macu macu オーナー
長浜市湖北町にフリースタイルコンプレックスショップ『macu macu』を開設、オーナーとなる。自身はショップアトリエ内でオーダーメイドの衣装製作を行う。
A.フリースタイルコンプレックスショップという、自由な複合ショップを開設しています。
アトリエとしては、オーダーメイドで衣装製作をしている私のアトリエと、シェアアトリエとして今は二人の作家さんに使っていただいています。
テイクアウトのコーヒースタンドでは、無農薬の全粒粉を使ったハワイのマラサダという揚げドーナツをメインに販売しています。
真ん中には地元の作家さんのアクセサリーなどを販売しているショップがあって、『engawa photo』という七五三の撮影チームで活動する写真スタジオがあります。
あとは生花のお花屋さんも入ってくれています。
いろんなショップやアトリエ、作家さんが活動する場所です。
A.元々は、私が自宅のアトリエでオーダーを受けて、お洋服のオーダーを受けて製作する仕事をしていました。子どもが生まれてから、10年ほどその仕事をしていました。
その傍らであいあいらんど子育て支援センターで知り合ったLOCOの宮本さんとお仕事したり、ワークショップをしたり、そこで繋がったウェディングのお仕事をする中で、『engawa photo』という七五三の撮影チームを組みました。
『engawa photo』は、当初は拠点を持たずに活動していたのですが、お客様が増えて大変になってきたのもあって、えきまちテラスの1階のチャレンジショップを借りました。ただ、チャレンジショップは期間などに制限もあったので、新しい場所を探し始めました。
その当時は、拠点である自宅のアトリエから、ワークショップや撮影に移動するための時間がかかってしまったり、空き時間が発生してしまったりしていました。
私自身も、自分のミシンを置くアトリエを持ちたいという目標はずっともっていましたし、仲間も増えてきたし、県内の作家さんなのに県外で活躍している方もいらっしゃる。それなら、広いお店を私が持って、みんなでシェアしたらいいのではないか、と思うようになりました。
何かちょっとしたギフトやプレゼントを選ぶときに、「あそこに行ったら何かあるかな?」っていうお店を、長浜に作りたかったんです。
A.ここを建てるにあたって、銀行からお金を借りるためのプレゼンの仕方とか、数字の資料を作ったりといった、慣れていないことは本当に大変でした。
最初に自宅のアトリエでしていた衣装製作は一対一でオーダーを受けたりしていたので、みんなですることになるショップを運営していくことになって、どうすればいいのか、と悩みました。どういうふうにすればうまくみんなでまとまっていけるか、どういうふうにみんなで向上してやっていけるか、最初はとても考えていました。けれど始まってみたら、すごくいい空間が出来たんです。
みんながいるから頑張れるとか、みんなでアドバイスを交換したりという、相乗効果が生まれたんです。
ただ、物理的な苦労はいっぱいありました。ここを建てるときにあまりお金をかけないように、土台だけ作ってもらって、残りはほとんどDIYなんです。でも、みんなが壁や天井を塗ってくれたりもして、一人じゃないなって実感があって、精神的には満たされていました。
A.自宅でやっていた頃は、お店はどこですかとか、アトリエ見学できますかって言われてもできなかったので、見てもらえる場所が出来たことは嬉しかったです。
ここは8号線に面しているので、信号で停車していると、ライブミシンで作業しているのが見えるんです。それで、気になってお店に来たっていうお客様もたくさんいらっしゃって、違う世代の方が来てくださったり、他の地方の方が来てくださったりもします。
ミシンが見えたから、って来てくださった方と、シェアアトリエで活動している作家さんが繋がって新しい活動が生まれたりするのも、嬉しいです。
お花やアクセサリーのお店もあるので、近所のパパさんがお子さんを連れて、妻が誕生日なんですって来てくださると、アクセサリーと一緒にお花はいかがですかって、おすすめも繋いでいける。そういうことが、嬉しい感覚ですね。
A.まだ1年目なので手探りですけれど、やっぱり集客が難しいです。常に新しいことをしてないと、どうしても飽きられてしまう。
銀行にも広告は出さないんですかと尋ねられましたし、タウンペーパーなどに載せませんかというお声もかけていただくんですけど、あまり積極的な宣伝はせずに、「何の店だろう?」と思ってもらうのを作戦にしています。来てくださった方に好きになっていただけるような接客を心がけて、口コミで広がってくれる形が理想です。
最大の目標は、みんなが活躍できる、集まって交流できる場所として、このお店を細く長く続けていきたいです。なかなか長浜の中心まで出られない方もいらっしゃるので、キッチンカーさんに来ていただいたり、お菓子屋さんにきていただいたり、水曜日はお弁当の日と銘打ってHaHa Caféさんにお弁当を持ってきてもらったりもしています。
ここに来て誰かとおしゃべりしたり、お買い物したりできる、ママさんたちの応援の場にもなればいいなと思います。
A.私も「なんかすごいな」って思われているみたいですけど(笑)、踏ん切りさえつけば誰でもできると思います。必要なのはちょっとの勇気で、本当に「今しかないよ」って伝えたいです。
やっぱり、がむしゃらに働きたい、したいことを立ち上げるっていうのは、若いうちのほうが体力もありますし、思い立った時しかできないなと思います。
私の場合はみんなの後押しもあったからできたっていうのはあります。自分だけでは思い切れなかったな、と。こういう場所がみんなに必要だよ、あなたならできるよって、みんなが言ってくれて。何回も落ち込んだりしながら、みんなに励ましてもらったからできました。
なので、1人で抱え込まないこと、仲間から声をかけてもらってモチベーションを上げたりとか、そういうことも大事かなって思います。
よく言われていることですけども、やらずに後悔するよりも、やってみたらあかんかった、じゃあ次、って言える方がいいと思います。
ここも、どれだけやっていけるかなんて本当に未知です。お金を貸してくれる銀行もシビアで、本当に集客ができますかとか、どれぐらいの見込みがありますかとか、始める前から尋ねてこられて、「わー!」ってなりましたけど、そこで「大丈夫」って自分に言い聞かせる、自分の力を信じてあげることが一番大切かなって思います。
A.生まれも育ちもここなので、改めて良いところとなると馴染みすぎているんですけれど(笑)、やっぱり湖岸を走ってるといいところだなって思います。
特に、子どもを産んだ時に子育てがしやすいなって思いました。遊ばせるところもたくさんありますし、ちょっと行ったら琵琶湖、ちょっと行ったら山で、自然もたくさんある環境はいいなと思って。
空気も美味しいし、食べ物もおいしい。若いときは都会に出たいな、という憧れもありましたけど、今はここでよかったなって思います。
ありがとうございました。