前回,日本のシステム事情を紹介したと思います.なので今回はちょっとマニア向けに海外のシステム事情を書いていきたいと思います.
まず,日本の流行システムのコラムと海外のグラフでは全くと言っていいほど共通の点が無いということがよくわかると思います.これは日本のTRPGが独自の進化,ガラパゴス化を遂げた影響であると言えるでしょう.
日本におけるTRPGの歴史はアニメ,ゲーム雑誌『コンプティーク』の記載のダンジョンズ&ドラゴンズリプレイ『ロードス島戦記』から始まりました(所説アリ).これはソードワールドへと繋がり,今に至っています.つまり,日本のTRPGとはテーブルゲームというよりはアニメや漫画の延長戦にあると言えるでしょう.なので日本のTRPGは海外の方からこう言われます.
『日本のTRPGはアニメみたいで面白いね.』
海外に目を向けてみるとダンジョンズ&ドラゴンズの原点である指輪物語の影響が強く残っていることがわかります.シーン性などなく,キャラクターが世界の中で泥臭く生きているシステムが多いのです(スターウォーズとかマーベルヒーロー物とかありますけど…).遊んでいる方も日本に比べて年齢層が高いように感じます.
時には話術を用いて,時には魔法を用いて,時には武力を用いて難題に挑むファンタジーTRPG界の老舗.現在はその5版が販売されています.
プレイヤーズ・ハンドブック,モンスター・マニュアル,ダンジョンマスター・ガイドの3冊で構成される基本ルールブックを元に,独立した世界観をDM(一般にGMのこと)が好きに設定することができるのが魅力です.もちろん,公式が提示する世界観もありますが,それも選択の一つでしかないのです.モンスター・マニュアルはそれだけで綺麗なイラスト集としても見ることができますし,ダンジョンマスター・ガイドは長年培われてきたセッションの回し方や準備の方法,プレイヤーの傾向などのノウハウがたっぷりと詰まっています.
ただ,問題なのはお値段.一冊あたり6000円するので,気楽には始めにくいかもしれません.そんな方にはお試しのベーシックルールが無料配布されています.クラスや種族は少ないですが全てのルールが載っているのでこれだけでセッションが遊べます.(配布はダンジョンズ&ドラゴンズの日本公式ホームページより)