クライメイトゾーン
温度は植物が生育できるかどうか判断する重要な要素になります。
温度の基準もいろいろありますが、特に植栽地の最低気温に大きく左右されます。
特に日本は南北に長いため植栽できる樹種は大きく異なります。
米国では植栽適温帯という基準が以前から採用されています。
これは年最低気温の平均を基準にゾーン分けするものです。(USDA HARDINESS ZOON MAP)
この手法により日本をゾーンで分けたのがクライメイトゾーンです
植栽可能な樹木の目安として活用していただければと思います。
クライメイトゾーンと指標植物
4 -28.9~-34.4
北限植栽指標植物
ナナカマド ダケカンバ ハイマツ
5 -23.3~-28.9
北限植栽指標植物
エンジュ カツラ シラカバ ブナ ニセアカシア ハルニレ ポプラ ホオノキ カラマツ イチイ
6a -20.6~-23.3
北限植栽指標植物
イチョウ ハナカイドウ ヤマザクラ セイヨウトチノキ アカマツ メタセコイア クロマツ
6b -17.8~-20.6
北限植栽指標植物
キリ クリ ケヤキ サトザクラ ソメイヨシノ ヤマボウシ リョウブ プラタナス スギ ツガ コノテガシワ トウジュロ
7a -15.0~-17.8
北限植栽指標植物
トウカエデ ハナノキ カキノキ カリン ザクロ ナツツバキ モモ アキニレ ネムノキ ユリノキ ヒノキ モミ ヒマラヤシーダー
7b -12.2~-15.0
北限植栽指標植物
サルスベリ カヤ シュロ ダイオウショウ
南限植栽指標植物
ハイマツ
8a -9.4~-12.2
北限植栽指標植物
ゲッケイジュ ビワ ラクウショウ
南限植栽指標植物
ダケカンバ
8b -6.7~-9.4
北限植栽指標植物
オリーブ アラカシ ウバメガシ タイサンボク ヤマモモ
南限植栽指標植物
シラカバ カラマツ ブナ
9a -3.9~-6.7
北限植栽指標植物
クスノキ、アメリカデイゴ トキワギョリュウ、ユーカリノキ リュウゼツラン ソテツ ニューサイラン ニオイシュロラン バショウ オキナヤシ
南限植栽指標植物
ヤチダモ ナナカマド ハルニレ リョウブ イチイ
9b -1.1~-3.9
北限植栽指標植物
ビロウ、カナリーヤシ
南限植栽指標植物
クリ エンジュ ハナカイドウ カツラ セイヨウトチノキ カリン ホオノキ ナツツバキ モミ ヒノキ コノテガシワ ツガ
10a +1.7~
北限植栽指標植物
レモンユーカリ
南限植栽指標植物
イチョウ ウメ コブシ プラタナス カヤ スギ
10b +4.4~+1.7
南限植栽指標植物
ユリノキ
11a +7.2~+4.4
北限植栽指標植物
デイゴ、タコノキ、ダイオウヤシ
南限植栽指標植物
キリ サトザクラ シメイヨシノ サルスベリ ヤマボウシ ヒマラヤシーダー
11b +7.2以上
北限植栽指標植物
ココヤシ
南限植栽指標植物
エノキ オリーブ イロハモミジ カキノキ クロマツ ハイネズ アカマツ
東京の1961年から10年間ごとの平均気温、最高気温、最低気温の平均値を60年代と2000年代をそれぞれ比較すると、平均気温は+1.23℃ 最高気温は+0.4℃にくらべ最低気温は+3.15℃となり、植物の生活環境の指標である最低気温の上昇が他の要素より激しくなっています。
2003-2007年の5年間の年最低気温を算出するとほとんどの地域で最低平均気温が上昇しています(平均0.8℃)
これは今まで不可能であった暖地向植栽(ヤシなど)の可能性が広がるとともに
可能であった寒冷地向植栽(ナナカマドなど)が困難になってくると考えることもできます。
2018-2022年の県庁所在地における最低気温の平均値をもとに温度順に並べクライメイトゾーンで分類すると下記のようになります。
下記表に代表的な緑化樹木のクライメイトゾーンを記載しています。