FEP入門チュートリアル

本チュートリアルは終了しました

  • 本チュートリアルは2021年12月13日、14日にそれぞれ140名、120名の参加者のもとで盛況に開催されました。参加された皆様、ありがとうございました。

  • 以下のwebページの情報は参考資料として残しておきます。

  • 参加者に事後評価のアンケートを行いました。ご協力ありがとうございます。集計結果をいちばん下に掲載しました。今後同様なイベントを開催する際の参考資料とさせていただきます。

概要

  • 本チュートリアルは日本語で行います。

  • 目的: 自由エネルギー原理(Free energy principle, FEP)について参加者に入門的な事項を理解していただくことを目的とします。

  • 内容: この目的のために初心者向けの内容での講義と質疑応答、Rを用いた演習を行います。自由エネルギー原理よりもより基礎的な事項である予測符号化やベイズ脳仮説などの説明からスタートします。Rを用いた演習でも、RStudio Cloudを用いることで、これまでプログラミング経験のない方を対象とした、初歩的な内容を予定しています。

  • 対象者: 自由エネルギー原理(FEP)について基本的な事項を知りたいと希望される方。機械学習や神経科学についての知識は前提としません。

  • 以前、愛知県岡崎市生理学研究所にて「脳の自由エネルギー原理チュートリアル・ワークショップ」が開催されました(2019年8月31日-9月1日)。そのときの講義、演習は選考をしたうえで、英語で開催されました。これに対して今回の「FEP入門チュートリアル」では、選考は行わず、日本語でより基礎的な事項からの講義、演習を行うことで、より広い層を対象として自由エネルギー原理について理解していただくことを目指します。

スケジュールと概要

講師: 吉田正俊 (北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター)

  • 1日目: 2021年12月13日(月) 13:00 - 15: 30

    • 講義1: 事前準備 - ベイズ脳仮説と予測符号化理論 (~15 min)

    • 講義2: 自由エネルギー原理FEPについての最小限の説明 - 潜在変数が2値の場合 (~30 min)

    • 講義3: ニューラルネットワークでの実装、潜在変数が連続値、ガウス分布の場合 (~30 min)

    • 講義4: 期待自由エネルギー(EFE) - 潜在変数が離散値、離散時間のPOMDPとしての扱い (~30 min)

    • 講義5: Life as we know it - マルコフブランケットと非平衡定常状態 (~15 min)

    • 質疑応答: Clarification中心で。 (~30 min)

  • 2日目: 2021年12月14日(火) 13:00 - 15: 30

    • 演習 (RStudio.cloud上での演習)

      • (演習0: RStudioに慣れる - DL divergenceとSoftmax関数で動作確認 (事前準備で済ませておいてください) )

      • 演習1: 潜在変数が二値、ベルヌーイ分布の場合 (~15 min)

      • 演習2: 潜在変数が連続値、ガウス分布の場合 (~30 min)

      • 演習3: 期待自由エネルギー(EFE) メッセージ・パッシング、2択の行動選択まで (~30 min)

    • 講義6: FEPを批判的に見る - 有効性、検証可能性など (~45 min)

    • 質疑応答: 批判的コメント中心で。 (~30 min)

事前準備のお願い

FEPチュートリアル二日目に行われる演習では、プログラミング言語Rを用いて、自由エネルギー原理FEPについての初歩的な計算とシミュレーションを各自のパソコンで実際に動かして経験していただきます。

とはいえ、ソフトウェアをインストールする必要はありません。今回の演習ではRStudio Cloudというwebアプリケーションを用います。このサイトにログインして、動作テスト用のプログラムが動作することを確認しておいてください。これが演習当日までに演習参加者に済ませておいていただきたいこと全てです。

事前準備の手順については吉田の個人サイトに掲載しました。こちらをごらんください: FEPチュートリアルのRStudio演習(2021年12月14日)の前準備用資料


申込方法

  • 以下の「個人情報の取扱いについて」をご確認の上、了承した場合のみ、以下のリンクから参加申込みをしてください。

  • [FEP入門チュートリアル参加申込み] (12/6(月) 23:59締め切り)

  • "Registration to Tutorial Session in Japanese"からGoogle formにご記入ください。

  • 申込みのリンク先のGoogle Formを記入して提出すると、zoom登録のためのURLがダイアログに現れますので、ひきつづきzoom登録の作業をしてください。

  • Google formでは、講義、演習の難易度調整のための情報収集として、参加申込者の前提知識やプログラミング経験についての記入をお願いしております。(プログラミング経験がないからといって参加をお断りすることはありません。ただし、オンライン開催となるため、個別にきめ細やかな対応をするのは限界があります。この点はご理解ください。)

  • なお、FEP入門チュートリアル(日本語)への参加申込みとFEP workshop Session (英語)への参加申込みはべつべつに必要となります。(よってどちらか片方のみの参加も可能です。)

個人情報の取扱いについて

  • 収集の目的: 本サイトで収集する個人情報は、本チュートリアルの運営に利用します。

  • 情報の共有範囲: 本サイトで収集する個人情報は、原則として本チュートリアルの事務局内でのみ情報共有します。ただし、ふたたび同様なイベントを事務局のメンバーが開催する際には、登録メールアドレスへのイベント情報に関するメールの送付を行うことがあります。

  • 情報の開示に関する免責事項: 本サイトで収集する個人情報は、原則として、登録された方の同意無しに第三者へ情報開示しません。ただし、裁判所等から法律に基づき要請を受けた場合には、情報を開示することがあります。

  • 情報の使用: 本サイトで収集する個人情報は下記に使用します。

    • 参加者リストの作成

    • 参加者への事務連絡用の連絡先

    • 所属機関での年次報告書への参加者リストの提出

    • 本事務局メンバーが開催する関連イベントについてのメールでの案内

  • 情報の管理: 本サイトで収集する個人情報は、自然科学研究機構の個人情報保護規定及び情報セキュリティポリシー (https://www.nins.jp/site/rule/3223.html) に基づいて管理いたします。

Stay tuned!

  • 本チュートリアル・ワークショップ事務局では、今後も同様なイベントを開催する予定です。本チュートリアルに参加申込をされた方には、関連イベントについてメールでお知らせする予定です。メールの配信を望まない方は吉田までご連絡ください。

アンケート集計結果

  • 参加者に事後評価のアンケートを行いました。協力ありがとうございます。集計結果を掲載します。今後同様なイベントを開催する際の参考資料とさせていただきます。

[参加者ご自身について教えてください]

[本イベントについて教えてください]

[講義と演習内容についての評価を教えて下さい]

「いいえ」の場合は、望ましい時間や、講義と演習のバランスについて教えて下さい。

6 件の回答

講義時間をもう少し増やして,じっくりとお話を聞きたかったです./講義の時間は妥当と思いますが、演習は時間が足りないように思いました。事前準備を2段階にして、1)RStudioCloud環境構築、2)コードの通読 としておくと良かったかもしれないと思いました。/初日の講義はスライドをスキップしながらだったので,もう少し時間が必要なのかもしれないと思いました。ただ,参加しやすい時間設定でした。/日中は講義や実験等があり参加が難しいため、日数が増えたとしても夕方以降や土日に開催していただければと思いました。/事前の知識不足もあり,理解しながら進めるには難しかったです。言われるがままやってみたという感じでした。/講義も演習も倍くらい時間をかけて頂くと、前知識のない人には分かりやすいのかもしれません。勉強不足ですみません。

講義について、難易度の調整や採りあげるトピックなど、改善すべき点がありましたら教えて下さい。

12 件の回答

全体像が短時間で追えて良かったです/もう少し難しい,込み入った話が効けるような講義が嬉しい/自習資料の紹介や資料の共有などがありがたかったです。/とても丁寧に解説いただいて,難易度は私にはちょうど良かったです。/ベイズについて,一番最初におさらいがあると嬉しいです./無理を承知で言えば、統合失調症や自閉スペクトラムと自由エネルギー原理/ボリューム盛りだくさんで、たくさんの知識を得られる会でした。その結果でもあると思うのですが、全体の話題間の関連性や、今話していることが基礎なのか付加情報なのか、といった点で時々迷子になることがありました。/難易度別に開催するほうがよい。/乾先生・坂口先生の岩波科学ライブラリーは読んで参加しましたが、やはり難しかったです。私は数学の絶対的な知識がないので、数式が出て来ると難しく感じました。仕方がないと思います。対象者を狭めると、講義の仕方も変わるのかもしれません。/数学的なバックグラウンドがないと理解しにくい内容が多かったので、勉強方法や良い教科書などを紹介していただけるとありがたいです。/素晴らしいと思います/FEPについては、最初の理論からどんどん拡張されているようなので、理論の拡張の歴史のお話を聞かせて頂けると、参考文献を読み進めるときの参考になってありがたいと思いました。

演習について、難易度の調整や採りあげるトピックなど、改善すべき点がありましたら教えて下さい。

13 件の回答

かなり早かった。またR Cloudがチュートリアルどおりに動かなかった。それを差し引いてもExcellentなチュートリアルでした。/ちょっと早すぎた。またR Cloudがチュートリアルどおりに動かなかった。それを差し引いてもEcxellentだった。/事前に演習を受講者がしておくようなスタイルにすると良いのかなと思いました。/Rに慣れているのでとてもわかり易かったです。ありがとうございます。/R-Studioをあまり使ったことがないこともあり,リアルタイムに話についていけませんでした.(意味が理解できていないまま,ソースの実行をしていました...汗)/わかりません/プログラムの内容ややっていることが、演習中は追いつけなかったですが、あとで振り返って学ぼうと思うので、詳細を書いていただいて大変ありがたかったです。/R studioのオンライン環境のため、環境を用意する手間が無く楽だった。/正直講義のほうは途中で落ちこぼれてしまったが、Rのソースコードを公開して頂けたため自習できる点はとてもありがたい。/今回は講義と演習を一日目、二日目と分けて行う形式でしたが、演習の途中でわからなくなって一日目の内容を復習しているうちに段々内容が入ってこなくなる、ということがありました。講義・演習を交互に挟みながらなるべく並行して進む形式のほうがもしかしたら理解しやすかったかもしれません。/解決策がわからないが、ノートPCの画面で、Zoomの画面を見ながらR studioの画面を見るのは場所が狭くつらかった。/時間的に短かったので、数学的な知識がないと着いて行くのが難しかったです。私のような生物学者は、初歩のところで、ゆっくり勉強した方が良いのかもしれません。/素晴らしいと思います/コードの難易度は難しくないと思うが進行速度が早めだったと思います

[次回のイベントに向けて]

次回同様なイベントを行うとしたら、どのような講義がよいか、提案してください。

10 件の回答

各分野について,応用例の紹介などの時間を多めにとった講義がありましたら是非受講したいです/自由エネルギー原理の活用事例紹介(何をモデル化したとの主張があるかを総覧してみて、受講者が自分の研究において活用するヒントを探るようなもの)/時間が足りないように思いましたので,2〜3倍の時間設定ですとちょうど良いかもしれないと感じました。/1日ごとに講義と演習にして,1日目は基礎,2日目は高度なクラスにすると良いのではないかと思いました.そうすると,1日目だけ参加とか2日目だけ参加とか選択肢が増えますし./もう少しインタラクションを増やしたもの/F E Pの実証研究における実装について知りたいです。/今回あまり掘り下げなかったトピック、学習や意識との関連についても伺ってみたいです。/Fristonの原著論文の解説(数式の説明を含む)/長丁場で、1週間くらいかけて、ゆっくり議論しながら聞けると理解が深まるかもしれません。ただ、大変だと思います。/脳の統一理論に関心があります.私はAI研究者なのですが,脳科学の歴史や将来を重要な実験結果と共に簡単に俯瞰していただけると,私自身の観点から汎用人工知能について何か良い示唆が得られると思っております.

次回同様なイベントを行うとしたら、どのような演習がよいか、提案してください。(たとえば、今回はR言語を使用しましたが、他の言語のほうがよかったですか?)

17 件の回答

pythonが助かります./python(colabolatory経由)やjuliaでもよいのかなと思いました。/Python, Julia/もしMatlabであればもう少し自分にとってはとっつきやすかったかも。/もしMatlabが可能であれば、自分にとってはもう少し理解度があがったかも。ただRに親しむ機会にはなった。/python版があると個人的にはありがたいです。/Rは個人的に慣れていてよかったのですが,数式との対応を考えるとJuliaが分かりやすいかもしれないと思いました。/同上.言語はMatlabかpythonが嬉しいです./Python, Matlab/Python?/言語はRで良かったと思います。演習は、実装方法というよりも、講義では数式で表現されたFEPをアルゴリズムとして正確に理解することを目的に参加しました。駆け足だったので、数式と照らし合わせているうちに進んでしまったように感じました。少し手間かもしれませんが、講義と演習は同じトピックでひとまとめにして交互に行うほうがスムーズに頭に入ったかもしれません。/Rで助かりました。/pythonでも一度やってみたいです/似た興味を持つ人たちをグループに分けてハッカソンのようなグループワークをして成果物を発表するというのも面白いかもしれません。時間が足りないかもしれませんが、、/Deep Active Inferenceのコーディング/生物学者はR言語に馴染みがある人が多いのかもしれません。あまり、プログラムを組んだことのない人(私も)にとっては、どの言語でも同じ状況です。/可能であればPython

ほかにご意見、コメント、要望などありましたら、こちらに記入してください。

16 件の回答

ベイズ脳仮説、予測符号化理論、自由エネルギー原理の違いを整理できたのが大変勉強になりました。また、コードをシェアいただきまして、ありがとうございました。/ベイズ脳仮説、自由エネルギー原理、予測符号化理論の違いを整理でき、大変勉強になりました。また、コードをシェアいただきまして、有難うございました。/私にとって非常に有益な講義と演習でした。ありがとうございました。/講義をお聞きし,自分の関連領域である心理学実験に応用している例から,勉強を始めてみたのですが,期待自由エネルギーの構成要素(特に外在的/認識的価値)の時間発展を検討している研究が少ないように思います。自分は課題に対する集中がいつの間にか逸れている状態について研究しているのですが,これを課題への情報利得の減少,メンタルシミュレーションなどのポリシーに対する認識的価値の増加という形でシミュレーションできれば面白いかと思ったのですが,何か理由などはあるのでしょうか。講義終了後にもかかわらず申し訳ありません。無視していただいて構わないのですが,もしお時間ありましたらご教授頂けますと幸いです。/この度はご多忙の中、チュートリアルを開催いただきありがとうございました。/少しせわしない感じだったため,もう少し演習のためだけの説明に内容を絞ると良いと思いました.全体的には情熱を感じて,良かったです!ありがとうございました!/Rはインストールして使っていましたけど、クラウドになってるとは知りませんでした。ありがとうございました。/とても良いチュートリアルでした。ありがとうございました。/熱力学と対応付けると自由エネルギー原理の理解も進むと思います。/R Studio Cloudを初めて使いました。新しいものを導入するのはなかなか億劫なのですが、思っていた以上に使い勝手のいいものだったのでよい機会になりました。ありがとうございます。/復習は必須だと感じていますが,とりあえず言われるがままあまり考えずに進めても,ちゃんと最後までたどり着けるチュートリアルになっていて,とてもありがたかったです。/FEPを批判的に見てみるところなど、一歩引いて眺めるところがとても良かったです。批判的、俯瞰的な視点は、FEPの周辺関連に詳しくないものには、大変有意義でした。/終わった後に復習用の動画をあげていただけると助かります./素晴らしい講義をありがとうございました。/今回は、企画して頂き、ありがとうございます。もともと理論が難しいので、ご苦労も多かったと推察します。私のように数学的知識がない人間でも、何度が聞けば、だんだん分かってくるのだと思います。また、企画して頂けたら、勉強したいと思います。よろしくお願いします。/説明が今回に限らず大変わかりやすく勉強になっております.関係者の努力に敬意を表します.今後も様々な情報を発信していただければ幸いです.