハン博士が待っていた。彼はアムロの父テム・レイがジオンの捕虜になった際、命を落としつつも持ち帰った新技術・マグネットコーティングをガンダムに施す。その効果は絶大で、再度出撃したアムロはシャアのキケロガを撃破する。


第43話 グラナダ攻略

連邦軍はグラナダに総攻撃を仕掛ける。シャアはアッザムで出撃し、連邦のジム部隊の壊滅させる。ハヤトの活躍によりアッザムの弱点が判明。ガンダムは敵を撃退する。

追い詰められたキシリアはシャアに「仇討ちならば刺してみろ」と語る。知っていたのか?と驚くシャア。キシリアは「シャアを利用してギレンを討とうとしていた」と語る。シャアはキシリアを刺す。そしてララァに救出され、グラナダを脱出する。

「月が落ちた!?」ギレンは歯ぎしりする。デギンは和平を提案するが、ギレンはシャアが生還したことを知り、戦争の続行を決断する。


第44話 エルメスのララァ

グラナダを占領した連邦兵たちの間に恐怖の噂が広がる。「ラ・ラ」の声を聞き、MSパイロットが悶死している。アムロは「あのララァか?」と心惹かれ、出撃する。

セイラとミライはアムロの危機を感じる。ミライがブライトを説得し、セイラとカイ、ハヤトが出撃。セイラはガンダムのピンチを救うが重症を負ってしまう。アムロはビットを操るエルメスの本体を「月の地中」に発見し、向かう。――そこにはララァの凶暴が待つのだった。


第45話 遭遇!ララァ

地中深く、ガンダムはエルメスと対決する。二人の意識が調和し、合流する。“二人の戦いこそ人が超えるべき歴史”、“人は新たな人になる”。そして二人は謎の声を聞く。「力を示せ。その力を見て、次なる人は範とする」。これは神の声なのか?

そのときガルバルディに乗ったパッカデリアがララァに襲い掛かる。ギレンが送り込んだ半NTの少年で、シャリア・ブルの元部下である。

「ジオンにとってララァは裏切りとなる!」

「シャア大佐、ララァは危険です! 私には聞こえた、敵の少年と戯れ合うララァが!」

パッカデリアの「ガリアブ」にカイたちは翻弄されるが、一瞬の隙をつき撃墜する。

シャアは「ガンダムを倒すため力を貸してくれ」とララァに頼み、ガルバルディで出撃する。ララァは「あの少年は敵ではない、仲間なのに!」と衝撃を受けるが、シャアの頼みは断れない。三者の血みどろの争いが始まる。ララァはシャアを救うために命を落とす。


第46話 デギンの降伏

シャアは帰国し、ギレンに謁見する。ギレンはシャアのマスクを怪しく思い「どこかで会ったか」といぶかしむが、シャアはごまかす。ギレンは「パッカデリアらのNT部隊がやられた」「俗物の私にもわかる。これは、危険だ」と危機を語る。そしてギレンはシャアにNTの残存兵ダルダンとブラウ・ブロ、ジオングを託す。

月を偵察していたホワイトベースはグレートデギンと接触。なんとデギン・ザビ本人がホワイトベースへ乗り込み、和平交渉の席のセッティングを依頼する。ブライトはデギンの秘書クスコ・アルを見て恋に落ちる。そしてデギンは一目でセイラをアルテイシアと見抜き、「やむをえずダイクン一派を追放した」と語るが、セイラは「あなたは奴隷制度を復活し独裁をしいた」「父ジオンのやり方とは違う」と糾弾する。

そしてグレートデギンが連邦艦隊へ向け発進したとき、和平交渉を阻止すべく出撃したギレンの部下タブローのキケロガ部隊が襲い掛かる。今際の際、デギンは「もはやこれまで。アルテイシアよ、私を討て」と語り掛けるが、セイラは「私は兄とは違う」「私怨を晴らすことなど考えていない」と断る。グレートデギンは沈み、デギンも討ち死にする。ブライトはクスコ・アルを救出できたことを神に感謝する。


第47話 ジオン最終兵器を探れ

クスコ・アルを看病するブライトに、アムロは「あの人は危険だ」「スパイだと思う」と忠告する。ブライトはアムロの言葉を重く受け止め、警戒する。

そしてホワイトベースはジオン本国・サイド3の38バンチから無数に発進する、謎の宇宙船団の動きをキャッチする。アムロたちがその1つを追跡すると、数年前に放棄された古いコロニーに辿り着く。そこでは急な強制疎開に不満を募らせるジオン国民たちの姿があった。しかし誰一人その強制疎開の理由を知らない。

アムロたちは原因を究明すべく38バンチへ向かうが、強力な新MSガラバと戦闘になる。アムロはガラバを撃破し敵の大佐を捕らえるが、彼でさえ「ソーラ・レイ作戦」という名前以外何も知らなかった。


第48話 ジュピター船団を撃つ

シャアは「ゴラはダルダンより優れたNTだ」「ブラウ・ブロに乗せたい」と直訴するが、ギレンは「ゴラは戦闘員ではない」「シャリア・ブルに続く、指導者たりえる男だ」と言って断る。シャアはギレンを俗物だと感じる。しかしギレンはいつでも倒せる。仇討ちにこだわり、子ども(アムロ)に対して競争心を抱く自分をシャアは自嘲する。

ホワイトベースは2隻の連邦戦艦を従え、ジオンの木星船団を襲う。これを殲滅すればジオンの戦力を3分の1も減らすことができる。クスコ・アルはその作戦をジオン本国へ伝えようとして脱出するが、ブライトに射殺される。

ガンダムはダルダンのブラウ・ブロを撃墜する。ゴラはアムロにララァの再来を感じる。その恐怖がアムロに伝わり、彼の能力を開花させる。アムロは今やNTになりつつある。


第49話 ソーラ・レイ パートⅠ

シャア、ギレン、ゴラ。三者が顔を合わせた。ゴラは思わず「嘘だろ? キャスバル・ダイクン?」とシャアの正体を口に出してしまう。しかしギレンは動じず、シャアにガラバ、ゴラにジオングを与えて連邦殲滅を命じる。

ソーラ・レイが発動し、連邦艦隊の半分が消滅する。狂喜するギレン。シャアはホワイトベースへと急いだが、先に辿り着いたゴラがジオングでアムロと戦う。二人は未来予知を全開にして戦うが、ゴラは敗れる。その憎悪に満ちた思念を感じ、アムロは「これは人間のやることではない」「ララァとの間には調和があった」と感じる。


第50話 ソーラ・レイ パートⅡ

アムロはソーラ・レイの謎を解くため38バンチへ向かい、シャアのガラバと戦闘になる。シャアは「自分が俗物だからNT能力を開花させられない」と自覚するが、技量でアムロと渡り合う。二人の間には、共感があった。

ソーラ・レイの第2射が連邦の残存兵力、そしてレビル将軍を一瞬にして消す。アムロは絶叫し、シャアも動揺する(ソーラ・レイのアイディアは、シャアがギレンに提供したものである)。その隙をついてガラバは破壊されるが、シャアは生き延びる。


第51話 ジオン殲滅 パートⅠ

瀕死のシャアはギレンと会話する。ギレンは「仇討ちをするか?」と尋ねる。シャアは「しない。あなたを討つのはアムロ・レイだ」と答える。ギレンは「NTのような口を利くな」と制し、ソーラ・レイのアイディア提供の報奨として二階級特進、シャアを中将に命じる。シャアはギレンにソーラ・レイのアイディアを語ったことを強く後悔する。

連邦軍の残存兵力は、レビル将軍が残した最後の命令「総突撃」を受けて突撃を開始した。激戦は要塞都市ア・バオア・クーへもつれこむ。ギレンも出撃する。圧倒的勝利をすべての人類に見せつけることで、戦後の階級制度の確立に役立てるために……。

アムロは「指導者を討たなければ戦いは終わらぬ」と理解していた。そして無数の敵を沈めつつ叫んでいた。「敵はギレンだけなんだ!」。アムロの真の部下になりつつあったカスバル・ベイリーが命を落とす。


第52話 ジオン殲滅 パートⅡ

追い込まれたギレンは呟く。「NTを甘く見すぎた」。アムロはギガン(MSと砲塔のあいの子)と戦って大破したガンダムを降り、走った。気づけば隣をシャアが走っていた。「君との決着は後だ!」。ブライトの姿もある。セイラとミライも加わり、アムロと3人でララァの声を聞く。

「アムロ。遊びたいわ」
「遊ぶために戦うのか! ララァ!」

そしてアムロはギレンと対峙する。

「アムロ・レイか。しかしもう遅い。ア・バオア・クーは自爆する」
「1分30秒後にか?」
「よくわかるな、NT」

アムロの銃撃がギレンを倒す。しかし親衛隊の銃がアムロを襲う。アムロは倒れ、叫んだ。

「ギレン・ザビは死んだ!」「逃げろ! ア・バオア・クーは爆発する!」

苦しみの中、アムロは再びララァの声を聞く。ララァは「アムロなら仲間たちに逃げ道を教えてあげられる」と語る。アムロは「僕とララァで見たものを、みんなに見せてあげなければ」と思い、仲間たちに語り掛ける。ブライト、ミライ、フラウ……。

「僕の好きなフラウ! 頑張ってくれ、ホワイトベースへ戻るんだ」

フラウは起き上がり、カツ・レツ・キッカを連れて脱出する。

「カイ! ハヤト! 死んじゃうぞ、立つんだ!」

カイとハヤトは立ち上がり、走る! アムロは語り掛ける。

「リュウさん! これで大丈夫ですよね」

シャアは「アムロくんが呼んでくれた」と言ってセイラを助ける。そしてシャアはセイラに「一人で逃げろ」「自分はもうダメだ」と告げる。「アムロくんに伝えてくれ、いい少年だと」「アルテイシア、いい女になれよ」「もう頑張らなくていい。いい時代が開ける」……、シャアは最後にそう語る。そして二人は別れる。

アムロは全員を脱出させる。そしてララァの声がアムロを脱出させる。ボロボロのガンダムで翔び、ホワイトベースから歓声が上がる。ア・バオア・クーが爆発する。

全員脱出できた。この仲間たちは、今、アムロとララァが見た新しい世紀へ向けて出発する。人は、種の改変期を迎えつつあるのだ。時、宇宙世紀0080!

「ララァ。君はどんな女の子なんだ?」
「これから、もっとわかるよ。アムロ」
「ララァ。遊ぼうね、明日……」

宇宙世紀0080年、1月3日。地球連邦政府とジオン共和国との間に、和平交渉が成立した。