きっかけ

いきちかクラブは、もとは新蒲田で学童保育を運営していた非営利団体です。

外遊びとして学童保育の子どもたちと毎日のように公園に行き、そして、いつも公園内にゴミが散乱していたので、自ずとゴミ拾いをするようになっていました。ただ、ゴミ拾いは行えても、そのゴミを持ち帰り、事業所で保管・処分することの負担が大きく、区にゴミ回収について相談したのがきっかけで、「ふれあいパーク活動」を知りました。

当公園の清掃はすでに別の団体が担当していたこともあり、区から花壇運営を勧められ、それも有意義だと花壇を始めることにしました。

ただその直後、突然の新型コロナウイルス感染症の拡大や物件トラブルなどにより学童保育は閉じることになりましたが、この花壇は新しい地域の交流を作るきっかけになると思い、花壇運営は継続することにしました。

特徴

いきちかクラブの「いきちか」は「生きる力」の略称です。いきちかクラブの花壇運営は、個々人の生きる力を大切にしている団体ならではの、ユニークな特徴があるように思います。

1．オープンである

花壇の様子や水やりカレンダーなどをインターネットで公開しており、参加者も広くオープンに募っています。身内だけで花壇を使うのではなく、プロジェクト全体を地域に開き、多くの人を巻き込みながら「みんなで一緒に」「助け合いながら」花壇を使っていこうとしています。

2．自由である

花壇に行けない人はインターネットで花壇の様子を見ているだけでも構わないなど、花壇への関わり方からして自由です。水やりも行ける人が行けるときにと、個々人の主体性に任せています。当番やノルマなど、一切ありません。参加者の年齢やお住まいなどの制限もありません。

3．無料である

多くの人に気軽に自由に関わってもらいたいという思いから、参加者から会費はとっていません。

花壇運営になるべくお金がかからないよう工夫しながら、助成金をとったり、寄付や寄贈を募ったりしています。2021年に花壇を彩っている草花は、他の緑化ボランティア団体や個人の方からいただいたものです。

4．インターネットを活用している

ガーデニングはリアルでアナログな作業である一方で、情報共有にはインターネットを活用しています。メンバー間の連絡はLINEオープンチャット（匿名可）で行っています。ブログ、Twitter、Instagram、Faecebook、YouTubeでの情報発信も行っています。

代表より

ふれあいパーク活動として新蒲田二丁目児童公園の花壇管理をしています。私たちは必ずしも花好きの集まりという訳ではなく、それぞれがさまざまな理由でこの花壇プロジェクトに集まっています。ガーデニングの基礎知識がほしい、土や虫に触れたい、外出する動機がほしい、地域での居場所がほしい、新しい取り組みを応援したい・・・本当にさまざまな理由があると思います。どのような動機や事情でも大丈夫ですので、面白そうと思っていただければ、ぜひオープンチャットやSNSなどからご連絡ください。SNSの気楽さでリアルな地域活動に関われるのは、他にあまりない取り組みだと思っています。

2020年のコロナ禍に始まったばかりの小さなプロジェクトです。これから一緒にプロジェクトを育てていただけるとうれしいです。

早くも、公園の雰囲気が明るくなった、公園の利用者が増えたと、多くの方におっしゃっていただけており、励みになります。

現在まだ費用面の苦労と不安はありますが、この先、助成金や寄付金などである程度の安定走行が見込める状態になれば、より多くの人に参加いただけるよう、他の公園でも活動を始めてみたいと思っています。それぞれのご無理ない形で、どうか私どもの活動をご支援いただけますと幸いです。

いきちかクラブ　向井愛