次世代情報基盤

次世代の情報基盤を一緒に創造しませんか.

本研究室では,情報集積機能と即時性とを兼ね備えた次世代型のコミュニケーションツールを実用化するためのプロジェクトを数年前から進めています.本プロジェクトで開発しているシステムは,私たちが過去に提案したP2P型ファイル共有手法をベースにしており,多数のユーザによる共有ファイルへの書込み情報を他のユーザに対してリアルタイムに伝播することができます(この手法に関するもう少し詳しい説明はこちら).またこの手法は共有メモリモデルをベースにしているため,過去に行われた更新はすべてのユーザが容易に参照することができ,アーカイブとしての機能も備えています.加えて,特定のノードへの負荷の集中が起こりにくいP2P型のアーキテクチャを採用していることから,サーバ型システムに比べて1桁以上高い規模拡張性が得られることが期待されます.

2019年度の卒論テーマ案は以下の通りです.

○ P2P型共同編集システム

ネットワークを介したファイル共有は,多くのネットワークアプリケーションにおける共通基盤のひとつです.たとえば他の人がYouTube上にアップロードした動画をダウンロードしたり,Dropboxなどのオンラインストレージを各個人がバックアップとして利用したりする際などにファイル共有が使われています.そのような一般的な利用法に加えて,ファイル共有機能を使って「ユーザ間の密な連携」を実現しようという試みも始まっています.たとえばGoogleが提供しているオフィスソフトであるGoogle Docsでは,複数人が同時にファイルの編集・閲覧をおこなうことが可能です.ペイントソフトをオンライン化することで,複数のユーザが一枚の絵を並行して完成させることのできるアプリも開発されています(研究室公開でのデモあり).そのような共同編集アプリの設計では,性能や使いやすさなどに加えて,「ある人が行なったファイルの更新を他の人のディスプレイ上でどのように見せるか」なども重要な課題となります.

このテーマでは,いくつかの具体的な共同編集アプリを想定し,その上で各ユーザが自然に連携できるような方式の検討・実装をおこないます.

○ モーションキャプチャを用いた遠隔指導システム

言葉や動画のみによる遠隔コミュニケーションには困難を伴うことが多いです.上で述べた課題では,「手書き情報の共有」によってそのような困難さを軽減しようとしていましたが,本課題ではもう少し踏み込んで,ジェスチャーなどの体の動きを用いることを考えます.ただし,カメラの前でポーズをとる方法では,死角ができてしまうので,モーションキャプチャシステムでモーションデータとして取得し,それを利用することを計画しています.

想定するユースケースは以下の通りです:

1.ダンス教室の遠隔授業.高校で行われているダンスの授業に外部の専門家を招き,指導してもらう.地方の高校でも本格的なダンスレッスンを受けられるようになる.仮想空間で遠くの友達と一緒にダンスできるときっと楽しいですよね.

2.リハビリ病院や在宅で行われているリハビリの補助ツール.脳血管性障害などで脳の一部を損傷すると正しい動作が難しくなることが知られていますが,モーションキャプチャで得られた動作データを分析して利用することで,リハビリの効果を高めるツールの一つとして使える可能性があります.

3.Wii Fitなどの入力デバイスの一つとして.Wiiリモコンをラケットやヌンチャクがわりに使うゲームソフトはすでにありますが,全身を使ってプレイヤーの意思を伝えることはまだできていないようです(仮想空間で100人くらいで「モジモジくん」をすると「憂鬱」や「薔薇」,「魑魅魍魎」などの表示が作れそうですね).

Perception Neuronのホームページから引用