Step②「世界観を知る」概論
四柱推命で「占う」とは星の関係や流れを読むこと ―命式の自然を観る
Step②「世界観を知る」概論
四柱推命で「占う」とは星の関係や流れを読むこと ―命式の自然を観る
「命式を読む」とはどういうこと?
四柱推命で占うことを「命式を読む」と表現されることがあります。
しかし、それは星の意味を覚えて暗唱することではありません。
「丙は明るい性格」「印綬は勉強が得意」といったラベルを並べるのは、”読む”というより“当てはめる”作業に類されるものです。
本を読むとき、私たちは文字をなぞるだけではなく、文脈のつながりから意図や感情を感じとっています。
それと同じように、「命式を読む」とは、干支たちがどのように影響を与えあっているかを見ること。
命式を読むとは、星の関係を読み解くことなのです。
命式は、その人の自然界を表した図表
四柱推命では、お誕生日から「命式」という図表を作り出します。
天干や地支、そこに宿るたくさんの星たち。
これらはひとつひとつ単体で存在しているのではなく、
まるで地球上の生き物のように、お互いに影響を与え合っています。
木が生い茂っている → 雨が降らないと、乾燥してしまい、火が付くと燃え続ける
雨が降る→ 渇いた植物には恵みの雨。焚き火が主人公の物語なら、雨に濡れて、火が消える
嵐がやってきて川が増水する→ 土がたくさんあれば堰き止められるけど、いつまでも泥が残れば水は濁ったまま
これらは星の関係性の例です。
命式とはこのような「自然の力の配置とそのバランスや関係の図」なので、自然観察のように「観る」ことも大切です。
木・火・土・金・水のヒント
例えば、四柱推命の基本概念のひとつである五行は、それぞれ独立した意味を持ってはいますが、
流れの中でこそ、本来の意味を持ちます。
木は、火に命を与える(木生火)
火は、灰となって土を生む(火生土)
土は、鉱石を生む(土生金)
金は、水滴を生む(金生水)
水は、木に潤いを与える(水生木)
このように五行は、ぐるっと巡る関係性を読み解くヒントになり、巡りの中に意味があるのです。
星同士は、「助ける」「止める」という関係が必ず働いています。
星の関係性だけではなく、時間の流れも読む
「癸の人だけど、土が多く水が濁り、上手く行かない」
「あなたは火のタイプだけど、命式には木がないから、やる気が出にくい」
「金だけども土に覆われていて、輝きづらい」
これらはよくある四柱推命の説明ですが、読み方の側面のひとつにすぎません。
大切なのは、その人の自然の姿と、移ろいゆく気候を知ること。
水がなくて育ちにくい木だけども、もう少しで雨が降るから期待して待とう
木が濡れていて、火が燃え続けない。けど、どうせ燃えるなら夏よりきっと冬が良い
金が強くて木を切り倒せた、だけど、木は切るべきだったのだろうか、育てるべきだったのだろうか
つまり、命式を読むとは「生まれ持った状態」と「巡ってくる時間の流れ」を一緒に読むこと。
その人が、どんな自然の状態のなかで、どんな流れのなかにいるのか。
それを読み解いていくのです。
命式を観る:自然の中に答えがあり、そして世界は広い
四柱推命とは、バラバラの要素を分類するためのラベルとして、使われるだけではありません。
自然界を観察して人のなかの自然を考えるための、思考の整理術です。
雨が降ると木が育ち、木があるから火が燃え、火が燃え尽きると土が生まれ…
そうやって、自然はバランスを取りながら回っている。
四柱推命は、自然のミニチュア版を人間の中に見るミクロコスモスな方法です。
命式を読むことは、言いかえれば、
「この人の中には、どんな自然が流れているだろう?」
と問うことでもあります。
そして、地球は、美しい自然の姿に満ちあふれています。
様々な自然の景色に畏怖の念を感じるとともに、多種多様な自然の在り様こそが、「あなたも自然のとおり生きていい」という自然からのメッセージのようであり、それは「命式を読む」という四柱推命の技法を超えた天からの答えだと信じています。
「今ここにあること」が、自然が出した答えなのです。
命式を観るとは、命式を読み解く前に、命式の景色を地球上の自然から探し出すこと、と言えます。
まとめ
・命式は、「自然の力」がどんなふうに配置され、関係しているかを見る図表
・「命式を読む」とは、星の意味を覚えることではない。「関係を見る目」「流れでとらえる目」を育てること
・四柱推命は、自然界を基に、人を観る試み