祝福という言葉は、祈り、祝うという意味を持つ。
世界に美しいものがあること、それを感受できること、好きな人もそう生きていることを祈っている。そしてそうであることを喜び、祝っていたい。
祝福は生活から浮かびつつも空想の世界ではなく、そのあわいにある。意味を避けた触覚的な存在として美しさの純化を試みている。それは、美しさがあることを確かめながら、何度もそれに触れるための行為である。作品は、一つ一つのピースの集積である。ピースはそれぞれ独立した作品だが、配置することによって関係性が生まれる。その集積として空間を作り上げ、それらが存在しているということが重要であるから、その空間自体も作品と捉えた。
美しいものをつくるためには美しいものに触れなければいけない。生活と制作の循環を目指すことは、美しいものに触れられるように生きる、という
意志を固めて踏みしめて歩くことでもある。