Googleサイトが新しくなったことに伴い、東北フォーラムホームページも新しくなりました。
旧「東北フォーラムホームページNo.4」(forum.tohoku4th)はこちらで読むことができます。→旧ホームページへ
井上元東北大総長の研究不正疑惑の解消を要望する会
フォーラム代表 日野秀逸(東北大学名誉教授 元東北大学大学院経済学研究科研究科長)
連絡先 大村泉(東北大学名誉教授)
e-mail: imario0901@gmail.com
新着情報 No.21 2021年12月15日
《新着情報No.20》で紹介した、11月29日開催のOnlineシンポジウム講演ビデオの短縮版(各20~25分)をYouTubeで公開しました。
■ 講演1(短縮版)
「名誉回復と不正を繰り返さないために、今、東北大学がやるべきこと」
齋藤文良(東北大学名誉教授・多元物質科学研究所元所長)
矢野雅文(東北大学名誉教授・電気通信研究所元所長)
→短縮版 YouTubeはこちら
■ 講演2(短縮版)
「教育学系学術論文にみられる多重投稿・自己盗用」
三井隆弘(岩手大学教育学部准教授)
→短縮版 YouTubeはこちら
■ 講演3(短縮版)
「ジャーナリストの著作を研究者が“盗用”しても不問なのか?
中京大と大内教授の詭弁」
三宅 勝久(ジャーナリスト)
→短縮版 YouTubeはこちら
※各講演のフルヴァージョンについては《新着情報No.20》、講演資料については《新着情報No.19およびNo.20》をご参照下さい。
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新着情報 No.20 2021年12月6日
11月29日開催のOnlineシンポジウム
「深く広がる日本の研究不正 ---『競争的環境』が生み出す没個性のお粗末な不正」
の講演をYouTubeで公開しました。
■ 講演1
「名誉回復と不正を繰り返さないために、今、東北大学がやるべきこと」
齋藤文良(東北大学名誉教授・多元物質科学研究所元所長)
矢野雅文(東北大学名誉教授・電気通信研究所元所長)
→YouTubeはこちら
→発表資料はこちら
■ 講演2
「教育学系学術論文にみられる多重投稿・自己盗用」
三井隆弘(岩手大学教育学部准教授)
→YouTubeはこちら
→発表資料は、「新着情報19」を参照
■ 講演3
「ジャーナリストの著作を研究者が“盗用”しても不問なのか?
中京大と大内教授の詭弁」
三宅 勝久(ジャーナリスト)
→YouTubeはこちら
→発表資料は、「新着情報19」を参照
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新着情報 No.19 2021年11月27日
11月29日開催のOnlineシンポジウム
「深く広がる日本の研究不正 ---『競争的環境』が生み出す没個性のお粗末な不正」での三井報告と三宅報告の当日発表資料をお届けします。
第2講演(15時5分~16時5分)
三井 隆弘(岩手大学教育学部准教授)
演題:「教育学系学術論文にみられる多重投稿・自己盗用」
第3講演(16時10分~17時10分)
三宅 勝久(ジャーナリスト)
演題:「ジャーナリストの著作を研究者が“盗用”しても不問なのか?
中京大と大内教授の詭弁」
→発表資料はこちら
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新着情報 No.18 2021年11月18日
新着情報 No.17でご案内している11月29日開催のOnlineシンポジウム「深く広がる日本の研究不正 ---『競争的環境』が生み出す没個性のお粗末な不正」の予稿集が仕上がりましたのでお届けします。 →予稿集はこちら
予稿集に収録された各講演の骨子は下記のとおりです。
第1講演では、「名誉回復と不正を繰り返さないために、今、東北大学がやるべきこと」という演題で、井上明久東北大学元総長の研究不正問題が取り上げられ、同元総長の不正研究で傷ついた東北大学の名誉回復と不正を繰り返さないために、同大学の執行部が何をなすべきかが提案されます。
2016年12月に東北大学は極めて明白な井上元総長の研究不正を不正認定しませんでした。翌2017年に、当該論文を掲載した日本金属学会欧文誌の編集委員会は、この東北大学の本調査委員会の報告を追認する声明を発出しました。しかし、2019年に、同学会の欧文誌編集委員会は、この同学会の元会長ら6名の要請を承け、2017年の同編集委員会による追認声明を取り消して、同学会の「事業に係るミスコンダクト対応規程」に基づき、元総長論文のミスコンダクトを認定し、同学会欧文誌から当該論文を含む3報の論文撤回を公告しました。そして本年、2021年春には、井上元総長の当該研究が実施された東北大学金属材料研究所教授会が、この日本金属学会欧文誌編集委員会の新たなミスコンダクト認定を承け、公式HPで研究不正を二度と繰り返さないという強い意志を宣言しました。
講演者の東北大学名誉教授、齋藤文良、矢野雅文両氏は、こうした一連の経緯に深く立ち入り、これらを踏まえて東北大学がいまなすべきことを提案されます。
第2講演では、「教育学系学術論文に見られる多重投稿・自己盗用」が取り上げられます。演者の岩手大学准教授の三井隆弘氏は、ここで、最近全国の教員養成学部・教職大学院で発行されている学術雑誌所収論文にしばしば指摘される多重投稿・自己盗用(二重投稿)を類型化し、その背景を解明されます。以前、齋藤・矢野両氏が井上元東北大総長の二重投稿について批判解明し大きな話題となったことがあります。そこで指摘された二重投稿の類型と三井氏が明らかにされた類型に酷似しているのが見受けられること(金属Vol.86, No.5(2016), p.445-450.pdf (google.com)、またこうした問題投稿をする関係機関の研究者の数と広がりに驚かされます。三井氏が「着想と結果の盗用が疑われる紀要論文に遭遇」し、これを当該大学に通報したところ、その「研究倫理委員会」の回答では、通報者は(三井氏は)、「報告書」との関係で「盗用」を指摘するが、論文著者は「Webサイトの調査結果を整理し提示したもので」、「調査対象が異なっており、盗用には該当しない」とされていたそうです。絶句しました。
第3講演では、「ジャーナリストの著作を研究者が“盗用”しても不問なのか?中京大と大内教授の詭弁」という演題で、現在、著作権法違反で裁判になっている中京大学大内裕和教授による盗用問題の経緯を、大内教授から著作物を盗用された当事者のジャーナリストの三宅勝久氏が、関連テキストの画像データも含め、詳細に取り上げられています。三宅氏は、問題が発覚した直後、大内教授に説明を求めたところ、教授は「盗用・剽窃ではないとして非を認めることを拒否」、そこで「中京大学に研究倫理違反で告発したが、同大学予備調査委員会は、本調査不要として告発を門前払いした」といいます。この結果、三宅氏は訴訟に訴えざるを得なかったそうです。三宅氏の一番の驚きは、大内教授の行為は「ジャーナリストの世界では一瞬にして信用を失うような露骨な盗用・剽窃」であるにも拘わらず、「学者の世界で不問にされている実態を目の当たりにすることとなった」ところにあります。
◆連絡先
E-mail:kagakushinrai(a)gmail.com ※(a)をアットマークで置き換えて下さい。
(科学信頼)
◆参加ご希望の方は、上記メール宛ご一報下さい。
折り返し、シンポジウム参加のためのURL等についてご案内します。
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新着情報No.17 2021年11月3日
《Online-シンポジウム開催のご案内》
深く広がる日本の研究不正 ---
「競争的環境」が生み出す没個性のお粗末な不正
本年(2021年)10月9日(土),第28回日本科学者会議(JSA)東北地区シンポジウムが開催されました.このシンポジウムで,日本国内で,研究不正が,研究者からその周辺の「研究者もどき」に広がり,研究不正の盗用対象も,誰もが触れられる既刊の報道にまで及ぶという驚くべき実態が報告されました.
これまでの研究不正の類型に収まらないこれらの不正をも含め,現在わが国で深く広がる研究不正の特徴と対策の方向を解明する必要を痛感し、下記要領でシンポジウムを開催することにしました。ふるってご参加下さい
記
開催日時:2021年11月29日 14時~18時
※シンポジウムはGoogle Meetを使用したオンライン形式で行います。
(定員100名)
◆ 統一テーマ ◆
深く広がる日本の研究不正 ---
「競争的環境」が生み出す没個性のお粗末な不正
第1講演(14時~15時
齋藤 文良(東北大学名誉教授・多元物質科学研究所元所長)
矢野 雅文(東北大学名誉教授・電気通信研究所元所長)
演題:「名誉回復と不正を繰り返さないために、今、東北大学がやるべきこと」
第2講演(15時5分~16時5分)
三井 隆弘(岩手大学教育学部准教授)
演題:「教育学系学術論文にみられる多重投稿・自己盗用」
第3講演(16時10分~17時10分)
三宅 勝久(ジャーナリスト)
演題:「ジャーナリストの著作を研究者が“盗用”しても不問なのか?
中京大と大内教授の詭弁」
総合討論(17時15分~18時)
コメンター:原田 英美子(滋賀県立大)、池上 徹(東大)ほか
◆連絡先
E-mail:kagakushinrai(a)gmail.com ※(a)をアットマークで置き換えて下さい。
(科学信頼)
◆参加ご希望の方は、上記メール宛ご一報下さい。
折り返し、シンポジウム参加のためのURL等についてご案内します。
◆主催:日本科学者会議(JSA)助成研究「国立大学法人財務構造及び学長(総長)裁量経費の
経年推移からみた法人化後大学経営の実態」・JSA科学者の権利問題委員会有志
◆主催者代表:大村 泉
追伸
第1講演、第2講演について、関連報告をつぎのURLから読むことができます
大村泉「井上明久東北大元総長の研究不正追及の現況」→ここをクリック
三井隆弘「『教員養成学部における研究不正とその背景ー教員免許制度・学習指導要領への寄生が生む不正』重松公司 日本の科学者(2021年5月号)の補足」→ここをクリック
両者はいずれもJSA宮城支部主催の「日本科学者会議第28回東 北地区シンポジウム」の報告です
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新着情報No.16 2021年8月3日
フォーラムは、この新着情報No.16で、早稲田嘉夫氏(東北大学名誉教授・東北大学元副総長)が『金属』Vol.91, No.7(2021年7月号)で公表された論説「異なる合金の原板 (ネガフィルム)が区別できていない管理下の研究は極めて疑問―東北大調査委員会報告 (2016年12月16日付)の不可解な扱い―」のフルテキストを、『金属』誌のご協力を得て公開し、ダウンロード可能にします。
以下に早稲田名誉教授の論説のAbstractの全文を掲げます:
「『ジルコニウム基アモルファス合金に関するJIM97 論文の写真図画(Fig.2)を作成する際に,保管場所か ら原板(ネガフィルム)を取り出す時に,誤ってネオジウム基アモルファス合金の原板を取ってしまった』との被告発者の説明は,異なる合金の原板の区別ができていなかった証拠である。そのような管理データから選んだ原板(ネガフィルム)をもとに作成したポジ画像(写真)は,対象が確かなものではないので,この行為は『取り違え』ではなく『捏造』に相当する.原板の対象が区別できていない管理下の研究は,まさに不正の根源になってしまうので,研究者は到底容認できない。」
フォーラムは、新着情報No.15で、齋藤文良氏(東北大学名誉教授・多元研元所長)と矢野雅文氏(東北大学名誉教授・通信研元所長)が、本年6月14日に小谷元子東北大学研究担当理事・副学長と面会し、東北大学が2016年12月16日付で公表した井上明久元東北大学総長の研究不正疑惑に関する調査委員会報告書の再検討の申し入れをされたことを紹介しました。
齋藤・矢野両名誉教授は申し入れの際、新たな論拠として、この調査委員会議事録関係書類を取り上げていました。フォーラムはこのことを、新着情報No.15で申し入れ書(「『研究不正疑義の告発に関する調査報告書(委員長:四ツ柳隆夫)』(東北大学2016年12月16日)の問題点と東北大学元総長の研究不正疑惑の再調査を求める~『調査委委員会議事録関係書類(2012~2016年)』閲覧を踏まえて~」)の全文を公表して示しています。ダウンロードは、ここをクリック
なお、早稲田名誉教授の本論説は、この「調査委委員会議事録関係書類」の中から、金属の研究者には信じ難い被告発者の説明=〚ネオジウム合金の写真とジルコニウム合金の写真の原板 (ネガ)を区別して管理していなかった〛こと等を例にあげて、齋藤・矢野両名誉教授が小谷理事に要請された委員会報告を再検討する学術的な必要性の根拠を提示されています。
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新着情報No.15 2021年7月10日
新着情報No.14で既報の通り、東北大学元総長の不正疑惑論文に関連して、東北大学名誉教授の齋藤文良氏(多元研元所長)と矢野雅文氏(通信研元所長)は、同大学副学長で研究担当理事である小谷元子氏と2021年6月14日に面会し、2016年12月16日付で、東北大学のホームページ上に公表された「調査報告書」の問題点等を指摘され、同時に新たな事実等を示して、再調査を要請された。この新着情報No.15では、こうした再調査が必要不可欠となっている理由を別紙(「研究不正疑義の告発に関する調査報告書(委員長:四ツ柳隆夫)」(東北大学2016年12月16日)の問題点と東北大学元総長の研究不正疑惑の再調査を求める~「調査委委員会議事録関係書類(2012~2016年)」閲覧を踏まえて~)によって明らかにする。
※ 別紙『「研究不正疑義の告発に関する調査報告書(委員長:四ツ柳隆夫)」(東北大学2016年12月16日)の問題点と東北大学元総長の研究不正疑惑の再調査を求める~「調査委委員会議事録関係書類(2012~2016年)」閲覧を踏まえて~』のダウンロードは、ここをクリック
なお、こうした再調査要求に対しては、大学は「一事不再理」を理由に拒否しているとも言われる。しかし研究不正は刑事事件ではない。学問上の問題に時効など存在しない。井上元総長の研究不正疑惑については、問題となった論文を掲載した日本金属学会欧文誌編集委員会が、東北大の2016年の調査委員会報告を追認する声明を2017年に出したが、同学会元会長らの要請を受け、2017年声明を撤回して、2019年に問題論文の撤回を決定している(大村、丹生、重松論文、新着情報 No.3 2019年9月19日,参照)。齋藤、矢野両氏はこうした日本金属学会欧文誌編集委員会の再声明と、この新着を情報No.15で紹介する『東北大学研究不正疑惑に関する調査委員会議事録関係書類(2012~2016年)』を踏まえて小谷理事に問題の再調査を要請しているのである。
※ 上記大村、丹生、重松論文「井上明久東北大学元総長の研究不正- 日本金属学会欧文誌編集委員会は井上氏の3論文撤回を決定、注目される東北大学の対応」(『日本の科学者』2019年9月号、50~54頁)のダウンロードは,ここをクリック
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最新情報No.14 2021年6月18日
東北大学元総長の不正疑惑論文に関連して、東北大学名誉教授の齋藤文良氏(元多元研究所長)と矢野雅文氏(元通信研所長)は、同大学副学長で研究担当理事である小谷元子氏と2021年6月14日に面会し、2016年12月16日付で、東北大学のホームページ上に公表された「調査報告書」の課題等を指摘され、同時に新たな事実等を示して、再調査を要請された。このことを報じた河北新報2021年6月16日付記事を紹介する。
*上記河北新報2021年6月16日付記事はここをクリックするとダウンロードできます。
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新着情報 No. 13 2020年11月9日
本フォーラム等で、不正疑惑が濃厚と指摘し続けてきた東北大学元総長を主著者とする論文の多くは、研究開発法人 科学技術振興機構〔JST〕の看板プロジェクト、ERATOプログラムの成果報告書に含まれています。その代表的なものが 試料概観写真や2枚のX線回折グラフを、元論文との関係を明確にせず、しかも一部を変更して流用している「99年論文」です。
この99年論文に関する東北大学の報告書(2016年12月16日付)は、その結論で、「写真やグラフの流用は記載不備とも考えられ、かつ故意だとの証拠も得られないため、研究不正とは言えない」としています。しかし、この故意だとの証拠が得られないとの理由付は、元総長自らが「前論文の解釈の間違いを明らかにするために、後続論文には意図的に同じグラフを用いた」と回答【朝日新聞、2015年2月8日】していることから、明らかに矛盾しています。この報告書が公開されて以降、不正疑惑論文関連で、以下に示す3つの新たな動きが確認されています。(一部は、本フォーラムの新着情報で扱っているので重複します〕
1. 日本金属学会編集委員会は、2019年3月末に、99年論文とその元論文に相当する97年論文の両方について、同学会の「ミスコンダクト対応規程」の第3条(2)不適切行為、例えば不適切な捏造(故意によらない、極めて悪質ではないもの)を適用し、両論文の科学的に不適切な箇所を具体的に公示して撤回処分としました。
2. 論文撤回処分の公示を踏まえ、東北大学の2016年12月16日付報告書の作成に関わられた2名の委員(本間基文氏、久道 茂氏;両氏とも東北大学名誉教授)が2019年5月10日に東北大学の研究担当理事に面会して、 『この報告書についていたはずの別添文書の存在確認と再調査』を要請されました。この行動に伴って、委員会では6名の委員のうちちょうど半数の3名が「問題あり」と主張していたことや運営の問題点等も明らかになりました。
3. 不正疑惑論文の研究が実施された金属材料研究所は、東北大学の報告書では 『故意による研究不正とは認定されなかった』としたうえで、「一方、単純ミスでは済まされない多くの不適切な行為があったことは、事実と認められています」と、部局のHP上で見解を示しました。この金属材料研究所教授会の見識は、日本金属学会編集委員会と同様に、たとえ故意でない場合であっても、単純ミスでは済まされない・済ますべきではない と認定しています。また、この内容は、文部科学省のガイドラインが不正行為として定義している、「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠っていること(特定不正行為)」と整合し、極めて重要なポイントです。
東北大学名誉教授の齋藤文良氏および矢野雅文氏は、ERATOプログラムの推進・実施機関である科学技術振興機構(JST)の理事長に対して、新たな事実等を明示した上で、JSTが、東北大学への質問・問い合わせ等を行い、社会的責任を果たすようにと、2020年10月5日付で、要請されました。なぜならば、多くの不正疑惑論文が含まれるERATOプログラムの原資は税金だからです。これらについて、紹介します。
齋藤 文良・矢野雅文名誉教授の報告書(2020年11月3日付)※ここをクリック
齋藤・矢野名誉教授の指摘ポイント概要 ※ここをクリック
朝日新聞記事、2017年5月18日付け ※ここをクリック
東北大報告(四ッ柳委員長)の問題点 ※ここをクリック
朝日新聞記事、2015年2月8日付け ※ここをクリック
日本金属学会のミスコンダクト規程 ※ここをクリック
早坂研究担当理事への要望書(本間基文・久道茂東北大学名誉教授、2019年5月10付) ※ここをクリック
東北大学金属材料研究所のHPに掲載されている「公正な研究活動の推進」メッツセージ(修正版) ※ここをクリック
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新着情報 No. 12 2020年8月27日
本フォーラム等で、不正疑惑が濃厚と指摘し続けてきた東北大学元総長を主著者とする3編の論文が、2019年3月末に、日本金属学会により『撤回』されました。この学会の新たな措置を踏まえて、例えば、東北大学の調査委員会の元メンバー2名が、2019年5月10日付および11月14日付で研究担当理事等へ申し入れを、2019年9月26日付で有志65名が大野英男東北大学総長へ要望書を提出しています。それでも、東北大学首脳部は沈黙を続け、いまだに説明責任を果たしていません。この状況は、誠に遺憾です。
一方、東北大学名誉教授; 多元研元所長の齋藤文良氏および通研元所長の矢野雅文氏は、大学にとって学術の信頼は、必要不可欠な最重要事項であるとの信念等に基づいて、これまでも信頼回復のための活動を継続的に展開してこられました。今回、このお二人の名誉教授は、疑惑論文の研究が実施された金属材料研究所教授会主要構成員の教授・准教授65名に宛て、「貴研究所の信頼を損ねている疑惑論文を 科学的視点から公正に調査し、社会的責任を果たすこと」を、あるいは「貴研究所HP上に掲載されている所長名の「公正な研究活動の促進」に係る疑問点の確認等を通じて社会的責任を果たすこと」を強く要請されました。これらについて、紹介します。
◆齋藤 文良・矢野雅文名誉教授の要請書(2020年7月30日付)
◎資料1:解説 →ここをクリック
◎資料2:JIN99論文とJIM97論文 →ここをクリック
◆齋藤 文良・矢野雅文名誉教授の要請書(2020年8月20 日付)
◎この活動を報じている新聞記事 ※ここをクリック
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新着情報 No. 11 2020年7月17日
良く知られているように、日本金属学会欧文誌編集委員会は2019年3月末、研究不正が疑われた井上明久 元東北大総長を筆頭著者とする複数の論文について、科学的に不適切な箇所を具体的に示した上で、「撤回措置」としました。この学会の動きを踏まえ、東北大学の調査委員会(*)の元メンバーの二人 あるいは日本金属学会の元会長ら六人が、研究担当理事等へ申し入れをしました(2019年5月10日、11月14日付)。また、研究者有志65名が大野英男東北大学総長に対して、要望書を提出しました(2019年9月26日付)。それでも、東北大学首脳部は沈黙を続け、まだ説明責任を果たしていません。「学術研究の信頼回復のチャンス」のはずなのに、この状況は誠に遺憾です。この「学術研究の信頼回復が滞っている現状」を憂いた2人の東北大学の名誉教授が、それぞれの立場から、改めて「論文不正疑惑問題」に関する寄稿をされたので、紹介します。
齋藤 文良名誉教授の記事
(「河北新報」2020年7月10日朝刊)
早稲田 嘉夫名誉教授の記事
(「週刊金曜日」2020年7月10日1288号)
(*)この調査委員会は、「99年論文に97年論文データの無断転用の事実や、二つの論文でジルコニウム基合金のものとして掲載していた写真が、96年論文で公表済のネオジウム基合金の 直径3mm、5mmおよび7mmの3本の写真の流用であった事実(#)」等を認定しています。でも、それらは故意であったと疑われるという少数意見もあったが、『それを証明しうるだけの証拠もなかったため、告発事項に関する研究不正があったと認定することはできなかった』 とまとめています。しかし 委員6名全員が「研究不正とは認定できない」という結論を支持したわけではありませんでした。半数の3名が「問題あり」との意見でしたが、3年にも及ぶ調査中に3名のうち1名の委員が病気で亡くなられました。その後、残った2名の委員は、調査報告書に「問題あり」との付帯意見を反映させること等を条件に、委員長らに押し切られる強制終了が実態だったこと、さらに報告書には付帯意見の一部しか記載されない等の問題点が判明しています。 [参考:たとえば 河北新報・朝日新聞 2019年5月11日]
(#)ジルコニウム基合金の写真に、全く別のネオジウム基合金の写真が流用だった事実を報じる新聞記事 ※ここをクリック
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新着情報 No. 10 2020年4月7日
日本金属学会(公益社団法人)は、井上明久東北大学元総長を筆頭著者とする、JIM99論文に与えられていた 『第48回論文賞の受賞記録の削除』 を公表しました。
このJIM99論文について、公正な調査に基づく適切な措置をと、学会側に要請されていた日本金属学会の元会長ら6人【代表:及川 洪東北大学名誉教授】は、今回のこの記録削除を知り、以下の感想を示されておられます。
「論文賞記録の削除は、至極当然の結果である」。ただし、JIM99論文は、科学的に不適切な箇所を具体的に提示しての撤回措置であったことが明示されず、しかも『著者から論文賞返納の申し出を受理して削除』となっている理由等は、理解できない。それでも、JIM99論文を受付・査読・掲載決定等を担った学会に求められる『最低限の義務』が果たされたことは、よかった。
一方、沈黙を続け、説明責任を果たさない東北大学首脳部の学術研究に関する『モラル』が問われていることに変わりはありません。元総長の幾つもの論文で顕在化した疑惑の解明に及び腰を継続する東北大学の姿勢は、世界の研究者に対する裏切りだからです。
参考:(東北大学の調査報告書より抜粋)JIM99論文では、先行公表のJIM97論文の写真1枚とグラフ2枚が、言及なしで一部を変更して流用されている。しかも、後続論文と前論文との関係が全く記述されておらず、前論文の解釈の誤りについても全く記述されていない。
一方、研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務の1つに、『過去に報告済み論文の写真やグラフを、後続論文で使用する場合は、たとえ自らの論文でも、当該写真やグラフの説明等に引用したことを明記する』ことがある。
⇒ したがって、JIM99論文の研究倫理違反は明白だと、容易に断定できます。
「第48回日本金属学会論文賞の受賞について」の公告は、以下をクリック。
https://jim.or.jp/INTRO/prize-relation/prize_138.html
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新着情報 No.9 2020年2月9日
東北大学元総長を筆頭著者とする論文の研究不正疑惑を告発した方々が、科学技術振興機構(JST)経由で受領していた2通の東北大学の回答に付された報告書に、新たな事実が確認された。その事実とは、2013年11月1日設置と公表された『本調査委員会の委員6名のうち2名の委員のみが、本調査委員会の調査・審議が進められている期間中、さらに2016年12月15日付の調査報告書の提出後に、この2通の報告書作成に〚学外委員〛として関わっていたこと』である。極めて不自然で、不公正さを感じざるを得ない。本調査委員会委員の本間基文氏および久道茂氏は、この事実を知らされていないばかりか、「2016年12月15日付報告書の都合の良い部分のみを流用していること」にあきれかえるとともに、強い憤りを感じておられると伝わっている。
なお、研究不正の告発について東北大学は、『(告発で指摘された事実を認め、かつ3件の異なる意見が付されているが)、意図して行われた行為を証明し得るだけの証拠もなかったため、研究不正があったと認定することはできない』等とする調査報告書を、2016年12月15日付で公表している。この調査報告書の(作成に関わってしまった)本調査委員会の委員で、不正を指摘されていた同大名誉教授の本間基文氏および久道茂氏は、2019年5月に連名で「調査委員会における具体的な問題点等を示し、適切な対応を求める要望書」を、早坂忠裕理事(研究担当)に提出された(例えば、新着情報No.5 2019年9月26日参照)。今回新たに確認された内容も、「本調査委員会に関わる問題点の一つ」と考えられる。しかし、いまだに東北大学は、何の回答もしないまま、放置している。
◆東北大学の回答(北大研倫第7号:平成29年2月21日付)および問題点の指摘は、ここをクリック
◆東北大学の回答(北大研研総第181号:平成26年12月12日付)および問題点の指摘は、ここをクリック
◆報告書(北大研研総第181号)の対象であるScripta 01論文の不正疑惑ポイントの解説は、ここをクリック
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新着情報 No.8 2019年12月13日
東北大学は、研究不正が疑われる井上明久元総長を筆頭著者とする論文について、2019年3月末の学会の「撤回措置」を踏まえた日本金属学会元会長・東北大学の調査委員会(*)の元メンバー二人を含む名誉教授らの研究担当理事への申し入れ(2019年5月10日付)、あるいは研究者有志65名の大野英男東北大学総宛て要望書の提出(2019年9月26日付) 等が行われましたが、東北大学はいまだに沈黙を続け、「学術研究の信頼失墜」を招いたままです。
(*) この委員会の調査報告は、「JIM99論文におけるJIM97論文のデータ転用等の事実を認め、かつそれらは故意であったと疑われるという少数意見もあったが、それを証明しうるだけの証拠もなかったため、告発事項に関する研究不正があったと認定することはできなかった』としています。
フリージャーナリストの三宅勝久氏は、これまでも「週刊金曜日」や「社会新報」等で、井上元総長の研究不正論文問題を鋭く追及されていますが、このたび”My News Japan” (http://www.mynewsjapan.com/) に“東北大の小保方さん”井上明久・元総長の「写真・データ使い回しまくり」論文を学会が撤回も、東北大学が頑なに「不正認定」せず擁護“なる記事を寄稿・掲載されました。本記事は以下から閲覧が可能です。
※http://www.mynewsjapan.com/reports/2506 ←ここをクリック
この記事に関心を持ったフォーラム関係者が三宅氏に要請したところ、記事の概要をこのHPのために作成し寄稿してくださいました。
※「三宅勝久氏のフォーラムへの寄稿記事」←ここをクリック
三宅氏の寄稿記事には、研究不正論文問題のポイントが簡潔・的確に紹介されていますし、かつ三宅氏が井上氏側から引き出した『デタラメ回答』は、井上氏側による疑惑説明の矛盾点を浮き彫りにする貴重な情報です。
ちなみに、井上氏はまるで当該論文を、2019年3月末に自主撤回したかのごとく主張しています。しかし、フォーラム関係者らが2013年には試料写真の疑惑等を指摘しているのに、井上氏らは訂正も撤回もしていません。⇒それにも拘わらず「指摘を受けていれば訂正で対応できた」は、呆れるばかりです。
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新着情報 No.7 2019年11月22日
東北大学は、元総長を筆頭著者とする2編の論文について、『(告発で指摘された不正疑惑は)、意図して行われた行為を証明し得るだけの証拠もなかったため、研究不正があったと認定することはできない』とする調査報告書を、2016年12月15日付でHP上に公表していました。しかし、フォーラムが何度も報じてきたように、この2編の論文を含む3編の論文は、日本金属学会欧文誌編集委員会により2019年3月末に。撤回措置とされました。この公的学会による新たな対応を踏まえ、日本金属学会の元会長らが、2019年5月に、同大学の早坂忠裕理事(研究担当)に、調査報告書の再点検を要請しました(例えば、新着情報No.5 2019年9月26日参照)。しかし、半年経過しても応答がないとして、「放置は不適切、年内に対応してほしい」と再要請がなされました。
同様に、調査報告書(2019年12月15日付)に係る東北大学の調査委員会メンバーで、不正を指摘した同大名誉教授の本間基文氏および久道茂氏も 連名で、「調査委員会における具体的な問題点等を示し、適切な対応を求める要望書を提出したにも拘わらず、いまだに放置は不適切、年内に対応してほしい」と再度、要請されました。
東北大学の調査報告書(2019年12月15日付)の公開は、極めて一方的で、記者会見も行われていません。調査報告書に含まれる少数意見に質問が及ぶことを、同大執行部は避けた(?)のかもしれません。この点に関連し、同大学名誉教授の齋藤文良氏および矢野雅文氏は、「少数意見を述べられた委員の名誉回復が必須」との見解を、金属分野で著名な業界誌 金属Vol.87 (2016), pp.563-567で、表明しておられます。今回の本間・久道両氏の要請と、齋藤・矢野氏の指摘との間には、相関がありそうです。いずれにしても、東北大学現執行部は、この調査委員会メンバーであった本間・久道両氏の要請にも沈黙しています。
※東北大学名誉教授らの再要請を報じる新聞記事は、ここをクリック
※齋藤・矢野両氏の「少数意見を述べられた委員の名誉回復が必須」との記事は、ここをクリック
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新着情報 No.6 2019年10月20日
YouTubeで以下の動画が公開されています。
■2019年9月26日に宮城県政記者クラブで行われた記者会見の様子
東北大学元総長の研究不正再調査を求める要望書を東北大学大野総長に提出しました。記者会見の出席者は、大村泉(東北大学名誉教授)、重松公司(岩手大学元教授)、鈴木謙爾(東北大学金属材料研究所元所長)、矢野雅文(東北大学電気通信研究所元所長)の4氏です。
東北大学元総長の研究不正再調査を求める要望書提出 ※ここをクリック
■2019年10月19日(土)にルノワール新宿区役所横店で行なわれた第120回草の実アカデミー(代表:林克明氏)より
第1部の三宅勝久さん(「週刊金曜日」)の基調講演
【基調講演】三宅勝久氏~小保方晴子氏と井上明久元東北大学総長の論文不正問題
【質疑応答】三宅勝久氏×林克明氏~小保方晴子氏と井上明久元東北大学総長の論文不正問題
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新着情報 No.5 2019年9月26日
すでに本ホームページでも紹介済みのように、本年3月末に、日本金属学会欧文誌編集委員会(以下JIM編集委員会)は、井上明久東北大学元総長の3つの論文を撤回する声明を出しました。この論文撤回措置は、当該論文に認められる疑惑部分の要因を単なる著者のミスや記載不備に帰することが適切ではないことを意味します。すなわち、東北大学がHP上で公表した2016年12月15日付の「調査報告書」の結論と相容れないものです。しかし、東北大学は、この公的学会の判定・措置が公表されたにも拘わらず、沈黙を続けています。そのようなことでは、学術研究の信頼回復が望めません。それに加えて当該論文3編の筆頭著者である元総長は、「20年~22年前の論文で、撤回が特別な意味を持つとは思えない」(朝日新聞2019年3月27日)、「(取り違いミスに)早い時期に気づくか、指摘を受けていれば訂正で対応できた」(週刊金曜日1227号、2019年4月5日, p.6)等と、自分に都合の良いコメントを連発しています。例えば、後者について言えば、フォーラム関係者らが2013年には試料写真の疑惑を指摘していますが、著者らは訂正等の対応を取っていません。それにも拘わらず今頃になって「指摘を受けていれば訂正で対応できた」とは、呆れた弁解です。
このような「学術研究の信頼回復」が滞っている現状を憂いた名誉教授7名が、2019年5月10日に東北大学の研究担当理事に面会し、「報告書を再点検して適切な対応を取るように」との要望書を提出されました。この要望書提出で注目すべきことは、東北大学の「調査報告書(2016年12月15日付)」の作成に関わった調査委員会のメンバー複数が参加されていることです。
同様に、東北大学がひたすら沈黙を続けることに疑問を抱く有志65名が、2019年9月26日、大野英男東北大学総長、同大学役員会・教育研究評議会・経営協議会の構成員に、「躊躇なく元総長の研究不正を認定する」ことを求めました。
名誉教授ら7名が、東北大学の研究担当理事に面会して、要望書を出したことを報じる新聞記事、および有志65名の文書は、以下をクリックすればダウンロード可能である。
◆「元総長の研究不正認定」を求める有志65名の文書 ※ここをクリック
◆ 名誉教授7名の要望書提出を報じる新聞記事 ※ここをクリック
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新着情報 No.4 2019年9月20日
井上明久東北大学元総長を筆頭著者とし、1999年に日本金属学会欧文誌(以下、JIM誌)で公表された論文(以下、JIM99論文)に関する研究不正告発を否定した、東北大学の二つの文書(2011年1月26日付、及び2016年12月15日付文書)にコメントを付して公表します。
JIM誌編集委員会は、本年3月末に井上氏の3つの論文を撤回する声明を出しました。この3論文のうち上記JIM99論文は、日本金属学会が2000年度に論文賞(物性部門)を授与した論文でした。しかし2010年時点で既に、この論文には、1997年に公表された井上氏を筆頭著者とする論文(以下、JIM97論文)から、製作試料外観写真や複数箇所でのX線回折図形を無断流用しているという研究不正疑惑が浮上していました。
2013年には、JIM99論文でJIM97論文から無断流用されていた製作試料外観写真が、なんと1996年に公表された井上氏を筆頭著者とする論文(以下、JIM96論文)からの無断流用であるばかりか、JIM96年論文ではNd(ネオジム)基アモルファス合金と銘打たれた写真が、JIM97論文とJIM99論文ではZr(ジルコニウム)基アモルファス合金の製作試料外観写真として無断流用されていることも判明したのでした。
この二つの疑惑に関する告発に大学はどのように答えたのか。またそこにはどのような問題があるのか。この新着情報では、二つの疑惑に対する大学回答を、フォーラムのコメントを付して公表します。
なお、2011年1月26日付大学回答は、日野/大村/高橋/松井編著『東北大総長 おやめください 研究不正と大学の私物化』(社会評論社、2011年3月、199-205頁)で公開された回答の写しです。また2016年12月15日付大学回答はこの告発を行ったフォーラム関係者が受け取った原本の写しです。
両回答は以下をクリックすればダウンロード可能です。
2011年1月26日付東北大学回答は以下をクリック:
2016年12月15日付東北大学回答は以下をクリック:
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新着情報 No.3 2019年9月19日
大村泉、重松公司、丹生淳郷「井上明久東北大学元総長の研究不正- 日本金属学会欧文誌編集委員会は井上氏の3論文撤回を決定、注目される東北大学の対応」(『日本の科学者』2019年9月号、50~54頁)のフルテキストを公表します。
上記3氏の論文は、フォーラムがこの間6度にわたって報じてきた本年3月末の日本金属学会欧文誌編集委員会による井上明久東北大学元総長の3論文の撤回声明を、井上氏の撤回された3論文の内容と直接関連付けることによって、この撤回声明が、以前の東北大学による当該3論文に関する決定や、またこの大学の決定に倣った以前の日本金属学会欧文誌編集委員会の声明を覆していることを、詳細に明らかにしています。
大村/重松/丹生論文のダウンロードは以下をクリック:
大村_重松_丹生ひろばJJS_2019_09.PDF (1304K)TOHOKU FORUM, 2019/09/20 0:11
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新着情報 No.2 2019年4月23日
『週間金曜日』2019年4月5日号に掲載された三宅勝久記者の「金曜アンテナ」記事(東北大元総長による「研究不正」疑惑、さらに濃厚に/金属学会が論文3本を「撤回」)の本HPでの転載紹介が可能になりました。同記事を転載します。
三宅勝久記者記事をダウンロードは(次をクリック)三宅勝久記者記事.PDF
デジタル版は下をクリック
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190422-00010000-kinyobi-soci
この記事については、同日付の編集者後記で小林和子編集長が次のように紹介されています。「井上明久東北大学元総長の論文不正疑惑について今週号アンテナで三宅勝久氏が報じている。1997~2000年にかけて井上氏が発表した論文3本について、日本金属学会欧文誌編集委員会は「科学的に不適切な過失」があるとして撤回したというのだ。/「ようやく」というのが率直な感想だ。2013年と15年、本誌で井上氏の疑惑を指摘する連載を掲載してきたからだ。大学トップにいた氏の不正を大学に告発をした勇気ある教員の方々を思い出す。/連載にもあったが、大学当局は彼らの賞与の査定を下げ、退職後の名誉教授の称号授与を保留にし、理由なく退職金の返納を要求するということまでやってのけた。/巨額のプロジェクトをぶち上げ、そこに公的資金がつぎ込まれる。そのカネでスタッフを雇い、一気に研究を進める。だからといって、必ずしもそれ相当の結果が出るわけではないだろう。井上氏が研究した金属ガラスが、まさにその例だったのではないか。/今後の展開を注視したい。」
出所:http://www.kinyobi.co.jp/henshucho/(『週刊金曜日』)
[なお、この新着情報No.2は、東北フォーラムホームページ3rdの新着情報No.36から始まった関連連載記事として数えると、第6号である。]
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新着情報No. 1, 2019年4月13日 (forumtohoku-4thとして新たにNo.1から)
日本金属学会欧文誌編集委員会は2019年3月25日付で井上明久東北大学元総長の3つの論文撤回を公表した。しかし論文筆頭著者による論文「取り下げ」=撤回の手続きが完了しているにもかかわらず、まだ撤回されていない重大論文がある。2007年の匿名投書事件で東北大学が井上元総長の研究不正疑惑を打ち消す際、最大のよりどころにした横山嘉彦東北大学元准教授(金属材料研究所・当時)を筆頭著者とする2007年論文である。この新着情報は、HP 3rdの新着情報No.36から始まった関連連載記事の第5号である。
1.匿名投書事件
東北大学の研究不正への対応が本質隠蔽的になったのは2007年に生じた井上元総長の研究不正疑惑に関する匿名投書事件以来である。この投書で問題になったのは井上元総長が1990年代半ばに公表した4つの論文の再現性であった。これらの論文はいずれも大きな直径をもつ金属ガラス(バルク金属ガラス、以下BMG)の開発を主題にしていた。1990年代初頭までは、貴金属を主原料とした特殊な合金を除き、BMGは厚さμm単位のものしか作れなかった。井上元総長は1996年に直径30mmのBMGの製作に成功したと言う。しかし再現性は全くない。これが投書の趣旨であった。
2.製作試料現物・実験ノートは天津湾に水没
匿名投書が文科省やマスコミ各社にも配布されたことから、東北大学は特別の調査委員会を立ち上げ、2007年末に調査報告書が公表された。しかしこれは学術機関の報告とは思えない代物であった。報告書は、「製作試料現物は、実験ノート共に海難事故で天津湾に水没、当時の実験装置や原料素材が存在しないので再現実験が出来ない」、との井上元総長の言い分をそのまま認めた。疑惑論文以外に成果を証明するものがないのは、小保方晴子理化学研究所元ユニットリーダー(研究員)のSTAP論文捏造事件と構図は同一である。理研は小保方元ユニットリーダーも参加させて再実験し、再現できなかったことを踏まえて不正を結論づけた。
3.東北大は1996年論文の再現性は2007年論文で担保されると主張
しかし東北大は再実験を命じることなく、1996年論文と同一直径(長さ不記載、実際は60%程度)のBMG試料が当時とは異なる製法ではあるができたとする2007年論文で1996年論文の再現性が確認され,捏造改ざんはないと結論した。実験科学における再現性とは、論文記載の方法と科学的に同等の方法で同等の素材を用いて実験誤差範囲内で同一の結果を得ることだ。この再現性理解はSTAP論文の研究不正疑惑でも再三強調され、いまや国民的常識でもある。匿名投書に関する東北大の調査報告書に連署した研究者にBMGの専門家はいなかった。しかし大学の報告書をレビューした弘津禎彦阪大教授(当時)は、製法が異なることを無視して1996年論文に再現性があることを追認した。弘津教授は井上元総長の共同研究者で、調査報告書が公表された2008年3月末に阪大を定年で退職。退職後は井上元総長の大型研究プロジェクトで雇用されたことが確認されている。
1996年論文の再現性は本フォーラムの関係者と井上元総長との名誉毀損裁判でも主論点の1つとなり、裁判では、2007年論文の筆頭著者で実験担当者の横山嘉彦東北大元准教授は、両論文の試料製作法には本質的な違いがあることを認めたばかりか、2007年論文は製作試料のBMG同定に明瞭な欠陥があり論文「取り下げ」=撤回の手続きを取ったことを明らかにする一方、東北大学が、BMGの同定をしておらず横山元准教授が「文鎮にでも使って欲しい」と言って井上元総長に提供した金属塊を1996年論文の再現性の証拠としてHPに掲げていること等、驚愕すべき証言を行った。これらは地元紙でも大きく報道されたが、大学は無視した。
地元紙報道PDFのダウンロードは以下をクリック:
4. 日本金属学会は2007年論文の撤回措置を早急に実施すべきである
背景を含めて若干詳しく述べたが、この横山元金研准教授の2007年論文の「論文取り下げ」=撤回の申し出は、2013年12月10日付で提出され、福富洋志日本金属学会欧文誌編集委員会委員長名で、同年12月13日付で受け取っていることが判明している。しかしながら、日本金属学会は同論文の撤回措置をまだ講じていない。
2019年3月25日付の3論文の論文撤回がそれらの筆頭著者で連絡著者でもある井上元総長の同意のみによってなされているのであるから、この2007年論文の撤回措置が講じられていないことは奇異と言うほかない。日本金属学会欧文誌編集委員会は、この論文の撤回措置を早急に講ずるべきである。
東北大学は、今回撤回された3論文に関する学術的に信頼できる調査に着手すべきであり、同時にまた2007年の大学調査報告書の撤回と再調査に踏み切るべきである。東北大学でこの問題にもっとも責任がある部局は、間違いなく当該論文の研究が実施された金属材料研究所(略称:金研)である。井上元総長が新たに設立し研究展開を精力的に進めた「金属ガラスセンター」は既になく、横山准教授も責任を取り辞職した。しかし、金研には井上元総長が担当していた「非平衡物質工学部門」は、井上元総長の共同研究者の一人が後継となり、研究が継続されている。したがって、金研は、この問題を放置し続けるのではなく、自らの責任で最終的な学術的決着を図り、必要な教訓を整理することを学術研究機関として果たすべき使命と考えるべきであろう。