2022年12月27日

GlycoTOKYO 2022

今回のテーマは...「時間・空間・糖・いきもの」です!

開催場所:cyber東海大学...Web開催

主催:東京糖鎖研究会

本年のシンポジウムはWeb上へのポスター掲示とZoomでの討論による開催です。PCなどでの参加を推奨します。

登録者数:221

2022年度奨励賞受賞者講演

招待講演

ポスターセッション

大型機器の大学間共通利用

学生を中心とする若手研究者が、糖質関連の化学・生物学分野における様々なトピックスを通じ当該分野の理解と人的交流を深めることを目的にシンポジウムを開催します。若手研究者の育成や相互の友好関係の構築は、将来の糖質科学の発展に繋がるでしょう。

講演は、奨励賞受賞者講演を2件、第一線の研究者の講演を2件予定しており、イントロダクションに十分時間を割き、学生等を激励してモチベーションを鼓舞できる講演内容をお願いしています。学生はポスター発表を行い学生どうしでの質疑応答を通じて親睦を深めてください。

本会においては、文部科学省が推進する大学間での機器共通利用についての説明の機会をいただきました。

2022年度奨励賞受賞講演

栗原 大輝 博士

成蹊大学 理工学部(理工学科応用化学専攻)

糖鎖プローブを活用したN-型糖鎖関連タンパク質に関する研究

N-型糖鎖の特に高マンノース型糖鎖は糖タンパク質の折りたたみを示すシグナル機能を有し、糖タンパク質の分泌/分解に関与する。これまでに合成高マンノース型糖鎖プローブは糖タンパク質の分泌/分解関連タンパク質の機能の理解に活用されてきた。本発表では、これらの合成糖鎖プローブの活用を通して得た知見から要素を抽出して合成した小分子糖鎖プローブなどを例として合成糖鎖プローブの新たな活用法を紹介したい。

藤平 陽彦 博士

理化学研究所 開拓研究本部(鈴木糖鎖代謝生化学研究室)

ウスを用いた細胞質糖鎖脱離酵素-NGLY1-の

生理機能に関する研究

NGLY1は、糖タンパク質からN型糖鎖を切り離す反応を担い、タンパク質の品質管理機構の一つである小胞体関連分解、細胞質での糖鎖分解などに寄与する。私はこれまで、哺乳動物におけるNGLY1の生理機能を解明すべく、特に様々なNgly1欠損マウスの解析に力を入れて取り組んできた。本発表では、NGLY1が持つ多彩な役割について、マウスの解析を通して明らかにしてきた結果を中心にお示ししたい。

招待講演

古川善博先生

東北大学大学院理学研究科

隕石から見つかったリボース:その起源と生命

隕石からは数種類のアミノ酸や核酸塩基が見つかっており、隕石の飛来は、生命誕生前の地球に生命を構成する有機物もたらしたと考えられてきた。しかし、糖に関しては、不明な部分が多くリボースなどの生命を直接構成する分子は見つかっていなかった。数種類の隕石からリボースを含む五炭糖を検出し、それらが宇宙由来であることを明らかにした。本講演では太陽系の糖の起源と生命分子の起源について紹介する。


眞鍋史乃先生

星薬科大学薬学部・東北大学大学院薬学研究科

複合糖質の精密合成による抗体機能強化

有機合成による均一化合物、ライブラリー供給は、周辺領域に大きな貢献を果たす。現在、従来の有機化学のターゲットの範疇には入らなかった分子量が大きい糖タンパク質の均一合成も可能となってきた。抗体は医薬品の中でも存在が増している糖タンパク質である。抗体の糖鎖改変を基盤とした抗体・薬物複合体の創成などを例として、巨大分子の均一化合物、ライブラリー合成法の開拓とその意義について述べる。


特別企画

研究設備・機器の共用推進に向けたガイドラインについて

渡辺隆之

文部科学省

科学技術・学術政策局

ポスターセッション

38件のポスター発表を行いました。

討論終了後にシンポジウム参加者全員による投票を行い得票数の多かったポスター上位6件に優秀ポスター賞を授与します。おめでとうございます!

受賞者(ポスター番号順)

  • 吉村優花 千葉大院、西田土肥研

オルト置換型フェニルチオ糖を用いた連続グリコシル化法の開発

  • 山本大樹 慶應義塾大、佐藤研

低酸素環境における前立腺がん細胞でのO-グリカンの発現および機能解析

  • 宮本恵里花 慶應義塾大、佐藤研

膜マイクロドメイン中の糖脂質に誘起されるAβ凝集を阻害する環状ペプチドの機能評価

  • 今井万丈 慶應義塾大、戸嶋・高橋研

非対称化型ホウ素媒介アグリコン転移反応を用いたカナマイシンAの全合成研究

  • 江川菜々 東海大、金森研

単糖修飾グルタチオン誘導体の接触皮膚炎原因物質に対する反応性の解析

  • 植﨑菜々子 東邦大、佐々木研

2,6-ラクトン供与体を用いるSN1-likeなグリコシル化反応

多くの困難を乗り越え実験、研究をおこなった結果です。惜しくも選ばれなかったみなさんもチャンスは他にもあると信じて邁進あるのみ。発表のなかった学生さんの討論への参加も学会活動には不可欠でした、ありがとうございました

本会の運営方法

今年のGlycoTOKYOは、以下の手法でWebを利用して開催します。

プログラム、要旨:詳細サイトに掲載

口頭発表:Zoomによる実施

     要旨を本サイトに掲載

     講演者はイントロダクションに重きを置くように工夫

ポスター掲示:演題、演者、要旨、ポスター(PDF)を本サイトに掲載

ポスター討論:所定のポスター番号のbreakout room(Zoomの小部屋)にて実施

できるだけ通常のポスター会場のようにしたいと思います

GlycoTOKYO 2022シンポジウム オーガナイザー:蟹江 治、苫米地 祐輔(東海大学工学部)

コンタクト:kanie@tokai-u.jp