合同会社LOCO 代表
岐阜市出身。結婚を機に滋賀県長浜市余呉へ移住。地域の子育てサークルでの活動をきっかけに、桐畑裕子さんとともにLOCOを立ち上げる。2015年に「子育て応援カフェLOCO」をオープンし、2021年に合同会社LOCOを設立。現在は「子育て」「働く」「暮らし」応援事業を柱に、地域のさまざまな世代の声を聞きながら事業を展開している。
「身近な人の声を、事業のカタチにするまで
2013年、私は余呉地域の未就園児サークルで活動していました。親子で活動する中で、お母さんたちからもっと気軽に集まれる場所や、子どもが泣いても周囲を気にせず過ごせる場所を求める声を聞くようになりました。
身近な人たちだけでなく、ほかのお母さんたちにも同じような思いがあるのか確かめようと、2014年には長浜市のお母さん100人にアンケートを実施。すると、子ども連れで気軽に過ごせる場所や情報交換の場など、さまざまな「あったらいいなぁ」が見えてきました。
その声をカタチにしてみようと、長浜市の創業塾で起業について学ぶことに。地域の方にも相談しながら準備を進めました。クラウドファンディングや食器・机などの寄付にも支えられ、2015年に「子育て応援カフェLOCO」をオープン。地域の自治会館を借り、無理のない「自分サイズ」からのスタートでした。
LOCOを始めた当初から、長く続けられる事業にしたいと考えていました。活動に関わる人が、働いた分の対価をきちんと受け取れる組織をつくりたい。カフェをオープンして2年目頃からは、どこから収益を得て、どのように事業として成り立たせていくかを具体的に考えるようになりました。
当時は私自身もカフェのホールに立っていましたが、中にいるだけでは新しい人との出会いや事業の可能性を広げにくい。そこでホールに立つ時間を少しずつ減らし、行政や商工会議所などに足を運ぶようになりました。
2017年には滋賀マザーズジョブステーションの出張相談もスタート。拠点の移転も重ねながら、カフェ以外の仕事や関わる人の幅も少しずつ広がっていきました。
2021年には、合同会社LOCOを設立しました。法人の形を考えるときに大切にしたのは「自分サイズ」です。 合同会社と一般社団法人を候補に、いろいろな人に相談しながら、自分たちに合う形として合同会社を選びました。
現在は、私は店舗の外に出て活動することが多いですが、店舗はスタッフが守ってくれています。事業の準備や運営など任せることが出来る心強いスタッフに助けてもらいながら、事業を広げています。
雇用するスタッフのほか、必要なときに業務単位で仕事をお願いする登録スタッフも多数。保育士やライターなど、専門性を持つ人と事業に応じて一緒に仕事をしています。
LOCOの事業づくりは、相手の困りごとを聞くところから始まります。行政や企業、地域に暮らす方と話す中で、何に困っているのか、何が必要とされているのかを聞く。そのなかで「LOCOにできることがあるかもしれない」と考え、事業の形にしていきます。
「相手の話を聞くのは7くらい、自分が話すのは3くらいです」
LOCOを利用する方と向き合うときにも、私たちが正解を決めることはありません。例えば、働き方ひとつとっても、再就職や起業、在宅ワークなど、希望は人それぞれです。「どうしたい?」と尋ね、自分で納得できる選択を応援しています。
また、一つの講座で終わらせず、その先につなげることも大切にしています。例えば、デジタルやデザインの基礎を学んだ先に、応用講座や在宅ワーク、仕事とのマッチングへつなげる。一つひとつの取り組みが次の一歩につながるよう、事業全体を組み立てています。
任せてもらった仕事にきちんと向き合い、事業の目的を達成することも大切にしています 。事業を進める中でも、参加者の話を聞きながら、次に必要なことを考えてきました。目指しているのは、「LOCOと一緒に仕事ができてよかった」と思ってもらえる仕事の積み重ねです。
事業を進める中で悩んだときは、ぜひ外に出て、相談できる人をたくさんつくってほしいと思います。滋賀には、話を聞いてくれたり、「協力するよ」と言ってくれたりする方が本当に多いと感じています。
だからこそ、相談して終わりにしないこと。進捗状況を報告するなど、その後の関係も大切にしています。10年前に出会い、今も関わってくれている 人がたくさん いてくれます。
「 基礎的なことを、ちゃんと丁寧にやる」
特別なことではないけれど、そうした積み重ねが、事業を続けていく力になると思っています。
カフェの運営をはじめ、0・1歳児の親子が出会う「ろこぐみ」、2歳児向けの親子教室、主に高校生を対象とする「LOCOごはん」などを実施。親子をはじめ、地域の人が気軽に集い、安心して過ごせる居場所づくりに取り組んでいます。
「ワタシらしい働くカタチを選択できる場所」を目指し、再就職・キャリアアップ、起業・地域活動、デジタルなどのスキルアップ、在宅ワークに関する講座を実施。合同企業説明会や仕事マッチングなど、実際の仕事につながる機会もつくっています。
65歳以上を対象とした「Najimiサロン」や、健康づくり・食育、大人向けの学び、世代を超えた交流などを展開。地域の声を聞きながら、年齢やライフステージを問わず、一人ひとりが自分らしく暮らし、この地域で暮らしてよかったと思える場づくりを進めています。